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45 パン作り

今日も朝から畑区画の整備である。

バンには手伝って貰うことが無いので、訓練を指示した。

現状は戦士だが、新たな職業の発現を見越して、弓以外の訓練をさせたい。

武器としては、剣と槍しか無いが、伐採用の斧があるので、薪割訓練で、下地が整えば嬉しい、と言う不確定要素があるが、一応指示した。

まぁ、薪は必要だし。

本当は盾士の訓練もさせたいが、1人で盾の訓練は出来ないとして、木の盾はお蔵入りしている。

さて、やることは昨日の続きで、バラまいた森の土と腐葉土と、転がした表層土の圧縮体を攪拌することだ。

城門内の薬草畑でも、森の土や腐葉土は少なからず消費しているが、昨日で全て出し尽くした。

また次の遠征で集めなければ。

スキルレベルが低いからか、土操作も消費MP軽減も機能し、レベルが上がっている。

まだまだMP的に余裕があるので、森の土と腐葉土を持ってくれば、攪拌するだけの状態まで、整備しておく。

昼前には畑2区画の整備は完了させられた。

城壁手前の畑区画半分程度まではある程度深く。

それより先は、浅く、穀物畑にすることにした。

まだ、ナイルが何の穀物を仕入れて来てくれるか分からないが、手の掛かりそうな物は、距離的にも近くにしておいた方が楽だろう。

穀物は種類にもよるが、大変なのは最初だけで、ある程度成長すれば手間が掛からないはずだ。

まぁ、現状でやれることはやったし、昼食食べに行こう。


いつものことだが、昼食は基本的に夕食の残りであり、朝食も残り。

昼食は残りを食べきる。

そして夕食作りの為に洗っておく。

鉄もあることだし、大鍋を追加で作っても良いかもしれない。

あ、でも折角だから、銅鉱石を仕入れて銅製の食器も良いかもしれない。

本当なら毎回鍋をバックパックに搬入してもいいのだが、容量を節約したいので、遠征時は小分けにして持っていってるのが現状だ。

更なるマジックバックが欲しい所だ。

いや、マジックバックは正直、あるだけ欲しい。

でもなぁ、ナイルがくれたカタログを見てても、マジックバックは結構高価だ。

とりあえず欲しい物の目星は付けてあるけど。

ん?何か、忘れている様な。


「パンーッ!!!!!」

はっ?!パン焼き竈が無い!!

石材不足?!

知るかそんなもん!

調理小屋を再編集して場所を広げて、竈扉に鉄が必要だけど、今はあるんだから使う!空いた空間に設置!

えーっと、小麦粉とイースト菌の分量はどれ位だ?

とりあえず、器のある限り仕込む。

いや、分量通りだけど、この塊のサイズでは発酵時間は記載通りでいいのだろうか。

発酵時間が長すぎると、ダメなのか?

とりあえず、見守ろう。

適宜、膨らみ具合を確認して、感覚を掴まなきゃな。

「うーん、結構膨らんだな。倍近くまではやり過ぎだろうし、これ位で適当な大きさに分けてみようかな。あ、膨らんだってことは中に空気があるってことだから、抜かないで焼くと弾けるかな?」

とりあえず、指で穴でも空けておこう。

あ、竈に火起こししてない!

ってか、パン焼きの時の温度ってどれ位なんだろう。

料理の本的に、適正温度は分かるけど、温度はどうやって測る?

くぅ、これも感覚で覚えなきゃいけないか。

仕方ないので、小さいのを1個ずつ焼いて試してみるか。


やっぱり感覚を掴むには、砂時計が欲しい。

「美味しいです!凄いです!これが白パンなんですね!」

ただの白パンに感動するバンだが、焼き立てだから感動してるだけであって、冷めたら大したことのない、低品質な白パンだ。

何と言っても、初めてのパン作りなのだから。

「バター、塗ってみる?」

バンは失敗作のパンも喜んで食べてくれた。

何とか、パン生地の発酵に関しては初めてでその感覚が正解だったと分かった。

発酵生地のあの指の沈み加減、忘れないでおこう。

夕食はバンがパンを食べ過ぎた影響で、オーク肉を焼くだけにした。

明日はパンの量産をしよう。

パンは軽いし、これならバックパックも圧迫しないだろう。


今日も朝から調理小屋に籠る。

朝食には昨日の完成度の高い方のパンを取り出す。

焼き立てでバックパックに搬入したからアツアツだ。

スープは深煮込み系を作る予定だが、現段階では普通の肉入り野菜スープ。

朝食としてはシンプルだが、今日はパン量産日である。

1日の始まりとしては物足らない感が否めないが、バンは特に文句も言わず、嬉しそうにパンを食べている。

「ロイ様、白パンはスープに浸すと、逆に食べにくくなるんですね」

うん、固い黒パンの食べ方だしね。

白パンでも表面が固い物もあるけど、それはそこまで日持ちしないし、マジックバックがある以上、そんな物は作らない。

至高のパンを作るのだ!

