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第1.5話 街の元気っ子エリナちゃん!

朝の市場は、もう大騒ぎだった。

エリナはいつものように、母親の屋台の前でぴょんぴょん跳ねながら叫んでいた。

「ママー! 今日もいっぱい売ってねー! エリナ、今日は超がんばるから!」

水色の髪を二つに分けて、赤いリボンで結んでいる。

頬にはそばかすがぱらぱら。

よれよれのエプロンに袖を通した瞬間、

袖が長すぎて手を振るたびにひらひら舞う。

母親は笑いながら、エリナの頭をぽんぽん叩いた。

「はいはい、元気すぎるわよ。今日はお客さん

たくさん来るから、ちゃんと手伝ってね」

「はーい! 任せてー!」

エリナは屋台の前に立って、両手を大きく広げた。

「みんなー! 新鮮なベリーと蜂蜜パンだよー! 甘くておいしいよー! 買ってってー!」

通りすがりのおじさんが笑って、

銅貨を投げてくる。

「ほら、エリナちゃんパワーもらったから買うよ」

「やったー!ありがとうおじさん!また来てね!」

エリナは銅貨をキャッチして、ぴょんと跳ね上がった。

朝の忙しい時間が終わると、エリナは

屋台を母親に任せて、街中を駆け回る時間。

まずはパン屋のおばちゃんのところ。

「おばちゃーん! 今日の残りパンあるー?」

「あるわよ、エリナちゃん。いつもみたいに

半分あげるから、ちゃんと食べてね」

「わーい! 大好き!」

パンを頬張りながら、次は鍛冶屋の前を通る。

「おにいさーん! 今日もかっこいい剣作ってるー?」

若い鍛冶屋の兄ちゃんが、汗だくで笑う。

「作ってるぞ! エリナちゃんが大きくなったら、護身用の短剣作ってやるからな」

「ほんと!? 約束だよー!」

次は噴水広場。

エリナは噴水の縁に座って、パンをちぎって鳩に投げてやる。

「ほらほら、食べて食べてー! エリナのパン、特別おいしいんだから!」

鳩たちがわらわら集まってきて、エリナの周りをぐるぐる飛び回る。

エリナは笑いながら、両手を広げてくるくる回った。

「わー! みんな友達ー! 街って最高ー!」

噴水の水しぶきが顔にかかって、きゃはははは! と大笑い。

次は路地裏の隠れ家。

古い木箱の上に座って、拾ってきた石ころを並べて「今日の宝物展覧会」を一人で開催。

「この青い石は海の宝石! この赤いのはドラゴンの鱗! この白いのは……えっと、雲のかけら!」

自分で説明しながら、にこにこ。

「エリナ、将来は冒険者になって、世界中の宝物集めるんだから!」

そう呟いて、胸を張る。

夕方近くになると、母親の屋台に戻る。

「ママー! ただいまー! 今日もいっぱい遊んできたよ!」

母親はエリナの頭を撫でながら、優しく笑う。

「もう日が暮れそうよ。今日はお疲れさま」

エリナは屋台の横に座って、母親が焼いた蜂蜜パンを頬張る。

「ん~~~! 世界一おいしい!」

空を見上げると、魔法のランタンがぽつぽつ灯り始める。

街全体が、優しいオレンジ色に染まっていく。

エリナは両手を握りしめて、ぽつり。

「今日も、すっごく楽しかった……!

明日も、明後日も、ずっとずっと、こんな毎日が続くといいな」

そばかすの頬に、夕陽が優しく映る。

誰も傷つかない、誰も悲しまない、

ただ元気で、無邪気で、

街の太陽みたいな少女の、いつもの一日。

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