遠距離恋愛
ジリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!
「ん、ふあぁ~・・・・」
ちょっとレトロな目覚まし音を止めると同時に私は起きる
眠いのを我慢して起き上がり目をこすりながら台所に向かう。
置きっぱなしにしてあるトースターに8枚切りの食パンを2枚セットして焼き始める
電気ケトルでお湯を沸かすとコーヒーを入れる
それを飲みながらテレビを見る。
チンッ
コーヒーを3口目を飲んだところでパンが焼ける、それを大きめのさらにとってバターを少し塗る
テレビを見ながら20分くらいかけて少しゆっくり目に食べる。
食べ終わると時計は8時半を回っていた、いつもなら焦っているとこだが今日の講義は9時半からのを取っている
食器を台所に下げてささっと洗うと、洗面所に向かいシャカシャカと歯を磨き顔を洗う。
髪型をいつも通りのポニーテールにしお気に入りのリボンでくくる。
「ん?もうこんな時間か」
身だしなみを整えると8時50分になっていた
急いで支度して玄関に向かう、出る直前に一枚の写真に声をかける。
「・・・行ってきます」
私が通う大学は今住んでいるアパートから歩いて20分くらいのとこにある
いつも余裕をもって出かけるようにしている。
一昨年まではそうではなかっのだけれど、彼に言われてからそうするようにしている。
1人暮らしを始めて3年目
ちょうど大学に入ると同時に実家をでてきたことになる。
こっちに住み始めた時は周りの環境の変化にドキドキしたものだ
新しい町に、新しい家。
心地よかったものだけれど慣れてしまえばどうって言うこともなかった
大学生活も高校や中学と同じだと思ってた私に2年前大きな変化があった。
それは彼氏ができたことだ。
生まれて初めて彼氏だった。
彼はすごいかっこよくて無邪気で誰からも人気があった
そんな彼が私を選んでくれた時は思わず泣いてしまった。
今思えば恥ずかしい思い出ね
お互いが好きあっていて、お互いさえあればなにもイラナイ状態だった
そんなバカなことを考えていた。
私たちは大学に通いながらも同居し始めていた
いつも傍にいて2人寄り添っていた
だけれど幸せはそう長くは続くものではなかった
私はいつも通り彼のバイトを待っていると携帯がなった
親友からの電話だった
「もしもし?こんな時間にどうしたの?」
「落ち着いて聞いてね・・・、今ちょうど講師の先生から聞いたんだけど・・・・」
ゴトッ
私は携帯を手から落とした
全身に力が入らなかった
私は気が付くと外に飛び出し扉に鍵もかけずタクシーを止めた
「○○○○病院に行ってください!!!」
運転手も私の顔から察したのか
「飛ばすからつかまってなよ!」
と言ってくれた
病院につくとタクシーの運転手は
「お題はいらないよお嬢ちゃん、大変なんだろ?急いでいってやんな」
「ありがと、おじさん!」
私は受付で彼の病室を聞くと病院ということも忘れて全力で走った
ガラガラガラッ!!
彼の病室について、すぐにドアを開ける
私は目を疑った
彼は力なく横たわり顔には白い布がかぶせられていた。
それを見た瞬間私はどうすることもなく足から崩れて行って
ところ構わず大泣きした、いや大泣きどころではなかった
あれから1年私は相変わらず同じ大学に通い、
同じアパートに住んでいる
彼のいた場所に未練がましくいる
これでも少しは立ち直ったつもりだ
でも彼の写真を見るたびにぽろっと口からこぼれてしまう
「私どんな顔して笑ったらいいかわかんないよ
悲しいも、怒るも、好きもわかんなくなっちゃった・・・・
ねぇ・・・ねえ・・・君に会いたいよ」