坂川高校生一年生
こんにちは!初めてここで小説を書きます。至らぬ点が多いと思いますがよろしくお願いします。
「ねえねえ、咲ちゃんってどんな人がタイプなの?」
黒く美しいロングヘアの詩織は問う。
「えー、やっぱり早見くんみたいな人かな〜。」
茶髪ボブで丸目の咲は少し考えて答える。
「わかる〜。背高いし運動できるし、クラスの中心って感じするよね〜!」
詩織と咲は楽しそうに会話を続ける。
「「そうそう、本当にカッコイイよね!ねえ、空乃羽はどう思う?」」
昼休み、川添空乃羽にお昼ご飯を食べ終えた2人からの期待の眼差しが刺さった。一体ここでの最適解は何なのだろう。
空乃羽は一呼吸置き、作った笑顔で答える。
「早見君めっちゃカッコイイよね。特に部活中がやばい!」
作った声、作った顔はもはや空乃羽の一部になり、ぎこちなさはどこかに消えていた。
「わっかる〜!バスケ部いいよね。」
「まじそれなー。」
長い昼休み、空乃羽が一言返しただけで、会話は続いていた。
「え、でも早見くん彼女いるらしいよ〜。」
「えー!そうなの?!知らなかった。それほんと?」
「誰かは分からないけど、女子と帰っているところ見たって。」
「え!うそ!。信じられない!やっぱ詩織は物知りだなー。」
「誰か気になるな~。」
会話は時間を消費していく。空乃羽は相槌を打つのみだった。本当にめんどくさい、眠りたい、空乃羽はそう思いながら会話をろくに聞いていなかった。
キーンコーンカーンコーン
数刻し、授業の予鈴が鳴った。
「あ、ほら、授業始まるよ。2人ともホームに戻りな。」
空乃羽は優しい声で二人に言う。
「うぇーん。次数学なんだよねー。」
「うちもだわ。最悪。ま、戻ろっか。」
咲は嘆き、詩織は絶望した。この時間の数学はしんどいのだろう。先程までが嘘のように二人そろってしょげた顔をしている。
「「じゃーねー。また部活でー。」」
元気のない声をそろえてそう言い、二人は互いの教室に戻った。
軽音部の川添空乃羽は笑顔で二人を見送った。季節は九月、台風による大雨が続き、今日も廊下が滑りやすい。先ほどの二人は空乃羽と同じ軽音部のメンバーであり、バンドを組んでいる。バンドのメンバーは、普通科文系クラスの咲、詩織、空乃羽に普通科理系クラスの純玲、特進科の星奈を加えた五人だ。軽音部の活動は週四回であり、週に一回防音室を利用できる。
先程話題に上がったのは、バスケ部の美男子と名高い早見昌也である。普通科理系クラス所属だ。
突然だが、川添空乃羽と早見昌也は付き合っている。中学からの仲であるが周囲の視線を恐れてひた隠しにしている。ちなみに告白は昌也からだ。中学三年の夏だった。
「ふあぁ~。」
空乃羽は一つあくびをして、気が乗らない日本史の授業の準備をした。授業が始まる。




