奇跡の復活成らぬアンデッドへの転生?
・・・キスは無駄だったわ・・・あれから更に時間が立った・・私の側には彼だけしか居ない・・でも彼は目を覚まさない・・私はベッドで眠る病人を看病する様に彼の側に居ると言うのに・・・
宇宙を永遠に漂う亡霊たる彼女は、棺の中で眠り続ける、同族に化けるかも知れぬ、若い青年の遺体に寄り添い眠る。
遺体は既に干からびたミイラの様に成り果てており、灰白い肌色をしていた。
その周囲には何時からか宇宙衛星の残骸や、破壊された宇宙兵器の等の沢山のジャンクパーツが宇宙を漂っていた。
本来、既に幽霊と化した彼女には睡眠等は不必要だが、この時に彼女は彼と共に眠って見たかったのであった。
それは性的な意味や恋愛感情から来るものでは無く、ただ彼女は久し振りに誰かと共に、心の底から安眠したかったのだ。
・・・このまま目を覚まさくても・・私は貴方から放れないわよ・・例えどんな事が有っても・・・
彼女は心に誓ったが、幸か?不孝か?その直ぐ後に謎の爆発が遠い宇宙の彼方で発生した。
その時に何が起きたのかは、余りに遠い所で発生したので、彼女には分からなかった。
だが爆弾か星の崩壊かによる、放射線とも?毒物とも?味知のエネルギーとも言えぬ、物質が二人に降りかかった。
・・・何?・・この感じは・・!?彼の体が動いた・・・
一瞬だけ何かの波動を感じた彼女は、直ぐに振り返り青年の遺体に目を向ける。
すると、棺の中から青年が目を覚まして起き上がり、嬉しさの余り歓喜の表情を浮かべて喜ぶ。
「やったあっ!遂に目を覚ましたのねっ!」
「???・・・」
目を覚ました青年の瞳は、どす黒く淀んでいた、そして彼女はスペース・ゾンビとして蘇った太陽に話掛けた。
「貴方の御名前は?・・・」
「・・内野太陽です、貴女は、と言いますか?先ずここは何処ですか・・天国、それとも地獄でしょうか?」
名前を問い質す彼女、そして名を名乗り今自分が位置する場所が何処か分からず困り果てる太陽に対して彼女は。
「ここは・・・そうね?有る意味では地獄かもね、誰も居ないし寂しいし・・」
「誰も・・貴女が居るじゃあ無いですか?」
太陽の質問に暗い顔をしながら答える彼女に対し、太陽は誰も居ないと言うが貴女が居るのでは?と呟く、すると暗い顔を下に向けた彼女は。
「そうよねっ!私と貴方が居るものね、御互い一人じゃあ無いし、コレからは寂しくなんか無いわよねっ!」
「はぁ~?まぁ?それは当然ですが、と言うか、僕は建設途中のステーションで爆発事故に巻き込まれて死んだ筈ですが、貴女は天使でしょうか」
顔を上げた彼女は自分が、もはや一人では無い事を覚り、嬉しさの余り女神の様な笑顔を浮かべる。
そんな彼女を、太陽は宇宙の果ての天国から来た天使だと思ったのであった。
「天使・・まさかっ!私が天使な訳無いじゃあ無い、クスッ・・まぁ貴方の目には私が天使の様に美しく見えたのね」
「まぁ?その貴女が余りにも美しいので、って初対面の人に何を言ってるんだか、自分は」
「それより貴方の名前は、ウチノタイヨウっていったはね、名前の意味は?」
「内野は苗字で太陽が名前だよ・・内野は内側に野原、または野山が存在する見たいな意味で、太陽は英語だと『サン』って意味だよ・・それで君の名前は?」
名前の意味を聞いた謎の白人幽霊女性に、太陽は意味を教えて反対に彼女の名前を聞いた。