第3章 王宮魔導士
衝撃的事実を知った俺とブレアだったが街の機能の80%程は活きているらしいので問題なく街の中から蟲たちがいなくなった為1時間もあれば再び結界が張られ外敵からは守られると知るとお互いに胸を撫で下ろした
それからこの国のことについて色々アリーネから教えて貰い一般の民と思われるアリーネでも知っているレベルで世界についても聞かせてもらった
そしていつまでもアリーネの家にいる訳にもいかないのでブレアに宿探しの事を相談してみたら
「嫌よ、ワタシはここに泊まらせてもらおうと思っていたんだから」
等と図々しさの極みを見せ付けてくれた
その会話を聞いていたのかアリーネが
「うちに泊まっていっても構わないわよ」
等と言い始めてしまった
何のフラグだ?これは?
一応俺も男なので
「いやいや見ず知らずの男と1つ屋根の下ってのはかなり不味くないか?」
と常識的事を珍しく口にしてみたのだが
「べ、別に貴方がその気ならワタシは…その…///
といいながら顔を赤く染めながらそんな事を言いやがりますから
断る理由が見つけられなくなりまして はい
結果俺とブレアはアリーネの家に泊まらせて頂くことになってしまった
泊まる事が決定した後にブレアからこっそり
「宿泊代はどうするつもりだったの?」
と耳打ちされた時はさっきまでの自分がとても恥ずかしく思えたのは心の中にしまって置くとしよう
そして現在ブレアが入浴中だ
意外にも街の復興は迅速に行われたらしく蟲達を追い払ってから30分程で街は明るさを取り戻した
俺のこだわりで一番風呂はその家で一番偉い人が入るべきだと考えていた為ブレアを引き止めようと腕を掴んだら
「どこ触ってるのよっ!!
とまるで俺が変態の様な一言を大声で言い放ちやがったせいで
アリーネから散々説明を要求され、ブレアを取り逃がしてしまった
腕を掴んだだけであんな声を上げられたらたまったもんじゃない
…俺の認識は合ってるよな?
と少々不安になりながらもアリーネに全て事情を説明するとどうやら俺の認識は間違ってないようで落ち着いてくれた
「・・・」
「・・・」
そして現在話す内容が一切見つからず沈黙の時間が流れる
アリーネと言えば時たまこちらをチラッと見たかと思えば頬を少し赤くして俯く動作をさっきからずっと繰り返している
対する俺といえば話す事が見つからず何か話し出そうかと考えていてもアリーネがあの状態ではまともに話が成立するとも思えない
これが不のスパイラルとなり会話のない空間が完成してしまった
ブレア早く出てこねぇかなぁ…。
<<アリーネside>>
まさかここまでスムーズにハヤトさんをうちに連れ込めるとは思っても見なかったわ
あの人の出す独特の雰囲気になぜか分からないけど惹かれるわ
ブレアさんがいない間に何か話して少しでも仲良くなりたいのに
全く話す事が出来ないなんて…もどかしいけどハヤトさんの近くに居られるだけでも幸せ…って何考えてるのよアタシ!?
あ~もう!!まともに考えることも事も出来ないじゃない!!
早くブレアさん出てきてっ!!
<<ブレアside>>
ふふっ…今頃あの2人どうなってるかしら?
あのアリーネって子は隼人に気があるみたいだけど肝心の隼人がそれに気付いていない鈍感ぶりを発揮しているし
お父さんに合って暇つぶしが出来ないのはつまらないけど隼人の近くにいれば何かしら面白そうなことが起きそうだし、まぁよしとするところね
光景が見れないのは残念だけど2人は面白いことになってそうだし
後10分ぐらいは風呂に浸かっておきましょ
<<隼人side>>
体感時間にしてあれから1時間は風呂に入っていた(実際のところは本当に10分)ブレアが風呂から出てくると睨みつけてやるがそれを涼しい顔で素通りしやがった
それどころか
「長い時間入ってしまったから後は2人で一緒に入って時間を短縮したら?」
等と言った際にはいくら女だろうと大前提は死神なので躊躇なく頭を叩かせてもらった
そして謝らせようとアリーネの方をみれば案外満更でもないと言った感じでこちらを見ていたときには絶句した
結果2対1で俺とアリーネは出会ってからたった数時間で一緒に風呂に入る流れが出来てしまった
危険な香りがプンプンするぜ…。
話し合ってみたがアリーネは一緒に入る気満々なので一切話が通じず俺も諦めて一緒に入ることになり後から追う様に入るので先に入ってて欲しいとお願いをされたのでとりあえず先に風呂へと入る
はぁ…どうしてこうなった…。
アリーネ曰く風呂場に入っていても身体も洗わず湯船にも浸からずただただ身体に湯とかけて待っていてほしいと具体的に指示までされた
風呂場は幸いにも先ほどブレアが入った後なので湯気が立ち篭っていたため寒くはない
腰にタオルはちゃんと巻いてあるからな!?
