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戦の陰

何とかココまで持ってコラレタ……。

興味があれば読んでやって下さい。

<(_ _)>



俺達が城を駆け出た辺りから兵の行き来で騒がしくなり、城門が近くなると怒号に悲鳴、制止の声で滅茶苦茶な様相を呈してきた。


飛び交う声の中、聞き覚えのある口調で挑発する声を耳にした。 口端がヒクツクのを何とか抑えて騒ぎの中心へ近寄ろうとするが、クレハに気付いた城兵達に護衛共々押し留められ前に進めない。

どうした物かと考える前にクレハが、「下がりなさい!!」と一喝するや左右へと割れる様に道が開いていきマス!! 姫様の権威は凄いデス!

デモ皆サン怒らレル前に下がろうネ? チョー怖イからネ。


双方共がコチラへ気付いて争いを止めた姿は目に入っていたので、開いた道を護衛を先頭にユックリ進む。 皆様が片膝を着いておられる中を歩くのは大変恐縮デス、ハイ。


サテ、騒動の中心となった跳ね橋が上げられた城門に到着し、両者を分かつ様に間へ立った。


一方はアハラミヤでの正式装備となる頑丈な軽甲冑に身を包んだ2名の騎士を先頭に5名の皮鎧を装備した城兵が控え、周りと同じく畏まっている。 辺りで倒れていた数名の城兵は気絶しているのか同僚に担ぎ上げられ運ばれて行った。

もう一方のコクウさんを含む全員黒装束に同じ黒い皮鎧を纏った4名は、十字陣形を組んだまま警戒しつつ四方を向いて立っていた。 得物を抜かず体術のみで闘っていた事は不幸中の幸いだ。


取り敢えず事の次第を質す為、クレハは城門を警護していたであろう2人の騎士に声を掛ける。


「貴方達に聞きたい。 任務中に何が起き何があって、この様な事態に為ったのですか?」

「…ハッ! 恐れながら申し上げます。 先ず四半時程前に其所に居る者達が城門に参りました。 我らが職務に従い誰何し何用か質しました処、「名はコクウ。 シンジンの許へ参じ、普人の王と盟を結びに参った」と訳の解らぬ事を申しました」

「故に留め置こうとした処、「貴様らでは埒が明かぬ」と押し通ろうとしたので図らずも争いとなり、逃走を防ぐ為に橋を上げ門を閉ざしました」

「……宜しい、分かりました」


……コクウさん、上に問い合わすまで待つとかシロヨ。 クレハもどうした物かと困った顔をしている……。

次にクレハが彼らにも話を聞こうと向き直った処で、


「皆良いか? 今、目の前におられる御人が我らを軛から解き放ってくれる方だ!」


とコクウ、サン…が突如喋り出した……。

只でさえ乱闘騒ぎの後で血が昇ってるのに主君の御令嬢マデ無視サレて怒りのボルテージがMAX!! 更に突き抜けてグングン上昇シテマス。 暴走スルのも時間の問題デス。 モウ少し、ホンのチッとダケでもイイから回り見テ? 空気読メ!!


「おぉ、この方が…」「本当だ、気配が似てる!」


…アナタ達も態と煽ってるンデスか? ワタシの前に集合サレルと目立つマス! 離れてボーッと立ってる方は早くお仲間達を止めヤガッテ下さりマセ!! ソレとマジマジと見詰めるな! 俺は珍獣じゃ……イヤ、コノハラから喚ばれた真人?は確かに珍しい生き物デシタ…ハハハ。

……モウ手遅れデセウケド逃げ道ハ…トクニ塞ガテマスタ。 ホトケバヨカタヨ。


逃避気味に連々と考えている間に…額を押さえ離れている1人を除き…彼らはソノ場に胡座を掻いて頭を下げる。 その儘コクウ、が代表して口上を述べ出した……。


「我ら四人、真人たるタカクの許へと急ぎ馳せ参じた! 此れより御身を守護する盾となり、危難を払う刃となりて仕える所存!

タカク、いや契約を交わしたからには主と呼ばせて貰う……我が主、今後とも宜しく頼む!」


宜しくッテ…ソモソモ、アナタ安全確認が出来てないデス。 周リ中殺す気にナッてるからヨロシク無いに決まッて…!?…我が主ナンテ言うカラ、コチラへの視線が、死線ガッ……ヤッパ巻き込まれた―――ッ!!


「皆の者…!」


俺は聞こえた声に思わず振り返った。

突然声を上げたクレハを近くの者が一斉に見詰める。

多分、俺を助けようと声を上げたんだろうけど……クレハは先程と違い殺気立った視線が齎す圧力に少し震え、瞳を揺らしてコチラを見ている。

俺は…この場を治めて貰う為に真っ直ぐクレハを見詰め、自信を持てとの気持ちを込めて強く頷いた。

…クレハの目に力が宿る。 身を翻して威厳を纏い、辺りに凛々しい声を響かせる!


