第8章 サクリファイス
「分かりました
それではこれからは貴方様を旦那様とお呼びすればよろしいのですね」
「旦那様は止めてくれ
まだ嫁をもらっていない身だ」
メイド長に旦那と呼ばれるのは結婚してからにしたいしな
「ならお名前をお教えください」
「ハヤト・ジンノだ
メイド長も名前を教えてくれよ」
いちいちメイド長では正直言って呼び辛い
「ハヤト様ですね
私はエレッタ・バスリヤーでございます」
エレッタね
それとメイド長で反論が無いって事は案外当たってたのか?
「それと後何人ぐらいこの屋敷にメイドがいるんだ?」
「私含めて5人でございます」
メイドが5人か…。
俺1人+ブレア1人+ハーレム15人+メイド5人=計22人
部屋数がちょっと厳しいな
「じゃあこの屋敷で住める部屋は何部屋あるんだ?」
「全部で20部屋でございます」
おふぅ…部屋数足りねぇじゃん
「部屋数足らねぇな…。」
どうしよっかな…。
俺の能力でも創造する力なんて俺のデータベースにないから使えないしなぁ
「何を悩んでらっしゃるか解りかねますが私たちは5人で2部屋の生活しておりますのでここにいらっしゃる人数を合わせても空きがでると思いますが?」
なん…だと
「それにうち達も1人1部屋なんてもらったら落ち着いて寝れないから3人1部屋で充分だよ」
ば、ばかなぁぁぁ!?
我がハーレム達までそんな事を言うのか!?
1人1部屋の換算が間違っていたと言うのか!?
許さん!そんな事は断じて許さんぞぉぉ!!
「却下だ!!部屋割りを今決めた
俺に1部屋、俺の連れに1部屋、お前達に各1部屋づつ、メイド長に1部屋、メイド4人に計2部屋だ!!」
「しかしその場合もしお客様が来られた場合泊まられる部屋がなくなってしまいます」
「客なんて知った事か!
いいな!?この屋敷の主としての決定に異論は認めん!!」
認めてたまるか!
「あのぉ…私達姉妹は一緒の部屋がいいのですが…。」
ハーレムたちの中から青髪の2人が出て来た
国王の青と比べると青と言うより藍だな
いつか我がハーレムたちの詳しい容姿を説明できる機会があれば説明するが今のこの光景は俺だけのモノだ!
というか注目点は今そこじゃない
姉妹…だと?
「むぅ…ならば特例としてお前達だけは一緒の部屋でいいぞ」
「やったね!お姉ちゃん!」
女の子同士が抱き合って喜んでいるのを見ると和むなぁ
「それじゃあエレッタ
俺の部屋に案内してくれないか?」
なんか色々あり過ぎて疲れた、ベッドで横になりてぇ
「書斎と寝室のどちらに案内を致しましょう?」
「寝室で」
「かしこまりました」
エレッタの連れられるままに俺達は何故か探索中で見てきた中で一番立派な扉の前に連れて来られたっていっても他の扉より装飾がちょっと豪華ってだけなんだけどね
俺寝室に案内するように頼んだ気がするんだが記憶違いか?
「エレッタ?俺は寝室への案内を頼まなかったか?」
「頼まれました」
記憶違いではないらしい、ひとまず安心だな
「じゃあなんでこんな立派な扉の前に俺達はいるんだ?」
「ここがその寝室だからです」
なん…だと(°д°;)
「え?マジ?」
「まじ?とはどのような意味合いでございましょうか?」
「あぁ、悪い言い直す
それは本当か?」
「本当でございます」
「うんまぁいいや俺は寝室で少し休むから彼女達に部屋の紹介と自由に部屋決めをさせてやってくれ」
「かしこまりました」
エレッタが俺のハーレム達を引き連れて行ってくれたので早速部屋に入ってみたがなんか…ベッドに薄いカーテンみたいなのがかかってるヤツが実在するとは思わなかったよ
窓は2つ付いていて外の景色を見るとさっきは見えなかった屋敷の裏側が上から見下ろせる
裏側も庭なのだが家庭菜園でもしてるのか畑が見て取れる
部屋の中が広いという点以外は案外普通だな
クローゼット、全身を移せる鏡、そしてベッド
なんか寂しい気がするがまぁいいや
少し疲れたしベッドで横になろう
俺はふわふわのベッドに倒れ込むとそのまま意識を手放した
・
・
・
<<エレッタside>>
「それでは皆様これから1部屋づつご案内させていただきますが基本的な構造はハヤト様のお部屋以外はほぼ一緒となっております。唯一違う点は窓からの景色でございます」
今までの旦那様は威厳のある雰囲気を纏ってらっしゃったのと違ってハヤト様は威厳のある雰囲気というよりなにか別の独特な雰囲気を纏っていたわね
案外切れ者なのかしら?
