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ツレと親友 (改)

大変お待たせしました。

待って頂いた方々、週一と言いつつコノ体たらく許して下せい!!

<(_ _)>



場が落ち着くまで時間が掛かったが、何とか俺の立場を伏せつつ互いの紹介を済ませ、漸く腰を落ち着ける事が出来た。


「ま~、難しい事があるんだろうから聞かないけど、それならそうと早く言ってくれれば良いじゃない」

「私が紹介しようとしたら小母様に大声で勝手な話をしたのはアヤメの方です!」

「直ぐに怒る~。 だ・か・ら! もう謝ったし、良いじゃない。

……これだから彼氏が出来ないんだよ(ボソッ」

「確り聞こえてますよ! それに王族が軽々しく男女の付き合いなんて出来る訳ないでしょ!?」

「ア~、固い! 固過ぎる!! 色んな男の子と付き合って比べてみないと、その人が大切にしてくれるかどうか判んないでしょ!!」

「そんな事ありません! 今までの為人を見てれば、大事にしてくれるかどうか私には判ります!!」

「アレレ~? その人ってしか言ってないのに誰の事を引き合いに出してるのカナ~?」

「何言ってるんです! 私の……!?」

「……母サ―「違うの――ッ!!」


叫ぶアヤメとクレハ。 またもや雲行きが怪しくなってきた。

……収拾が着かなくなる前に介入しよう。


「あの……クレハって、何時もこんな感じなの?」

「えぇ! 何時もこんな感じですよ?……アァ~! タカクさんの前だから猫被ってるンですヨ、コノ娘!」

「ち、違いますタカク! 私そんな事してません!!……ッ!? そうやって何時もからかってくるから私が怒るんです!!」


ケタケタと笑うアヤメを見て涙目で詰め寄るクレハ。 二人の遠慮のないやり取りを見て、お互いに信頼しているのが解る。 多分、アヤメもクレハの紹介がなければ初対面の俺の前でココまで遠慮なく素は出さないと思う……それにコレはアレだ。 親友兼悪友と言うポジションの人だろう。 男女の違いはあるが、ヤル事がコノハラにいた頃のツレにソックリだ……。


「ワカッタ、ワカッタ、二人の仲は良く解ったから昼御飯にしよう。 もう、腹が減って……」

「ハイよ、そうだろうと思って作ってたさ! クレハ、いつもので良かったんだよね? 後、タカクさんだっけ? ゆっくりして行きなよ! それと、アヤメ!! いつまで遊んでるんだい!? そろそろ混み出す時間だし、サッサとコレ持ってって仕事に戻りな!!」

「エ-、家のカアサマが怒ってらっしゃるので戻りマス……。 タカクさん、料理持って来るからチョット待っててね! あっ、クレハ~? まだ聞きたい事が色々あるから逃げるなよ~!」


そう言うとカウンターへパタパタと駆けて行き、持って来た料理の配膳を手早く済ませると、来店した客の案内をしに行った。


何と言うか、調子に乗り過ぎて叱られる所まで一緒とは……更にツレとダブって見える。

そんなアヤメを目で追ってみた。 黒茶緑の縦縞の着物にエプロン姿、頭を三角巾で包み、クリクリとした茶色の瞳でニッコリと笑顔を浮かべ、これまた茶色のポニーテールを振りながら、元気に仕事に励んでいる。

お客の案内、注文の受け渡し、食器下げと十席以上の店内を一人で捌く様だ。 徐々にお客が増える中、クルクルと休みなく動き回りながらも、なるべく手ぶらの時がない様にしている。 そんなプロの手際に感心してしまった。


「タカク、折角の温かい料理が冷めちゃいますよ? 早く頂きましょう」

「そうだな、早く食べようかッてコレは! ひょっとしてオムシチューか!?」

「コノハラでも同じような料理があるんですね! この間までは賄い料理だったんですけど凄く美味しくて喜んでたら、お店のメニューに載せて貰えたんです」

「へ~……うん、コレは美味い! 米の代わりに茸の野菜炒めが入ってるんだ。 そっか主食がパンだからか~……クリームシチューも丁度良い味付けだ!……コレはイケる!!」

「気に入って貰えて良かったです!」


俺達の様子が目に付いたのか、周りのお客もオムシチュー?を注文し出す。

かなり好評のようで、それを見た別のお客からもドンドン注文が入り、何時の間にか名前もオムシチューになってしまった。

元々ココまで注文が来るとは思っていなかった為、直ぐ卵が切れてしまい俺達が仕入元へ買いに行く事で昼時は何とか間に合わせた。


 


昼時が終わり漸く一息吐いたナツメさん(クレハが小母様と呼んでいるので、それに倣って俺がナツメ小まで口にした瞬間、射抜く様な目で睨まれた……。 どうやらシノミヤでも、男性からの女性に年齢を感じさせる言葉は禁句らしいので改めた。 その後直ぐに「こんなに大きい娘さんがいるとは思えない程、若くて御綺麗ですね!!」と言ったら上機嫌に成った。 実際、アヤメが色々と成長した姿にしか見えないので御世辞ではないが……女性は解らない)が、俺達を労ってくれる。


「ふ~! ありがとう二人共、態々店まで走って貰って助かったよ。 それに新メニューの売上にも貢献してくれたみたいだね? これはアタシからの奢りだ! 飲んどくれ!!」


そう言ってナツメさんがドンッと勢い良くカウンターへと置いたのは、酒か何かが入った木製のジョッキだった……。


「は~。 ごめんね二人共、折角来てくれたのに店の仕事を手伝わせちゃって……」


そう言ってアヤメがソッと静かにカウンターへと置いたのは、果物のだろうジュースが入った金属製のグラスだった。


「気にしないでアヤメ。 それとコレありがとう小母様」


そう言いながら、クレハは迷いなくグラスを手に取る。 そして何時までもジョッキに手を伸ばさない俺を不思議そうに見やり、


「折角ですし、タカクも頂きましょう?」


と言って微笑んだ。 香りは良いが、かなり度数が高そうな気がスル。 お酒は二十歳からデスが、俺も年頃なのでゴニョゴニョと言う程度なのでドウシヨウと言う感じデス……。


「? どうしたんだい、遠慮なくグッとやっとくれ!!」


笑顔で勧めるナツメさん。 断ると、「アタシの酒を飲めないッてのかい!?」と般若にナルンデスね、ワカリマス……。


「! ごめんね、ツマミがあった方が良いよね?」


止める間も無く軽食を作り出すアヤメ。 流石デスね……コーユー時だけ悪気なく、余計な気遣いで退路を絶つ……ツレと同じデスね。


最早是迄。 日本男児として女性に無様な所は見せられない! 外堀・内堀を埋められ周囲を堅められた俺は悲壮な覚悟で城門を開け放った!!


「イタダキマス……」


一口、二口、三口……最後まで一気に飲み干したジョッキをカウンターにタンッと叩き付ける!!

ドウダ!! と言わんばかりのドヤ顔を造り上げた俺は………そのまま意識を失い、後ろにブッ倒れたのだった。



仕事が~仕事が~ダレかボスケテ-!? という具合なのです。 一段落するまで不定期になると思いますが、宜しければお付き合い頂きたいです。

(T^T)

それと一気飲みはキケンなので真似しないデネ! お兄さんとの約束だ!

5/30改稿

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