そうしてアリーネが来るのを待っていると何と全裸でアリーネが風呂場に入ってきたではないかっ!!??
これは不味い!!
といっても逃げ口は今アリーネが立っている後ろの扉1つのみ
俺ともあろうものがこのフラグに気付かなかったのはかなりのミスだったと後悔しても今更だが…。
「…ア、アリーネは何故全裸なんだ?」
必死に絞り出した言葉がこれだ
俺もまだまだと思えるのはこれから更に数時間後の話
「その…ハヤトさんもわかっているでしょ?//
顔を赤くしながら徐々に歩み寄ってくるアリーネ
唯一の逃げ口を塞がれているため逃げる事の出来ない俺
「いや、ちょっと待てって……や、ちょ…あ、アーーッ!!
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「しくしく……もうお嫁にいけない…。」
今現在妙に肌に艶が出ているアリーネと心にダメージを負った俺を少し面白そうにブレアとなんともカオスな空間が出来上がっているのだが今の俺にそのことを気にする余裕もなかった
「いつまで泣いている気?
明日備えてさっさ寝るわよ、アリーネちゃんはこっちね
そんな俺にそろそろ飽きて来たのか冷たく突き放す様に言えば多少心配してくれていると思われるアリーネの手を掴みアリーネノ自室へと連れて行ってしまった
いつまでも落ち込んでいても仕方ないので今日の事は俺の黒歴史に封印しておき貸してくれた別の部屋に行き睡眠を取らせてもらう事にした
翌朝なぜか俺は火が昇る前に目を覚ましてしまい、眠いながらもベッドから這い出て身体を伸ばすと大きく欠伸をし、部屋を出てみれば流石にまだ早いのでアリーネ達は起きていないようだ
朝食を作ってやればかなりイケメンなのだろうがこの世界の食材が分からない以上一切料理が出来ん。
すると玄関の方でガチャと鍵が開く音がしたと思えばドタドタと足音が近づいてくる。
…ヤバいフラグだが回避が出来んな
「アリーネ大丈…ホーリーディバインド!!
入ってきた人はずいぶん大人っぽい雰囲気の美しい女性だったのだが俺の存在を確認するや否や拘束魔法を俺にかけやがった
何故拘束魔法か分かるかと言えば俺の現状が両手首足首に光の輪が着いており強制的に大の字にさせられているからだ/(^o^)\オワター
「いくつか質問させてもらうわ
まず何で見知らぬ貴方が家に居るのかしら?」
「えっと…それはで「黙りなさい」
え?
「侵入者の貴方に質問の答え以外に言葉を放つ権利は無くてよ?」
なん…だと…。
「さぁ…早く答えなさい」
この人超女王様キャラなんですけどww
「この家のアリーネさんに連れて来て頂きました…。」
「嘘ね」
「何故ッ!?
素直に理由言ったのに即行で否定されたよおい
「私の妹が貴方みたいな不審な男を家に連れ込む訳がないわ」
ほうほう、なるほど…ん?
私の妹?=アリーネのお姉さん!?
なるほど道理でなんとなく似ているような気がした訳だ
そいえばアリーネとお姉さんの容姿全く触れてなかったわ
アリーネはまだ少しあどけなさが残る顔立ちでグレーの瞳
黄緑色の髪を腰辺りまで伸ばしていた
背丈は俺の肩より少し小さいくらいだから…145cm辺りか?
詳しくは分からん
身体の方は………成長がまだ見て取れないレベルだ
それに対してお姉さんはとても大人びた雰囲気を纏っている為歳がいくつなのかいまいち予想できない
綺麗に整った顔立ちにアリーネ同様グレーの瞳に黄緑色の髪
髪の長さはセミロングにしてあり、こんな状況でなければ
一声かけたくなる美しさだ
背丈はおそらく160cmあるかないかぐらいだろう
身体の方もしっかりとそれに伴って成長しておられ着ている服の腰から上がなんとも窮屈そうだ
いかん話が逸れた
「いや事実ですって
アリーネさんに聞「質問された事以外話す権利は無いと言った筈よ」
おふぅ…。
これじゃなにも話が進まないぜ
そんなやり取りをしながらアリーネが起きて来てくれる時間をだらだらとひたすら稼ぎまくり1時間ほどして朝日が昇り始めそれと時を同じくしてようやくアリーネが部屋から出てきてくれた
「あれ?お姉ちゃん?
