表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この瞬間から。

作者: 峰崎 愁莉

峰崎 愁莉の、2作品目です!

生きるか、死ぬか。

あなたはどうしますか?

 「うっはー! いい天気やねー!」

 「いい天気ってお前・・・今雨だけど?」

 「まったく、ありきたりな突っ込みしないでくれる?私には私の世界ってもんがあるのよぉっ」

 「お前の世界は誰もわかりやしないよ」


一見静かな図書館。

しかし、誰もこないような小さな角には、毎日必ず俺ら2人がいた。


 「てかさぁー? テストってなんのためにあるんだろうね?」

 「テスト? そんなん学力をはかるために決まってるじゃん」

 「でもさぁ、だったらテストいらんくない?

  学力だったら、別に授業中とかでもわかるくらいだし、てかなんで勉強なんかしなくちゃ

  いけないの? 世の中おかしいよ」


ショートカットで若干茶髪。

勉強が大嫌いな赤峰 保志野(あかみね ほしの)は、これでも一応生徒会長であった。


そして俺、荒城 桐戸(こうじょう きりと)、通称カッター。

(桐戸という字が、切り人、となり、切る人でカッターになった)

実は保志野に惚れている。


 「てかぁ、カッター君はさぁ、勉強ってどんなふうに思う?」

 「俺・・は、別にまぁ、将来のためだからやらなきゃなー ・・・って」

 「そっかぁ、カッター君は将来、紙を切るために専門の学校へ行かなきゃいけないもんね」

 「いや、『髪』ならわかるけど、なんで『紙』なんだよ。俺のあだ名で将来決めるなよ」

 「紙なら今でも切れるっ!! さぁ、やってごらん?」


キュルンとしたパッチリおめめで保志野は俺の顔を覗き込む。

この表情を見る度に、俺は毎回、抱きしめたいという衝動に駆られる。

・・・が、俺には残念ながらそんなかっくぃ~な、行動はできなさそうだ。

すまん、読者のみなさん、このお話には残念ながらそんなドッキドッキのLOVEシーンは出ないようだ。


いやまぁ、そういうシーンを見せてあげたいよ?

てか、俺的にもそういう展開になってほしいよ?


だけど、このような適当な日常会話が、これで2年も続いているなんて。


俺と会長は、この小さな小さな目立たない場所で出会った。


~2年前~


 「あーくっそ、マジなんなの?」


俺はイライラしながら図書館に向かった。

頭が痛い。 胃がムカムカする。 なぜか拳に力が入る。

どうしてもこのどうしようもない気持ちをおさめたかった。


 「おい、荒城、最近お前はどうした? 成績が全然上がってないじゃないか。

  お前なら期待できるのに。 あの有名な高校だって入れるんだぞ? なんで最近になって、

  こんなに成績が下がるんだ。 大体お前はな・・・」


なんて長ったらしく説教された。


俺は別に期待してくれなんて言っていない。

というか、誰がそんなことを口に出した?

別に有名な高校に行かなくてもいいんだけど。

てか、成績下がっちゃ悪いか? 

難しくなってるんだからしょうがねぇじゃん。


勉強なんて、いらねぇよ。


何も勉強をしていないのに、なぜだか頭に入ってくる。

それは、昔、親にしばかれたから。


親に殴られ、蹴られの毎日だった。

成績が下がれば殴られる。 反撃すれば蹴られる。

俺の体はボロボロで、精神的にもやられていた。


耐えられなくなった。


何もかもが面倒くさい。


トモダチ? カゾク? キズナ? スキ? ズットイッショ? ベンキョウ? ブカツ?


