世界との戦い
戦いの舞台は、"一時"会議場へと移る。これにより世界が平和になると思われたが、そう簡単には物事は進まない。
第五章 世界共栄連合会議
「ドゥナレシュツェウド外交官に質問する。貴方の国は占領地の市民の自由を害した。これは大きな罪である。さぁ、どう弁明する?」
やはり他の国はアモルの大虐殺を許す気は無いようだ。
「その件に関してですが、あれはベルガー司令が勝手に行ったことであり、我々は事が起こってからその事実を知りました。」
「ほう。で、そのベルガーはどうした。証人尋問を行いたいのだが。」
「はっ。奴は罪人であるが故、処刑致しました。」
「何だと!この野蛮国家が。貴重な証人を処刑するとは、これだから今時帝国などと言っている国は、、。」
「くっ、、。」
「では、貴国に対する処罰を考えよう。」
「お待ちください。ドゥナレシュツェウドにすべての罪があるとは思えません!」
「君は何も言うな。ナパージュ帝国外相。」
「いいえ。言わせていただきます。聞くところによるとベルガー司令はきちんと降伏勧告をし、"虐殺"を受けた者達がそれに従わず発砲したために、やむを得ず、武力行使をしたそうであります。それのどこがおかしいのですか!」
「何?そんなこと聞いとらんぞ!エスナルフ国外相、それは本当か!」
「、、、。」
「まさか貴方がたは知っていて、ドゥナレシュツェウドをはめようとしたと?」
「そ、そんな事はない!」
「さぁ、どう弁明する?」
「、、、。」
「我々はそんな国と一緒にドゥナレシュツェウドについて事情聴取する気はない!我がユラーチ王国はこの会議を退席する!そしてひとつ言っておく。我々はドゥナレシュツェウドを擁護する!」
これを機に各国退席して行き、会議は終わった。
第六章 E,D会談
即位歴227年5月4日、エスナルフとドゥナレシュツェウドそれぞれの外相が1対1で会談をした。これは後にそれぞれの頭文字を取ってE,D会談と呼ばれるようになる。
「やぁドゥナレシュツェウド帝国外相。今回、"最後の"平和的解決に向けての取り組みとしてこのような場を設けることとしたのだが、穏便に済ませたいのなら素直に私の言うことに従ってくれたまえ。」
「何もそちらの言いなりになるつもりは無い。」
「ほぅ。こちらは"世界大戦"というカードを持っているのですぞ。もしそうなって、貴様ら如き後進国に、勝算はあるのかね?」
「それはどうぞ軍部に聞いて下さい。そうならないようにするのが私の役目なのでね。」
「、、、君は目上の者に対する礼儀を身につけるべきなのではないのかね?」
「目上の者?私よりも目上の人がここにおりますか?」
「、、、なっ。」
「我々は対等な国同士で会談しているのであって決して宗主国と傀儡国の会談ではない!」
「、、、貴様は私を侮辱したな。それがどのような報いとなって貴様らに返るのか見ておくがいい!次の連合会議でドゥナレシュツェウドなんぞどん底に突き落としてやる!国際秩序を乱すものとしてな!」
「ではこちらはこの会談の内容を全て各国に発表するが。その後我々が国際秩序を乱そうとしていると思う国はどのくらい居るかな?」
「もうよい!貴様と話していると腹が立つ!もう貴様と話すことはない!」
「ではお帰り下さい。こちらも話すことはありません。」
結局、この会談で両国の仲が改善されることはなかった。そして2週間後、両国の決裂を決定的にする事件が起きるのだが、それは一人の男を除いて誰も知る由はなかった。
次回、「来たるは鳩か、それとも山羊か」
舞台は内戦から世界へ。