なんで家にいるの?」
どうやら相当驚いたと見えるアリーネは寝起きでボサボサの頭で姉の姿を見つけると目を丸くしていた
「アリーネ無事だったのね!
でこの怪しい男は誰?何でうちに居るの?
お姉さんはアリーネに跳び付く様にアリーネに突っ込んでいったがアリーネがそれに倒れずに耐えたのは奇跡だとしか思えない。
「その人は私の命の恩人でハヤトさんよ
助けて貰ったお礼にうちに来てもらったの」
「あら本当だったのね」
「いやだから言いましたよね!
「不審者の言う事を信じるとでも思って?」
じゃあ、あのやり取りは全て無駄じゃないっすかorz
「とりあえずこの拘束魔法を解いていただけないでしょうか?」
正直この身体なら簡単に壊せそうだけど無理矢理壊したら何をされるか予測出来んからな
「解いてあげてもいいけどソレを解いたらうちから出て行って貰えるかしら?」
(^ω^)ん?
「えっと…何故でございましょう?」
「根本的に貴方が嫌いだから」
エエエエエ(°д°)エエエエエ
「いやそんな笑顔でそんな事言われましても!?
「そうよお姉ちゃん!
ハヤトさんは私がうちに連れて来たのにそれは失礼よ!
流石アリーネ
俺の味方になってくれている
「…アリーネがそこまで言うなら1つだけ条件をクリアしたら
うちに居ることを許してあげるわ」
ふぅ…説得は成功したようだ
「私と闘って勝つ事が出来るのなら許してあげるわ」
はぁ…なんでそうなる
「ちょっと!お姉ちゃん!?
いくらなんでもそれは「アリーネは黙ってなさい」
おぉ…なんかとてつもなく怖い雰囲気を纏いましたよこの御方
「で?受けるの?それとも出て行くの?どっち?」
視線が超怖いのですが誰か助けてください(泣)
「…貴女に勝てば居させてもらえるのですよね?」
「えぇもちろん。更に特別報酬としてもしも私に勝つ事が出来たなら私を自由にしていいわよ」
「はぃ?」
あまりに意味不明な言葉が飛び出したため素っ頓狂な声が出てしまった
「もし私に勝てたなら私を殺しても構わないと言ったのよ」
おっと…思ったより話がでかくなってるぞ
いつの間に人の命が関わるような話に発展していたんだ?
「まぁ王宮魔導士の1人である私を倒せればの話だけどね」
王宮魔導士…超強いフラグが立っているのは気のせいか?
「…分かりましたよ」
もうやけくそだ、どうにでもなれ
「それじゃあ闘技場まで行きましょうか」
そう言って指を弾くと手首足首に有った拘束魔法が消えた
こうして何故かアリーネのお姉さんと闘う破目になってしまった
・
・
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「あの~本当にやるんですか?」
今現在おそらく時間は午前11時ぐらいだろう
陽が真上に近づいてきてるからアバウトだが気にしたら負けだ
そして今居る現状は世界遺産のコロッセウムだっけ?あんな感じの場所に連れてこられて、広さは…直径50m程の円だな
そして俺とお姉さんがその円の中央辺りで3m程間を空けて向かい会って立っている
完全に戦闘前だな。うん
「貴方がうちから出ていてくれればこんな事はしないわ」
う~ん…まだもう少しアリーネには聞きたいこともあるし、もう少しだけあのうちには居たいな
「諦めて闘います」
「あら、うちに居る事を諦めるかと思ったわ」
「そうもいかないもので…」
「死ぬ気でかかって来ないと殺しちゃうわよ♪」
一瞬背筋を冷たい何かが通ったと思った次の瞬間いきなり仕掛けてきた!?
「サンダー…レイジ!!
魔方陣を展開したかと思えば撃って来たのは雷の槍
正直なにが向かって来たのかその場で理解出来ないチキンな俺は
一方通行の能力フルで使わせていただきましたよ
えぇ、そうしないとガチで死にますから
結果としては俺は反射ではなくベクトルを変えただけなので雷は俺の両サイドに分散した後地面に直撃
1m程のクレーターが出来ていたときには冷や汗をかかざるを得ない
「ライトニング・ウォルフ!!
