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7.5話 リリとルル

貧民街の路地裏、小さな木造の家。

朝の陽光が、隙間からぴょこぴょこと差し込んでくる。

リリとルルは、同じ布団の中で、ふにゃふにゃと体を寄せ合って寝ていた。

「にゃむ……ルル、まだ寝てたい……」

「リリも……でも、お腹すいた……」

二人は同時に目をぱちっと開けて、顔を見合わせる。

同じタイミングで、にこっと笑う。

「「起きたー!」」

ぴょんと跳ね起きて、布団を蹴飛ばす。

母親が台所で朝ごはんを作っている音が聞こえる。

「ママー! おはようー!」

「パン焼けたー?」

母親は振り返って、優しく微笑む。

「もう、元気ねえ。はいはい、焼けたわよ。

蜂蜜かけてあげるから、ちゃんと座って食べなさい」

二人は小さなテーブルに並んで座る。

同じように膝をぴったりくっつけて、母親が置いたパンを両手で掴む。

「「いただきまーす!」」

一口かじると、蜂蜜がぽたっとルルの指に落ちる。

二人は同時に「わっ!」と言って、指をぺろぺろ舐め合う。

「「甘ーい!」」

母親は笑いながら、二人の頭を交互に撫でる。

「今日はお母さん、洗濯があるから、外で遊んでてね。でも、路地から出ちゃダメよ」

「「はーい!」」

朝ごはんを食べ終わると、二人は手を繋いで外へ飛び出す。

路地裏の石畳で、石ころを転がして遊ぶ。

「リリ、こっち来て! 見て見て、この石、キラキラしてる!」

「ルル、待って! 私も見たい!」

二人はしゃがんで、石を並べ始める。

「これは天空の城!」

「これはマカロンの化石!」

自分で説明しながら、くすくす笑う。

時々、母親の洗濯物の音が聞こえてきて、

二人は顔を見合わせてにっこり。

「ママ、今日もがんばってるね」

「うん、ママ大好き!」

二人は手を繋いだまま、路地を駆け回る。

いつも、ぎゅっと手を握り合って、助け合う。

夕方近く、母親が呼ぶ声が聞こえる。

「リリ! ルル! ご飯よー!」

二人は息を切らして、家に駆け戻る。

「「ただいまー!」」

母親は二人を抱きしめて、頰をすりすり。

「今日はたくさん遊んだわね。汗だくじゃない。ちゃんと拭いてあげるから」

二人は母親の胸に顔をうずめて、えへへと笑う。

夕ご飯は、野菜のスープと固いパン。

でも、二人は「おいしー!」と言って、ぱくぱく食べる。

食事が終わると、母親が二人を膝に乗せて、昔話を聞かせる。

「お母さんが小さい頃はね、こんな街で、お母さんは双子の姉で……」

二人は目をキラキラさせて、母親の話に耳を傾ける。

「双子って、ずっと一緒にいられるの?」

「ずっと、ずっとだよ。離れても、心は繋がってるの」

リリとルルは、母親の言葉を聞いて、ぎゅっと手を握り合う。

「私たちも、ずっと一緒だよね」

「うん、ずっと一緒!」

夜になると、二人は同じ布団にくるまって、眠りにつく。

銀色の髪が絡まり合って、月明かりにきらきら光る。

「ルル、おやすみ」

「リリ、おやすみ」

二人は同時に目を閉じて、微笑む。

誰も傷つかない、誰も悲しまない、

ただただ無邪気で、温かくて、

双子の少女たちが、今日も幸せに過ごした一日。

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双子百合尊い…
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