そんなもん、知ったこっちゃねぇよ。

全部、捨ててやるよ。


イノチ もな。


図書館に向かった俺は、一番角に置いてある伝説の本を読もうとした。


 『自殺の方法』


昔、ある生徒がいじめに合い、どうしても自ら命を捨てたかったそうだ。

この本を読み、その生徒が勇気を出して、命を捨てたらしい。

そいつは、ここで死んだ。 この、角で。

そこに置いてあったのは一冊の本。

それが、この『自殺の方法』だそうだ。


今とは伝説となり、置いてあるかどうかもわからない。


だが、俺は探しにいった。


 「・・・ねぇじゃん」


放課後、部活をさぼって1時間探していた。

でも、全く見つからない。

やっぱり伝説かよ。 俺はどうやって死んだらいい?


肩を震わせ、腰を落とした。


 「何してるの。 こんなところで」


か細くて、高くて、いかにも女の子らしい声が頭上から聞こえる。


 「は・・・?」


そこには、身長140・・・ いや、それ以下の小さな小さな女の子が立っていた。


 「おい・・、ここは中学校だぞ、小学生が勝手にきちゃだめでしょ」

 「小学生じゃない!!」


どっからどう見ても小学生だろう。

ショートで茶髪。

キュルンとしたパッチリおめめ。

身長140・・・ ・・・・・・くらい。 (それ以下だとは思うが)

スカートを短く履いて、

頭にはピンクのカチューシャが光っていた。


・・・いや、可愛すぎるだろ。 これ。


俺は・・・ ・・なんていったらいいんだ・・・ これを世間で・・・

・・・好き? 違う、うーんと・・・なんだろうか。

わかったぞ、 これを世間で、『萌え』というんだろう。


・・・このくだり、どこかのアニメで出てきたことがあるような気がするが、それは気のせいだ。

決してパクリとかじゃないぞ。

いや、ガチでガチで。

・・・そんなことはどうでもいいや。


とにかく、その小さな子は本を持っていた。

古くて、本の角はボロボロに破れている。


 「な・・・なに見てんのよぉ・・・っ・・やめてくれるっ・・?」


ピンク色に頬を火照らす。 ・・ツンデレきたぁーーーーーーーーーーーー!!

しかし、テンションが上がった瞬間、一気に俺は青ざめた。


その子が持っていた本は、伝説の・・『自殺の方法』。

なんでそれ、持ってるんだよ。


 「あんた、何ていう名前なの? 私は赤峰 保志野」

 「お前・・・なんでそんな本持ってんだよ」

 「なんでって、あんたもこの本見たかったんでしょ? ずっと探してたくせに」

 「なんで知ってんだよ」


この可愛らしい保志野は、いつからここにいたのだろうか。

そして、この白々しい肌はなんだ!?

いや、マジで萌えるって。


 「いいから名前っ・・教えてよね」

 「荒城 桐戸だけど」

 「ふーん、死のう、なんて考えないでよね」

 「いや、でもさぁ」

 「我慢できるわよ。 しようと思えばね」


俺はもう、生きようなんて思わねぇよ。

そういう考えに、自動的になっちまったんだよ。


ガマン?


できそうにないね。 一生。


 「とりあえず、その本見せてくれない?」

 「見せてくれない」

 「・・おい、見せろよ。 いいから見せろ」

 「いやっ」

 「いいか・・・らぁっ」

 「あぁっ!!」」


思いっきり、本を引っ張ると同時に、おまけに保志野までついてきた。


 「おふっ!!」


なんて変な叫びをしながら俺の胸に飛び込む保志野。

小さな体が俺の中に。

いやぁ、マジかぁ、女子ってこんなんなんだ。


初めて感じた女の子の体。 興奮を抑えきれない。


 「・・・・あんたねぇ・・・・!! 何すんなり抱いてんの? ちょっと、カンベン」

 「は、カンベンってどういうこと? ワタクシニホンゴワカリマセーン」

 「もう、うるさい。 これ以上しゃべるな」

 「そして、私の前に現れるな、とか言うなよ」

 「言わないよ」


キュルンとしていた目が、鋭く牙のように尖った。

そして、一瞬にしてその場の空気が凍りつく。


 「あんたが、生きたい、と思う時まで」

 「んじゃ、思わなければいつでも会え・・」

 「ないけどね」


俺が言う前に、先をとられてしまった。

なかなかの者じゃのぉ。←(なんとなく)


