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プロローグ 青春ゾンビ(実質ニート)

俺、國木田奏くにきだそうは春休みに学校を辞めた。何というか、合わなかったんだ。元々中学も不登校で、なんとか全日制の私立校に合格して入学したわけだが、そこは地元でも有名な所謂ヤンキー校だった。遅刻は毎日十人くらいいるし、授業中は半数が寝てるし、ギャルはメイクバッチリ……。そんな中で友人が出来るわけがないのだ。基本的に真面目な性格の自分には、ヤンキー校なんて合うはずがなかった。しかも、教師のレベルも低い。授業が騒がしくても大半の先生は全然注意をしないのだ。教師達ももう諦めているのだろう。というか学校という場所自体にやっぱり抵抗があった。上手く表現出来ないけど、決められた集団の中で過ごすってのがどうも無理だった。何だか常に気が張っているようで苦しかった。そして結局なんだかんだ一年間頑張って通ったわけだけど、進級する勇気はなかった……。


 学校を辞めた後は、親から進路はどうするんだと散々言われたわけだが、もちろん働きたい! なんてわけない。基本的に引きこもり体質の俺は大学進学を目標とすることになった。―表向きは(・・・・)― いや、別に大学に進学したくないわけではない。むしろ高学歴にでもなって人生逆転したいとすら思っている。ただ、今自分にはやりたいことがあるのだ。俺は中学不登校時代からDTMデスクトップミュージックを趣味でやっていて、高校に入ってからはそれを歌声合成ソフト(ボーカロイド)に自分の曲を歌わせて動画投稿サイトに投稿するという所謂ボカロP活動をしているのだ。ただ、勉強を一切しないというわけにはいかないので、平日の午後はよく近所の喫茶店に行って勉強をしている。その喫茶店の店主のお姉さんが中々の美人でなんだか居心地が良い、そのおかげか勉強も分からないながらも捗っている。


 そんな人生で一番楽しい時期だなんて巷で噂の高校生活を棒に振ってしまった青春したくても青春できない青春ゾンビとなった俺は――


 一目惚れをした。


 ――彼女の声と音に――

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