ブラッティ・クロス!!
ブラッティー…ウォルフ!!
冷や汗をかいているそんな俺に躊躇なくまたなんか言ったと思いそちらに視線を戻すと今度は雷で出来た20匹弱の狼らしきものと空中に現れた無数の銀色の光
それらがどうやってか1つに合わさっていき銀色の狼(仮)が出来上がった
「これは耐えられるかしら?」
ものすごい邪悪な笑み浮かべてるよあの人
そんな絶望真っ最中な俺に狼(仮)が飛び掛ってきたよ
もうね…一瞬過ぎてどうやって逃げようか考える時間もないね
とりあえずこの能力がある限りは大抵は大丈夫だろうけど怖いものは怖いので地面を蹴って横に大きく飛んだ
そしたら何故か20mは先にあったはずの壁が目の前に現れまして
顔面から突っ込みましたww
あー…鼻痛い
起き上がってみるとどうやら壁が出現したのではなく俺が1ッ跳びで20m弱をとんだらしい
ありえねぇー…。
お姉さんも自分の魔法が避けられたことよりもそちらに驚いているらしく呆けていらっしゃるww
攻撃のチャーンス
今回は格闘戦やりたかったけどそんな雰囲気じゃないし遠距離でいくか
メラメラの実あたりでいいかな
俺の趣味的にww
「火拳!
俺は拳を炎に変えお姉さんに思いっきり突き出すと巨大な炎が発生一直線にお姉さんに向かっていく
途中で我に帰ったらしくまた新たな魔方陣を展開したかと思えば
「ゴーレム!
地面から10mは有るんじゃね?と思われる岩の塊が出現し人の形に変わっていった
火拳はそのゴレームに止められお姉さんに届く事はなくゴーレム自体も少し焦げたぐらいで全く影響なさそうだ
格闘戦が出来るぜ!
俺はもう一方通行の能力は解き、ゴーレムに向かって駆け出すと
今度は「レドルク!」白髪のカンフーを使う魔物の子をイメージしましたww
ちなみにレドルクは脚力強化の術だから今の俺の身体でそれを使うと目では追えない速度に到達します。
この子の術使ってみたくて仕方なかったww
俺は一気にゴーレムの足元まで移動すると次に「ゴウ・バウレン!
術を唱えて飛び上がるとゴーレムの腹?辺りに拳を打ち込みました
結果
「ア”ア”ア”ア”ア”
ゴーレムを吹っ飛ばすことには成功したが拳から血が沢山出てきましたww
ヤバい超痛い!!
「ちょ、ちょっとジオルク!
今まで味わったことの無い痛みに俺は肉体再生の術を直に唱えた
すると拳の怪我は綺麗さっぱりなくなり痛みもなくなった
ふぅ〜…一安心
俺がそんな事で悶えていると後ろから近づいてくる気配がした!っと思った時には遅かったらしく先ほどの狼(仮)に思いっきり背中から通り抜けられた
「がッ!?
俺には身体中に電撃が走り軽い呼吸困難に陥りかけて死ぬかと思ったよ
「貴方よくそんなんで生きて来れたわね
隙だらけで殺してくださいって言っている様なものだわ」
昔っから負けず嫌いな俺にそれを言うか
「なん…だとぉ!?てめぇ…もう容赦しねぇ!
シェルブリットぉぉ!!
もう知らねぇ勝ったら好きにして良いって言ってたし
ガチで殺りにいこう
俺はアルターのシェルブリット第一形態
オレンジと赤の装甲が右腕を包み右の肩甲骨辺りに大 中 小と3枚の赤い羽根が出現する
流石にカズマみたいなテンションにはなれんけどねww
俺そんなキャラじゃないww
ゆらりと立ち上がると威力を最大限に活かすために距離をとる
相手も警戒してゴーレムを再度俺との間に来させたが関係ない
ついでにやってみたかったこともあるし
「衝撃を全て受け止められるか?
その程度の岩如きで」
俺がやってみたいこと。それは…能力の同時発動
ガチモードの俺はシェルブリットがあるにも関わらず一方通行の能力もイメージしてみる
超能力は実際にやってみないと現れているのかよく分からんがとりあえず…ぶん殴る!
「衝撃のぉ…ファーストブリットォ!