 「でも、私が背中を押してあげる。 死んだら何もできないよ」


その目は、いくら小さかったとしても、いくらキュルンとしていても、頼れる目だった。


 「・・・わりぃな」

 「だからっ、毎日ここに来なさい!いい?」

 「え、絶対?」

 「絶対に決まってるでしょ!」


それから、俺と保志野はこの角にくるようになった。

いつの間にか保志野は会長になったらしいが、特に生徒会長とか興味がないので、

保志野を 『会長』としてでなく、 『保志野』と見るようにしていた。



~そして今~


 「逆に聞くけど、お前は勉強をどう思うわけ?」

 「・・・命令されてやってるものだと思う」

 「ほーん、というのは?」

 「私たちには自由がないの? 大人から勉強やれ、勉強やれ、ってうるさいじゃない。

  社会のためぇ?? こんなに量を増やしたって何も変わりません、って思うよ。

  というか、最近の先生が問題なのよね。

  つまらなさすぎて、『授業はお昼寝の時間です』みたいなもんよ。みんなグッスリだわ」

 「でも、やっぱり勉強は就職とかで・・・」

 「それが問題なのよね。 就職で必ず必要としているのが学力。

  勉強ってどうしたらいいのかな・・・」

 「俺は、やんなくていいと思います」

 「頭のいいカッターに言われても説得力ないわ」

 「そこはスルーしてください」

 「てか、こんな長ったらしい会話きいたって、読者つまらないわよ。

  ちょっと休憩しましょう」

 「あ、あぁ、そうか、つかれるよな、よし、休もうか」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 「いや、さすがに無言もつらいだろ」

 「そうね」


保志野はクスッと笑みを浮かべた。


 「まぁ、結論、勉強をやりたいやつは、やれ。やりたくないやつは、やるな。だな」

 「そうよね! なら私はやりたくない派に・・・」

 「でも、俺はやりますよ」

 「どうして?」

 「人生を楽しく生きるために決まってるでしょ」

 「人生を・・楽しく?」


完璧に困っている時の顔だ。

頭上に ?マークがたくさん浮かんでいるように見える。

そして、モヤモヤマークもたくさんだ。


 「それは、自分で考えてくれ。 でも、人生を楽しく生きるには、必要なんじゃねぇの」


これで、今日の議題終了。


明日の議題は、どうなるかな。


俺の毎日は、議題でいっぱいだ。


そんな毎日もいいんじゃないかな。


いろいろ不思議を持つ。


そして、深いところまで追い詰める。


答えを出すまで、必死に、必死に。


・・なんてガリ勉見たいなこと言ってるけど、実際は頭よくないからね。(笑)


 「なぁ、おい、カッターのやつ、また一人で語ってたぞ?」

 「うわ、マジだ。 あいつ、毎日誰と話してんだよ」

 「昔のモト生徒会長が、あの辺で亡くなったらしいよ。 一冊の本と一緒に」

 「へぇ、どんな本だったの?」

 「いや、タイトル忘れたけど、中身が確かね・・・こんなんだったかな。」


≪いちど、今までの過去を振り返ること。

 きをつけることは、周囲に誰もいないことを確認してから行うこと。

 つらいことを思い出して、涙を流すこと。

 ずっと我慢していたことを、首で終わらせましょう。

 けじめをつけて、

 てに力をこめましょう。


そして、最後に。


上から、あなたを見守っています。≫

最後の本の内容には、意味が込められています。

ヒントは、「上から、あなたを見守っています。」

わからなかったら私に言ってください☆

感想待ってます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 全体的にしっかりしてると思います! 連載にしてみては? [一言] いきつずけて…か? 頑張りましたね! 次作、期待してます!
2012/06/22 20:48 退会済み
管理
[一言]  本のメッセージは分かりました!  そこは分かったんですが、他に分からなかった点があるので、よろしければ教えてください。次の二点です。 ・桐戸君はどうして勉強することに肯定的になったのか。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