表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

- take 1 -


*Opening act



愛ってのは、わたしにとって不確かなもので

でも、確かに感じ取ることが出来るものであって


愛より未来の方が、よっぽど不確かで曖昧でしかないかもしれない

いつまでこの愛、分け合い続けられるの

どこまで信じていけばいいんだろう





貴女は歌を歌っている

いつも貴女は穏やかで、笑っていて、楽しそうで

このスタジオ練のひとときを特別に彩る


貴女は歌姫、貴女はボーカリスト



******





ただただ忙しい毎日を過ごしていた。追われるように、繰り返す不規則で規則正しい仕事と勉強で切り詰められた時間。

好きでこういった道を選んでしまったんだけど、どうにもならないこの不自由さが楽しくも苦しい。


こんな状態なのに私がバンドをまた組むなんてね。

出来るのかな、無謀だな、ただでさえカツカツな生活なのに音楽の時間作れるのかな。



前に組んだバンドも、この状況じゃ上手く課題を消化出来ずに一人置いてきぼりで迷惑だけ掛けて辞めてしまったっていうのに……。




「私、このバンドでギターしたいんですが…自信なくて。取り敢えず、様子見で仮入部的なものからでもいいですか?」



思わぬきっかけで誘われたガールズバンドのスタジオ練の見学、知ってる人は誰も居なかった。だけど単純にこのバンドいいなって思ったから。


みんな、音楽好きなんだね。それぞれが練習にストイックに取り組んでるのが伝わって来た。


このバンドなら私もまた、やり直せる? 楽しめる?

わかならないし、自分次第ではあるけどやってみたいって直感で思ったんだ。



「ねぇねぇ、いつからギターやってるの?」


「21くらいの時ですかね?」


「そうなんだぁ、因みにどんなバンドとか組んでたの?」



ボーカルの人が、一人歩いていた私の隣に並んで歩く。スタジオが終わってみんなで駅へと向かっていた。



「始めは、ロックバンドのコピバンでしたが女性ボーカルのバンドも組んだり」


「へぇ、ロックね! 好きなアーティストとかやりたいバンドある?」


「私一番好きなバンドかあって、クリープハイプって言うんですけど。それやってみたいですね」


「名前知らないかも、ググるわっ」



サササッと、携帯を操作して調べる時間が余りにも早くて思わず感心していた。


「早いですね…!」


「私なんでもすぐググるからなっ!! これやろ? クリープハイプ」


「そうそう、これなんです」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