と言うのも料理本のパン作りの箇所と菓子作りの箇所で、様々なアイデアが浮かんできたのだ。

ちなみに料理人の職業は持っていないのに、何故?と思ったが、パンが食べられることに対する、溜まりに溜まった欲求が爆発しただけの様だ。

作りたいのは、蜂蜜、モウの乳、干し果物を刻んだ、栄養価高めなパン。

森へ出掛けた時に、優雅に食事などしていられないのだから、色々と混ぜて手早く済ませられ、且つ、美味しいを追求した逸品。

問題も多いだろう、本来は温湯を使うところをモウの乳を使うのだし、蜂蜜と言う、粘度の違う素材を入れるのだし。

そして、どのタイミングで干し果物を混ぜるかだ。

最初から干し果物を入れてしまっては、性質上、発酵の邪魔になりそうだからだ。

後で切り分け、形成する段階で練り込むのが良いか?

まぁ、取り敢えず、やってみるしかない。


「ロイ様、昼食はどうしますか?」

「ごめんだけど、そこので我慢して」

バンは昨日に続いて訓練に勤しんで貰っている。

そんなバンには悪いが、過去一貧相な食事だ。

初期段階から持っていた残り物の干し肉と、朝食でも残った昨日のパン、水、以上。

今は3回目の竈への生地入れで、集中している。

竈は焼く度に、温度が下がってしまうので、追加で焚き木を投入しなくてはならないし、その度に覚えた温度の肌感を思い出しては、火加減を調整しなければならないからだ。

強すぎる場合も、弱すぎる場合もある程度は待たなければいけないし、その空き時間に、完成品の味見もしているから、昼食はそれで賄えている。

でも、煮込みスープも同時並行して作っているので、そこまで暇と言う訳では無い。

パン竈の内部は大体中心線付近は同じ位の温度だと言うことが、分かってきたので、昨日よりも1回の投入量は多くなっている。

それでいて、混ぜた干し果物が表面に出ている状態で焼くと、そこだけ焦げて美味しく無いのが判明したので、竈に入れる前にある程度生地に押し込む必要がある。

意外と手間だ。

その手間が美味しいパンを生むのだ。


「ロイ様、結構、薪割り出来ましたよ」

「ふふ、バンくん、汗かいてるね。水浴び行こっか」

バンは訓練で汗を流し、こちらは竈の余熱を浴び続けて、池に飛び込みたいくらいだ。

スープ、もとい、シチューも良い感じに仕上がっている。

池に飛び込んで気付いたのだけど、自分の状態が興奮になっている。

まぁ、あれだけ集中したのだ。

冷静な興奮?

そんなところだろう。

でも今はこのまま身体をしっかり洗ってしまおう。


さて、状態を普通に戻して、夕食を頂くとしよう。

「さぁ、バンくん、今日の夕食は自信作だよ」

いつもは作っても、皿やらなにやらの準備をするのはバンだが、今日は接待しようと思う。

何せ自分はやりたいことだけやって、バンには今後の為とは言え、訓練を指示したのだし。

「おぉ、凄い濃厚で美味しいです!」

今は取り出してるけど、オークの骨を煮込んでるし、根菜類は溶けるように最初から小さく刻んで、具材としての根菜もオーク肉も後から入れた。

具材が無くとも十分美味しい逸品に仕上がった自信作だ。

それにしても一口目からシチューをスープで味を確認するとは、バンもなかなか料理が分かってきているな。

「具材も凄く味が染みてるのに、素材の味もあって良いですね!」

ふふ、バンよ、なかなかの味覚の持ち主ではないか。

「こっちのパンも凄く甘くて美味しいです!何か、普段水飲まないのに、沢山飲んじゃいます!美味しいなぁ」

ん?

水を沢山飲む?

シチュー、濃厚で美味い。

パン、乳感と蜂蜜のしっかりとした具合と、干し果物の味もしっかりして美味しい。

濃厚なシチュー&自己主張の強いパン。

「合わなぁーい!!!」

これ、別々に食べた方が美味しい組み合わせ!

そりゃそうだよ!

水欲しくなるよ!

普通の白パンで良い、いや、普通の白パンがベスト!


小麦粉0

イースト菌0


「やっちゃったよ~」

「そうですね、やっちゃいましたね」

うん、意味が違うけどね。


状態、興奮、怖い。

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