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アフレック探偵社 3

十二体の骸骨を打ち砕いたあたりから、アフレックの攻撃の速度が突然落ちた。


アフレックの持つツインブレードはかなり重いはずだ。


その得物を目にも止まらぬ早さで操るのは至難の技だが、その状態で長時間戦い続けることに無理があるのだ。


更に悪いことに骸骨達の動きが良くなっている。


アフレックの背後や死角に回り込んで斬りかかる、複数の骸骨が同時にアフレックを襲うなど、明らかに集団の力を活かした戦いをしてきている。


エラとスリーがアフレックの援護をしているが、エラのブーメランでは骸骨を完全には破壊出来ない。


スリーも短剣の二刀流で応戦しているが、不死身の骸骨を完全破壊出きる程の腕力はないようだ。


『骨ばかりで筋肉が無いのに、何でこいつら力が強いんだ。』


『無駄口叩いてないで、もっとバタバタあいつら倒しなさいよ!』


『無茶言うなよ、副社長。』


アフレックは疲れている筈であるが、それでも足はよく動いている。


右に左に駆け回ってはいるが、腕の動きは小さく少なくなっている。


不意にアフレックがまた駆けた。


今度は墓地の墓石群目がけて駆けている。


墓石を障害物として敵の動きを限定し、戦い易くするのだろうか。


あちらこちらからボコッと言う音がした。


墓石群の地中から、腕や頭がひとつ、またひとつと飛び出してきたのだ。


飛び出してきた体の一部達は、やがて全身を地中から這い出させた。


更に数十もの腐った死体が凶悪な敵意をアフレックに向けて現れたのだ。


死体達はアフレックを半包囲する格好である。


アフレックが叫んだ。


『エラ!あの木の上に居る奴を仕留めろ!』


『えっ!』


エラが目を凝らすと、確かにアフレックの前方の木の上に人影が居た。


届くかどうか、当たるかどうかは考えなかった。


瞬時に投げたエラのブーメランは、大きなカーブを描いて木の上に吸い込まれていく。


手応えと同時に、人影が木から落ちてくるとアフレックが飛んだ。


人影から腕が片方落ちた。


凄まじい絶叫と共に、骸骨も死体達もその場に倒れた。


アフレックが得物の刃先を鼻先に押しつけると、男は叫ぶのを堪えた。


エラとスリーが駆けつけると、怯えた小男が落とされた肩から下を押さえて固まっている。


アフレックが話しかけようとした瞬間、その男の目が上に回転し白目になった。


『旦那!危ない!』


小男が爆発し、炎を四方に吹いて砕けちった。


アフレックは爆風に飛ばされ、地面に叩きつけられたが、かろうじて受け身は取った。


『旦那、無事か?』


『・・・エラは?』


『大丈夫よ!アフレック、怪我は!?』


『かすり傷だ。今のは一体・・・』


『魔術だよ、旦那。自爆の技だ。』


『自爆・・・』


アフレックは違和感を感じたが、立ち上がろうとした刹那、爆発で飛ばされて受けたダメージが重さとなって全身に覆い被さってきた。



夢を見ているのがわかる夢だった。


怪しげなことを調べるような場所から必死に逃げた。


どこまでも逃げた。


しかし、逃げても逃げても、その場所が遠くならない。



目が覚めると、自分の部屋のベッドに寝ていた。


部屋が何故か綺麗に片付いている。


普段は散らかり放題だった部屋が、居心地の良いこざっぱりとした部屋になっていた。


エラが片付けてくれたのだろうか。


テーブルの上に割れた仮面が置いてある。


『エラに・・・見られてしまったか。』


素顔を知られた可能性がある。


金髪の美青年は、この街に留まるのか去るのかを本気で悩むはめになった。

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