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贄の心 (改)

短いですがどうぞm(_ _)m



昨日の様子からは考えられない程に穏やかに話しを聞いて頂けた。


聡明で優しい方なのは言葉の端々からも伝わる物がある。

まだ確認していないけれど、やはりシノハラよりも文化的で平和な土地から呼ばれたのだと思う。

市井の方なのに多量な情報を整理し、問い掛け、理解していた事からも想像がつく。


身体的な事も納得して頂けた。

今はまだ出来ていないけど明後日にはホムンクルスを元にした生態義体も完成する事や、それを移植すれば身体を受肉する際の基部になる事を説明すると驚きと共に関心を寄せられていた。


恐らくシノハラにある頭部は魂が受肉した形で、コノハラにある身体の方は生きていても魂が無いので時がたてば死に至るのでは、という魔術院の見解を述べると酷く納得なさっていたのが印象的だった。


問題はその後。

御神託では召喚を行うまでは指示があった。 でも、それ以降の事は触れられていません。


確かにその通りですが原因を考えるとそれで終わりではないと思います。


普人族の場合は名を馳せた者のみが試練を授かるものですが、タカク様は少し特殊です。

もし準備を怠り、ある日いきなり試練が開始された場合、大変な事になるでしょう。


確かに城の中でも魔術の知識や武器・防具の扱い方等は時間のある内は幾らでも習えるし訓練も出来ます。


それも間違いなく経験です。

ですが命の危険がない城の中という温室での経験です。

だから実際の戦闘経験とは少し違うと思います。


戦闘経験とは、言ってしまえば殺し合いに対する経験です。


命のやり取り、殺気と狂気のぶつけ合い、如何に冷静になるか、日常生活への戻り方、精神的な事だけでも数知れず、それに技術的な事や効率的な事、一対一、多対一、戦場における闘い方、魔物の種類毎の討伐の仕方等々。 数え上げれば切りがありません。


しかし、それらを経験し乗り越えられれば、それだけ生きる糧や力になります。


 


私はあの方に、この残酷な世界で生きていて欲しい。

その為になるのなら私の知識・経験・力、必要ならば、この身も全てあの方に捧げよう。


私はあの方に、この残酷な世界で生きていて欲しい。

この国や神の為に贄になったモノの証として、皆が忘れない様に、私が忘れない様に………神が忘れない様に!!



お目汚し失礼しました。

本文を少々、改行・空欄を変更しました。

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