「それではご案内致します」
とりあえずこの娘達をお部屋に案内したら置いてきてしまった彼女達を運ばねばなりませんね
「アタシは上の階な」
「うちは下の方がええわ」
「私達も下の方が…。」
「私は上でアイツの動向を探りたいね」
「ターニャがそれやるならヴェルも上でそれやろっかな」
「わたしはどこでもいいわね」
「最後に残った部屋でいいわ」
「ワタシも部屋ならどこでもいい」
「あらカレンもメロディアもウィンも消極的なのね
折角自由に部屋を選べるのに」
「そーよ?あの人がどこまでさせてくれるか分からないから選べるモノは選んどいた方が得だと思うけどなぁ~」
「…消極的…よくない…。」
「物事に消極的なフェミスに言われたらアンタ達も終わりね」
「茶化さないであげなよ、マーラ」
「みんな話してないでエレッタさんについて行きましょう」
………全ての部屋を案内し終える頃には先に彼女達が目覚めていそうですね
<<ブレアside>>
ハヤトさんはいったい何をしてるのかしら!?
もうだいぶ陽が暮れて来たっていうのにまだ帰ってこない…。
これじゃまたあの人の暇つぶしの為の玩具にされるわ……。
お願い!ハヤトさん早く帰ってきて!
そう1人で願いながらクロイツェフ家でお留守番を喰らっているブレアだった
<<隼人side>>
「んんっ…これはいかんな。すっかり寝てしまっ…た?」
なんか両腕の中に温かい物がぁぁぁぁぁ!?
何故女の子2人が俺の腕の中に!?
そ、そんなばかな…。
俺は確かに1人でこのベッドに横になったはず!
なのに起きたら女2人抱いていましたって一体なんの冗談だよ!?
「ターニャ、この人やっと起きたよ?」
ん?よく見ると1人は最初に手を上げたオレンジ色の髪をした娘じゃないか
って事はもう1人の深紅の髪をした娘も俺のハーレムの1人か
ふぅ…あまりにもビビってベッドから飛び起きて距離取っちまった
めっちゃ恥ずいじゃん俺
「あちゃー熟睡しちゃってるよ」
「なぁとりあえずまだ名前を聞いてないから教えてくれないか?」
「ん?ヴェルの事かな?」
「それ以外に答えられるヤツは今いないと思うんだが」
「それもそうだね
ヴェルはヴェル・マーハスって言いますご主人様」
「うん、ご主人様って誰だ?」
俺はハーレム契約を結んだ憶えはあるが奴隷契約を結んだ憶えは………もしかして立場的に俺はご主人様になるのか?
「アナタ以外にいないと思いますけど?」
「そうだな、俺が悪かった」
まさか気付かないうちにご主人様扱いされる立場になっていたとは…。
「ヴェルはその娘のフルネームを知ってるのか?」
名前を覚えないといちいち呼び辛い
「ターニャはターニャ・リヴィエルって言うの
私の大親友でよく2人で男を襲っては動けなくなるまで搾り取ってお金全部巻き上げたりしてたよ」
うん、今さらっと聞き逃せない程危険な情報が飛び込んで来たな
この2人を同時に部屋に呼ぶのだけは絶対に止めよう
にして俺が連れて来る時に可愛い娘ばかりだなとは思ったがやっぱり可愛い
ヴェルは深紅の髪に癖毛なのか自然にウェーブがかかってる
手入れされてない分ボサボサ感は目立つが手入れすればたぶんもっと可愛くなるだろう
瞳の色は……なんというか…赤とピンクの中間ぐらい…かな?
顔はもう幼さは抜けているが大人の顔立ちにもまだなりきれていない表現のし辛いが美しい顔をしている
身長はベッドに座っているので全く分からん
身体は相変わらず襤褸切れを巻いたままだからはっきりと見えるが…胸は下手したらミーナよりでかいかも知れん
食事を満足に取れていないのが理由だろうが腰のくびれに尻は普通サイズ
普通を俺は画面越しでしか知らんがな
「ヴェルの顔になにか付いてる?」
いかんいかん、観察するうちにジッと見ていたらしい
気をつけねば
「いや何も付いていない
それでヴェルとターニャはなんで俺の部屋にいて俺が寝ているベッドに潜り込んだんだ?」
「それはご主人様がどんな人なのか探りに来たんだよ」
ほぅなるほど。…けど
「それって俺にそのまま言っていいのか?」
なんらかの言い訳で誤魔化すのが普通じゃないのか?
