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第21話 エピローグ

 オリジ国のとある学校。教室の窓からは午後の柔らかな光が差し込み、歴史の授業が静かに進んでいる。黒板には戦争の年表と、『声の日』についての図が並んでいる。

 世界中の人々に謎の声が響いてから60年。もちろん、今の学生たちはその時にはまだ生まれていなかった。教師の説明が教室に響くたび、かつての混乱と勇気が、生徒たちの想像の中でよみがえった。


 あの時、レンたちの魔法の声は世界を震わせた。衝撃は各国の政権を揺るがし、ピース国の内部崩壊を招いた。情報開示と国々の協力の気運は各地に広がり、国際機関はかつてない力を持つに至った。


 ノノカはその激動の中で努力を重ね、やがて世界連盟のトップに就いた。世界から戦争がなくなったわけではない。しかし情報の共有が平和をもたらすと信じて精力的に活動した。

 今ではノノカは引退し、オリジ国で静かな日々を送っている。


 二人の老人が学校の近くの街路をゆっくりと歩いている。互いに肩を寄せながら、長い人生を共に歩んできたことを静かに噛みしめている。二人の指先は時折触れ合い、笑みが自然とこぼれる。


 向かいから歩いてくる三人の小学生。

「なにお前ブルーが好きなの?ダサ!レッドが一番に決まってるじゃん。」

「ブルーなんて弱っちいぜ!」

二人の子に挟まれ、中央の子は俯いている。


 老人は立ち止まり、ゆっくりと子どもたちに語りかけた。

「本当は仲良くしたいんだろ?思っていることをちゃんと言葉にしてみなよ」


 子どもたちは互いの顔を見合わせた。

「先週の回でブルーばっかり活躍してずるいと思ったんだ」

「そうだね…でもレッドはいつもみんなの先頭に立っててかっこいいと思う!」

「ブルーはすげー頭がいいよな。この前の怪人が現れたときにさあ…」

 やがて笑顔が戻り、手を取り合って走っていった。


 白髪姿のレンは深く息を吐き、ふと微笑んだ。

「魔法が使えなくても争いを止められたぜ」


 その言葉に傍らのノノカは微笑んだ。さらにその言葉は時空を超え、世界の隅々にまで響いた。



最後までお読みいただきありがとうございました!

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