俺が気合を含めた怒声に近い声を出すと同時に背中に付いていた3枚のうち一番大きい羽が消滅し、そこから強力な推進力が発生する
その推進力に身を任せゴーレムに突っ込んでいくとベクトル操作が出来たのでその推進力を全て拳に乗せ拳を叩き込んだ。
もちろんこちらに返ってくるはずの衝撃も全てゴーレムに反射しているので10m弱はあるゴーレムが一気に壁まで吹っ飛び俺の拳を受けた部分に関しては崩壊している
そんな俺がどうゆう風に見えたか知らないが今まで遠距離魔法しか使っていなかった相手が急にエルザよろしくな感じで魔方陣を身体に潜らせるとロングサーベルと銀の鎧を身に纏った
鎧と言っても甲冑の様な重々しいものではなく機動性重視の鎧だ
「貴方を少しばかり見縊っていました
最低限の礼儀として名を名乗らせて頂くわ
私は王宮魔導士第六位ミーナ・クロイツェフ
2つ名は戦乙女よ
最低限の礼儀ねぇ…なら俺のするべきか
「俺の名はハヤト・ジンノ
名乗れる肩書きや2つ名は残念ながらまだ持ち合わせていない」
この世界来てまだ24時間経ってねぇしな
「私のゴーレムを吹っ飛ばせるほどの人が2つ名を持っていないとは珍しいわね」
「色々事情があるのだよ。俺にはな」
「?まぁ良いわ2つ名を名乗ったからには全力で貴方を殺す」
おっと。軽く死刑宣告されたよ
「上等
先に死ぬのは貴女かも知れねぇがな」
今の言葉が頭に来たのか目付きを厳しくし
「私が2つ名を名乗って殺せなかった相手は居なくてよ?」
「それじゃあ俺が初めて殺せない相手だ」
「ほざかないでいただけるかしら!
そうとうお怒りらしくさっきの銀色の狼(仮)が見た感じ倍の量に増えた
「ウォルフ・アーミー
私の相棒で1人でも貴方に喰らい付けば全員で瞬時に貴方に喰らい付くわ」
自慢げに言ったミーナに対し俺は拳を構え直し
「当たらなければどうという事はない!
撃滅のぉ…セカンドブリットォ!
2枚目の羽が消滅し、ミーナに向けて突っ込むが狼(仮)達が1つに集まり巨大な門の様な壁となり2発目の拳が防がれた
どうやら衝撃を殺されたらしい
「この子達は攻撃だけが取り得じゃなくてよ?
“絶対防御”
それがこの子達のもう1つの姿
「鬱陶しい
限界を超える力で叩き込めばいいだけの話だろ!?
「出来ると良いわね」
俺は直に距離を取ると再度拳を構えるが行動に移せない
第二形態だったらもしかしたら貫けるかも知れないがもし仮に貫けなかったときが危険過ぎる
だがシェルブリットは使いたい
残る羽は後1枚…どうするぅ!?
色々と考えている内に狼(門)が元の狼(仮)の姿に戻り
全員がこちらを睨みつけている
「あー!!めんどくせぇ!!
もう出来る出来ないの問題じゃねぇな…やるしかねぇ!
抹殺のぉ…」
「無駄なことをまた繰り返すのね」
期待外れとでも言わんばかりにそんな事をミーナが言ったかと思えば狼(仮)達がまたあの門を作り出した
「ラストブリットォォ!!
今回は推進力だけではなく俺自身も地面を蹴る事によって少しだがスピードの段階が上がる
ベクトル変換も使い正に全身全霊の拳は狼(門)にぶち当たり辺り一帯にズゥーンと地響きを起こさせたが門が崩れる事はなかった
「これで終わりね」
「まだだ!シェルブリットォ!
ミーナの言葉を否定するように俺が叫ぶとシェルブリットが更に装甲を厚くし右手の甲に丸い円が刻み込まれ背中には黄金の羽が1枚だけ現れ第二形態へと変化する
そして右腕の手の甲にある円が開き
「シェルブリットバァァストォォ!!
拳をほぼ零距離で再び放つが今度は今までの用に推進力こそないがその代わりに拳の威力は上がっている
物凄い爆音の様な音がした後俺とミーナはその場から壁までお互いに吹っ飛ばされた
はじめまして
イクシードでございます
時間が無いため一気に更新する形をとらせていただいてますが
予想以上に皆様が観覧してくださるので光悦至極でございます
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次の話は来年の1月中には更新したいと思うのでがんばります