「本当なら誤魔化さないとダメなんだろうけど腕の中に潜り込んでも目を覚まさない様な人なら危険な人では無いと思うから」
隙だらけだから大丈夫って言いたいんだろうね
まぁ否定出来ないけど
「分かった
ならもう用は済んだだろ?ターニャを担いで部屋に戻ってくれないか?」
そろそろブレアを迎えに行かないとミーナの魔の手が再びブレアを襲うだろうからな
「えぇ~ターニャをヴェルが運ぶのぉ?」
ヴェルはご主人様って言葉を使ってはいるけど絶対そんな事思ってねぇな
さっきからノリがめっちゃ軽い
「運べないほど重くは無いだろ?」
ターニャはヴェルと違い寧ろ少し痩せ細っているので正直寝ている姿を見て心配になるぐらいだ
「そりゃターニャは軽いし問題ないけど…」
「それじゃ頼んだぞ」
エレッタに今日からは大人数の食事を作ってもらうことになるからな
ブレアより先にそちらに行かねばって言ってもこの屋敷まだほとんど把握してねぇし……そうだ!
こうゆう時の為の”答えを出す者”だろ
エレッタの現在位置は?…っと1階の隅の部屋か
さっさと行って他のハーレム達の名前を覚えないとな
・
・
・
そして現在俺はほぼ裸同然のエレッタを見て扉のノブの握りながら固まったいる
正確に思考停止中だ
そしてみるみるエレッタの顔が紅く染まっていく
「きゃあああああああ!!」
「すいませんでしたぁぁぁぁ!!」
悲鳴を上げながら手当たり次第に服やら物やらを投げてきたので急いで扉を閉めた
……エレッタは着痩せするタイプらしい
1つ新しい情報をgetだな
「んんっ……先ほどは取り乱してしまい申し訳ありませんでした
なにか御用でしょうか?」
扉の横でエレッタが出てくるのを待っていると案外早くメイド服を着たエレッタが出てきてまだ顔が少し紅いながらも冷静に対応してくれる
「あぁ…今日からアイツ達の飯も作ってやって欲しいからそのお願いと材料が足りるかどうかの確認に来た」
「お食事は元々お連れになられた人数分作る予定ではありましたがあの人数ですと食料は半年程度しか持ちません」
「それは朝昼晩の3食での計算をしてか?」
「一日に3食も食べられるのですか!?
なら1ヶ月半持てばいいですね」
一日3食は普通じゃないのかな?
「分かった。ならエレッタにこれを渡して置くから食料が足りなく感じてきたら買って来てくれ」
「こんなにですか!?」驚かれるほど多いのだろうか?
奴隷を買いに行くときに王様から貰った今月分の半分をそのまま渡したのだが
「それと同じ量が近々城から送られてくるぞ」
「……ハヤト様はいったい何者ですか?」
「そのうち気が向いたら話してやるよ。
それじゃ頼んだぞ」
さてエレッタに頼みごとは終わったし次は……あれ?
なにやるんだっけ?
え~っと…そうだ、ハーレム達の名前を覚えなくてはいけなかった
早めに覚えないとな
・
・
・
・
・
時と場所は変わり、その夜クロイツェフ家では…
「ハヤトはまだ帰って来てないの!?」
イライラが声にまで出ているミーナにブレアは恐怖していた
「もういいわ!今日はブレアを捌け口にするから」
「ひっ…。」
「大丈夫よ、気持ち良いはずだから
その代わり理性が飛んでも責任は問わないでねっ」
「いやぁっぁぁぁぁぁぁぁ」
「もうむりぃ、こわれひゃうぅ」
「随分素直になって来たわね
けどまだまだ夜はこれからだし昨日みたいに気絶なんて許さないから」
「しゅ、しゅごすぎるぅぅぅぅぅ」
その夜ハヤトは楽しく自分が連れてきたハーレム達と食事をし自分のベッドで寝ておりクロイツェフ家では女同士のそんな声が聞こえたとか聞こえなかったとか
今回は早め更新が叶いました
最初はノリで始めたこの小説もついに観覧者数6800人を突破し、さらにお気に入り登録はまさかの55もいただきましたっ!(*゜▽゜*)
更には感想もいただきまして嬉しい限りですね
ですがこのサイトで最近他の方の小説を読むようになって私より後に出して観覧者数が倍以上の方がたくさんいらっしゃる事を知りまだまだなのだなと痛感しました
それでも更新スタイルを変える事は出来ませんが(笑)
次回の更新は3/26~4/19の間に更新いたします