「…皆の者!! この者らは賊では無い! 遠方から参った客人だ!!」


響く声と急な話に驚き、尚騒つきながらも視線はクレハへと集まっていく。

そして皆の意識が集中し静まった中、クレハは語り出す。


「何分急の先触れより日も経たず、皆へと伝える事も遅れる事となった。 その為、客人には不快な思いをさせ怒りを招き、皆には知らぬ間に無礼を働かせ…堅い忠義をも揺らがせてしまった! これは私の不明不徳となるが……これに免じて、どうか許して欲しい!!」


会釈の様に軽くとも…頭を下げ続けるクレハに周囲は騒然となり、「姫様!!」「も、勿体無き御言葉!!」「クレハ様!?」「な、何と!?」「顔を御上げ下され!!」等々慌てた様に声が広がる。

…やがて熱り立つ者は一人二人と静まり、その場に片膝を着き、それに倣う様に次々と……その場に居た総ての城の者が再び礼を尽くした。


「…皆の変わらぬ忠義を嬉しく思う!! この後、客人には城内で旅の疲れを癒し、寛いで頂く為に私自ら案内致す! 又その場にて改めて謝罪を入れ、皆の無礼も必ず詫びておく! 故に心配せず持ち場へ戻り、再び務めに励んで欲しい!!」


その言葉を受け城兵達は王家を讃え万歳と連呼し、クレハの名を声も嗄れよと張り上げた!!

そんな中……クレハは漸く振り返り、


「さァ、参リまショウ?」


と裏返った声に強張った微笑みで促し、両側で城兵達が耳に痛い程の歓声を上げ続ける道を…フワフワとした足取りで、一人歩き出した……。


「姫様…」「カッコイイ…」

「…どうする主?」

「…行くぞ。 着いて来い」


俺は…ポ-ッとした、女性の護衛達を促し…コクウ達を連れ、どう声を掛けようかと迷いつつも急いでクレハの後を追い掛けた。


 


城内へ入るなり階段下のホールにはガイフ殿を中央に10名の騎士が扇状に拡がって並んでおり、ガイフ殿の後ろに色形が少し違うメイド服を着た年嵩の婦人がホノカと3名のメイドの娘を連れて並んでいる。

アレだけ騒げば警戒サレルよなと思っていると、コチラを目にしたガイフ殿が一歩前に出て声を掛けてきた。


「客人よ、遥々よう参られた。 儂の名はガイフと申す。 アハラミヤの近衛と騎士を纏めている者だ。

早速で悪いが、我が王は今も其方らの来訪を私室にて待っておられる。 疲れもあるとは思うが、代表としてコクウ殿は急ぎ会して貰いたい。 連れの方々は別室にてお寛ぎ願おう。 宜しいか?」


よく見るとガイフ殿の顔が少し堅い。 外の顛末は知っていそうだ。 余り気分を損ねたくないなと考えているとコクウが俺を伺うように見てきた。 俺の意見で決めるなよと思いつつ、これ以上時間を取るのも考え物なので頷いて見せる。


「…良かろう。 此方も早めに機会を持ちたいとは思っていた。 気にせず案内を頼む。 それと遅れたが名乗らずとも名を知っていて頂いた事には感謝する。

…聞いた通りだ。 お前達は主と俺が来るまで部屋で待機していろ」

「では、連れの方々は後ろに控える者達が案内致すゆえ、この場にて失礼する。

コクウ殿、並びにタカク殿と姫は儂の後を着いて参られよ」


コクウの返しにガイフ殿はそう言って先に進み出した。

俺達は後に続く護衛に促され前後を騎士達に挟まれながら、その後を黙って着いて行った。


 


私室に入り、互いに名乗りあった後は双方共に黙っている。 かなりの時間が経過し、


「いつまで黙している! 早く礼をせぬか!!」

「予め言って置くべきだったが、我らは貴様らに(コウベ)を垂れた訳では無いぞ? 飽く迄も真人である我が主の許へと参じたのであって、我ら長の一族と貴様ら普人の王族は対等な関係だ! 其処を勘違いするな!!」


……焦れたガイフ殿が急かしてコクウがヤリ返した。


まぁ、どんな形でも動き始めたのは黙ってるよりマシな事だし、コクウが返した内容もその通りかも知れないけど……二人共もう少し言葉をオブラートに包んだり場所を考え…る訳無いですヨネ。 そんな高尚な人達なら会談中にイキナリ土下座とか、歓待先の城門で乱闘とかしないヨネ。 あ-あ-二人共顔が険しくなってキマシタ。 さて、どうしたものか……。


「控えよガイフ、客人に対し無礼だ。 コクウ殿も盟を結びに来られたのであって、喧嘩を売りに来たのではあるまい」


…部屋に漂う不穏な空気を収めたのは、やはり主たるソクウ王だった。 そしてコクウへと静かに告げる。


「確かにコクウ殿の言う通り我らの立場は対等だ。 為れば、娘が述べた通り城の者へと告げ遅れたのは礼を失した事となる。 その点は素直に謝罪する……済まなかった。

……だが、その事と門兵を傷付けた件は別の話だ。 只忠実に務めを果たした門兵と、揉め事に為るのを避けず煽るかの様に嘲笑・挑発を為した其方達……どちらに非が在ったかは敢えて問わぬ。

