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はじめの第0歩

初めまして。オリジナルでゆっくり更新です。遅筆なことこの上ないので忘れた頃に思い出してまとめ読みをしてもらえれば幸いです。

たくさんのラノベや漫画、ゲームの影響を受けています。何となく元ネタを感じてもらえれば嬉しいです。

慣れない連載ものですが少しでも続けられるように頑張ります。

「やぁ」


ソイツは、とても気軽に声をかけてきた。


「聞こえてるだろ?無視するなよ。寂しいじゃないか」


世界は逆さま。俺は絶賛落下中だ。

そんなところに話しかけてくる存在がロクな筈はない。


「助けてあげるよ」

「は?」

「あぁ、ようやく声が聞けたね。うん。助けてあげる。というか、助けて欲しいのはこっちなんだけどね」


わざとらしく肩をすくめるソイツは、何かに覆われているのかボヤけた感じだ。影だけが映っているかのような感じ。表情は見えないので仕草だけが見える。声も、耳から聞いている感じじゃなくて直接頭に響くような感じだ。これまでにこんな経験なんてないしな。


「僕は神様さ。名前は追々知ることになるから今はいいよね」

「で、その神様がこの死にそうな俺を助けてくれるって?」


それにしても俺はいつまで落ち続けるのだろう。病院の屋上から落ちたのは覚えているが、地面までは一瞬だろう。走馬灯だとしたら、記憶のフラッシュバックだろうしな。こんなボヤけた知り合いは俺にはいない。周囲の景色は刻一刻と変化しているが、目の前に現れたソイツは俺と一定の距離を保ち続けている。


「というか、既に助けてはいるんだよ。ただ、ボクのお願いを聞いて欲しくてさ。移動中なんだよね」

「ヤダって、言ったら?」

「言わないだろ?まぁ、どうしても嫌なら死んじゃうけどさ。そしたら、ハードモードだよ?どうせならイージーモードの方が良くない?」


俺がどう返そうが一緒ってことか。不自由な二択みたいなもんだ。


「分かった。で、何をしたら良い?」

「神様相手に上から目線だねぇ。ボク以外だったらプチっといっちょうよ?」

「神様だとしても、アンタには敬語を使いたくない。何故だろうな」

「こっちとしては、やることやってくれたらいいし気にしないよ。で、本題だね」


ビシッと指を突きつける神様とやら。楽しそうなのが、なんか腹立つ。


「君の医術でボクの世界を救ってやっておくれ。報酬は元の世界への帰還とその後の人生における成功かな」

「胡散臭い」

「即答だね。まぁ、気持ちは分かる。でも、もうボクの世界に到着するところなんだなぁ。残念だったね」


つまり、コイツの言うように世界を救って家に帰るか、異世界で野垂れ死ぬかってことか。世界は救ったが、家に帰れないってこともあるだろうな。


「まるで、ヤクザのやり方だな。言っては何だが、俺は特筆すべきところのないペーペーの外科医だぞ。勇者の真似事なんか出来るとは思えないな」

「大丈夫大丈夫。イージーモードって言ったでしょ?チートな加護を授けるさ。とは言っても死ぬ時は死ぬけどさ」


異世界転移にチート能力とはベタだな。他の選択が取りにくい現状では従うしかないか。


「それで、どんな能力なんだ?」

「能力の名前は≪経験昇華≫と≪自己実現≫の2つだよ。経験昇華はキミがこれまで経験してきた経験やこれからする経験をスキルアップのための経験値として獲得出来ると共に、経験値効率が普通の人のだいたい1000倍になる能力。自己実現は君が明確にイメージしたスキルをボクを通さずにスキルとして世界に刻みつける能力。ね、どっちも酷いだろ?」


≪経験昇華≫と≪自己実現≫か…

確かに聞いただけで明らかにズルいのが分かる。経験値1000倍とか酷い話だ。それに、新しいスキルを世界に刻むとか言ってたが、そんなことやっていいのか?


「言ってみれば君はボクの代行者だからさ。そんなことも出来るようになっちゃうわけ。ただし、この世界のルールに則った範囲でしかスキルは創れないよ?死んだ人を制限なしにバンバン生き返らせたりは出来ないようになってるからそこんとこよろしく!」


ノリが軽すぎて、コイツの言うことを信用できない。信用できないんだが、騙そうって感じもしないんだよな。神様だし、俺如きを騙す必要もないってことなのか。


「あと、もう一つサービスで精霊をプレゼントしてあげよう。新しい世界で右も左も分からないだろ?だから、案内役兼ボクとの連絡役さ」

「至れり尽くせりだな」


ふわふわと蛍のような小さな光がいつの間にか俺の周囲にいくつも漂っている。これが、精霊か…?

ここまで来ると、むしろうんざりしてくる。

裏は間違いなくあるんだろう。だが、現状では逆らっても仕方ないのだろう。どう動いても結局はコイツは損をしない。そんな風に既に誘導されている感じだ。


「感謝してくれていいんだよ?」

「一応、感謝しておく」

「素直じゃないねぇ」


自分でも、意固地になりすぎなんじゃないかと思う。

だが、コイツのことは何故か気に食わない。妙な不快感がある。


「まぁ、それも君さ。それでいいよ。まずは、世界に慣れてくれたらいいさ。時間はまだある。とは言っても、もちろん急に悪くなることだってあるけどさ」

「具体的に、何をすればいいのかがさっぱり分かんないぞ」

「最終的にどうしたいかを決めるのは君だよ。言ったろ?代行者だって。ボクが選んだ君の選択なら、ボクはそれを支持するよ。ただ、この世界を…ここで暮らす人たちを助けてあげて欲しいってのがボクの気持ちなだけでね」

「俺は、医者だ」

「そうだね。だから、ボクは君にお願いするんだ。どんな形でもいい。この世界を存続させてやってくれ」


顔は見えない。どんな表情をしているんだろうか。

なんとも言えない、諦めとか寂しさとか、何故か希望とか、たくさんの感情が綯交ぜになった声。きっと、これがイラつく原因なんじゃないだろうか。


「俺は、医者として未熟だ。だけど、だからと言って、そんな声を出すな。アンタは俺を選んだんだろう。だったら、やってやる。俺の出来る限りで何とかしてやるよ」

「…君なら、そう言うと思ったよ。じゃあ、よろしくね」

「あぁ、任せろ」


霞むように神様の姿が消えていく。チラッとだけ見えた眼は、嬉しそうな感じで、どこか懐かしく感じた。

短いですが、許してください。

他の方々のように毎日更新は無理です。出来れば週一か、月一での更新を目指します。

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