スカッとする小話三本立て
『ガラガラ福引き』
とあるデパートの福引の抽選会に来た。
「一等は電動自転車! 特等はなんとハワイ旅行!! さあさあ回した回したー!」
手持ちの福引券は貴重な一枚。当たるも外すもこれ一度きり。
いよいよ来たる我が順番。手に汗握る運否天賦の頂上決戦。
いざ尋常に、ガラガラガラガラ!
『高校野球』
十一回裏同点のツーアウト、ランナー満塁の状況で迎えるバッターは四番の須賀川。
相手ピッチャーとは因縁の関係であり、常に互角の戦いを続けてきた。
そしてこれが、高校最後の勝負。
「ボール!」
フルカウントまで持ち込み、いよいよラスト一球。こっちのチームは既に体力の限界で、ここで勝負を決めないと負けてしまうだろう。
須賀川は強く思う。
勝って、あいつを甲子園に連れて行く!
ピッチャーが投げ、須賀川はバットを思い切り振った。
『マジ後輩っす』
「へー、その話ってマジなんすねっ!」
「そうなんだよ。それで頂点まで登りつめたんだから大したもんだよな」
「マジ凄いっす! 俺もその人みたいにマジなりたいっすわっ!」
「そうそう、ところでお前にマジ惚れしてる女子社員がいるみたいだぞ?」