又対等と言いつつも我らが此の話の為に譲った件は多々あったと思うが……其処はどうする?」


暫しの間、互いに無言で見詰め合う。 やがて…


「言われる通り我らは普人を侮り無礼を働いた。 確かに非は我らに在る。 此方も素直に謝罪を入れよう……済まなかった。 他に、王城への押し入りや過去の諸々をも不問とされた事には当然感謝している。

……然し、貴様ら普人が我らを蔑む様に、我ら獣人にも貴様らが知らぬ昔日よりの存念が積もり在るのだ。

……為れど、今は遺恨に囚われ徒に時を浪費する事こそを惜しまねばならぬ。 ましてや此れより苦境に際し合力せねばならぬ間に余計な拘りは身を滅ぼそう。

ついては此の場にて互いの(つかえ)を流し…真人であるタカクの許、再び盟友として歩みたいと思うが……如何に?」

「……多少仰々しいが此方に異存は無い。 今はまだ非公式の上口頭に為るが、盟友として宜しく頼むと伝えて欲しい」


……こうして両族の盟約は"この時"に成った。


 


「さて、我が主よ。 戻って来たからには俺が知る事は全て答えよう。 先ず何から聞きたい?」

「へ? 全て答えようって、約定に縛られて無理とか…」

「あぁ、その事か。 俺が長になって来たから大事無い」


……ハ? ッて、ハァ~!? アノ-、アナタ行って戻って2日も懸かってないのに、長の引き継ぎとか短時間で済む事なんデスか?

普通は重々しい儀式とか経て、終わったら宴を開いたりとか、ハ? 後、ソレは何よりも大事な初めに言う事デショ。

……余りの事に皆がポカ-ンとする中、更なる発言が飛び出した。


「訳を話す前に言うが、今代となった俺の襲名は少し変わった形となった。

先ず長を襲名するには一族から半数の推挙を受けて闘殺を申し入れ、その後は争い奪う……そう時間は懸からんが武才が近い場合は一昼夜に及ぶ事もあったそうだ。 その他は寿命に依る死譲りで直系の者が継ぐ場合もある。

…が、先代の長は問題があった。 先代は余りの強さに若い頃から並ぶ者が無く、長となった後は申し入れに値する者が無く、その儘どんどん歳を召され…それならば死譲りにしようと皆がそう思っていた。 だから本来なら俺が長になる事は無かったのだ。

そんな中…昨日俺が帰参し一族を集め、事の次第を語って長の判断を仰ごうとしたのだが、「どうあっても種従の契約を交わした(ウヌ)と闘うんじゃ!!」と長の方から申し入れられた。 多分、長年の不満が募った処に此度の事があり、我慢がならなかったのだろう。 それに聞いた皆が笑って推してくれれば仕方があるまい。

漸く巡って来た戦の機会さえ衰えで失い、心中嘆いたであろう長には同情も覚えたが……遠慮無く叩き潰し、貰い受けて来た!!」


最初に会った時は……賊だと思ってた。

初めて話した時は……何か口調が武士ッポイとか、格好も黒尽くめで忍ッポイとか、そう思ってた。

だけど、ソウじゃナクテ、獣人の一族は……マニアなんダネ…バトルが付いタ。


コクウの奴は…問題発言とも思わず宙を見据え、微笑を浮かべてフッとか格好付けてマスけど……ドン引きデス。 周りは笑顔で肩を押し、ヤッタ奴は誇らしげ、ヤラレた方は爺デス…どう考えても不味いデショ-ッ!? 年寄りの冷や水ッてオイィ-!? デッカいオッサン!! 隣でバカの肩に手をやってウンウン頷いてる場面じゃナイ、で…ショ!? マサカ違うヨネ? ボッチじゃナイヨね?

…ヨ、良かっタ。 ナハトさんはマトモだ! 取り繕ってるけど一瞬引き攣った顔で奴等を見てた!!

…なッ!? ク、クレハ? 何で瞳が輝いて……ソウダッタ…騎士にホコリとかケットウは付属品デスよネ。 大丈夫、俺を見て慌てなくても……クレハは…クレハだから。

ソクウ王は…流石です。 奴の話に一切動じず、厳しい表情で見詰めておられます! そして!!


「……戦の機会とは何の話か?」


と絞り出す様に一言発シタ、の…です。


……威圧感を伴う言葉に弛緩した空気が一気に張り詰めた。 この場に居た者の中でコクウを除きソクウ王一人だけが、惑わず見据えていたのだ。 これから直面する更に深刻な事態を……。



駄文が積み上がってく――ッ!?

表現力が……欲しいデス。

(T-T)



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