表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/46

29 都市設計士

夕食の準備をしながら、バンに投げナイフを半分渡した。

投げナイフとしての活用ではなく、槍との融合を想定して話した。

概ね意見は同じだった。

槍と柔性素材を渡して縛って貰おう。

「それにしても変わった形の投げナイフですね。どうやって槍に縛り付けましょうか」

「投げナイフってそんなに形が無いの?」

「ロイ様、投げナイフなんですから、ナイフの形をしてないとおかしくありませんか?これ、持ち手の部分がに短くて小さくて」

鑑定上はちゃんと投げナイフなんだけどな、まぁ、投げナイフ何て知ってるだけで見たことが無い。

「特別な投げ方をするとか?」

「特別、とは?」

料理の手を止め、バンに近寄る。

「うーん。両刃のナイフで、柄を作るにはこの細い持ち手は小さすぎる気もするし」

特別な柄があった?

燃えた?

気付いた時点で1つ確保しておくべきだったか。

投げたことが無いので、転がした木に色々な投げ方ですべて投げてみる。

全然刺さらないし、虚しく弾かれる。

縛るにしても不安定になりそうだ。

鑑定上、投げナイフに分類されているが、燃える前は別の物だった?

有効活用方法が消えた。

分解した素材はごっちゃになると困るので、バックパックに入れたままだが、これは、馬車に置いておくか。10個とは言え、いくら容量が大きくとも無駄に圧迫したくない。

職業を兵器職人にでもしたら、何か閃くかもしれないが、現状は出来ないし、兵器を作るより、都市設計士を優先したい。

残念だ。


食事を終え、バンと交代で水浴びをする。

昼間に水浴びをした方が、良いのだろうが、池の水温は夜でも大して変わらない。

夜に水浴びをするのは、布団を汚したくないからだ。

布団を洗濯するのは苦労するだろう。

夏前の今なら、厚手の服を着ている訳でも無いので、夜に洗濯すれば、朝食後には大体乾く。

布団は2人掛かりでも絞るのも不十分で、生乾きで逆に臭くなるかもしれないから、本格的に何か考えた方が良いだろう。

石鹸、は作れないこともないのだが、油の問題がある。

現状油は無い。

いや、言ってしまえばあるにはあるのだが、あまり使いたくない。

イノシシの油脂がある。

でもこれは料理に使っているし、イノシシ石鹸はあまり使いたくない。

まぁ、これも最終手段かな。

「さて、バンくんごめんだけど今夜もお願いね」

「お任せください」


スキル名称:第3職業

スキル効果:第3職業枠を追加

発動代償 :持久0消費

発動代償 :MP0消費

創造代償 :持久500消費

創造代償 :MP250消費

消費CP :3000CP消費


ありゃ、第3ともなると、消費CPも増えるか。

でも、これ以上の代償はキツイし、本来存在しないことを実現させるスキルなのだし、そもそも創造と言うスキルなのだから、ここはこれでいくしかないか。


「ぐおっ?!やっぱりキツイ!!」

すぐに状態変更しなきゃ。

「昏睡」

「維持」

「普通」

またこれか!

普通普通普通普通普通普通!

「維持」

「安静」

安静安静安静安静安静安静!

これで、た、の……

意識消失。


「んぐ?」

起きたら、まだ夜が明けていない時間だった。

ステータスを確認すると、持久もMPも最大値まで回復していた。

「おぉ~、やっぱり自然回復は重要だな」

夜が明けようとしている。

着替えて馬車から降りると、バンが見当たらない。

竈周辺にもテントにもいない。

池?もいないし、双璧の上にもいない。

「ん?入口?」

双璧の入口付近に何かがいる。

バックパックを背負い、歩いて向かう。

盆地の入口にはバンが居た。

そして足元には5匹の狼、の死体。

「あ、ロイ様?早いですね?」

「どうしたのその狼」

「夜中に夜警鳥が飛び立ったので警戒していたら現れました。何匹かは仕留めたのですが、傷の浅い狼はここで脚を切りました。月明りなので、仲間を誘き寄せてここで仕留めていました」

警戒鳥には以前、足に解いたロープの細い紐を括り付け、板を2枚繋いでいた。

でも、警戒鳥自身があまり飛べなくなってしまうと言うことに気付き、野生動物の骨を代わりに付けていたのだ。これなら警戒鳥の負担も少なくなるからだ。

それにしても、月明りでもそんなに見えないだろうに。

「そろそろ、生肉も減ってたんだよねぇ。戻って解体しようか」

「お願いします」

竈に火起こしをして、朝食の準備をバンに任せる。

こっちはこっちで、第3職業を発現させておき、都市設計士を設定する。

補正は知力200だった。

まぁ、予想通りかな。

5匹の狼を解体し、素材をバックパックに入れる。

やはり、肉は脂身が少なかった。

夏前だからだろう、秋や冬前ならもっと脂身があってもおかしくないだろう。

やはり、脂身は料理に使おう。

どうにか、植物油を手に入れられないだろうか。

周辺にはその様な実になるものは自生していなかった。

石鹸は遠いな。

飼料と化しているトウモロコシの量も減ってきている。

主にブラックホースに与えているが、その辺りに自生した草も食べているし、多くは与えていないが、それでも適した食事を与えたいものだが、生憎、ほぼ自給自足を強いてしまっている。

腐葉土と土を混ぜた畑でも作るかな?

運よく、トウモロコシが発芽してくれればの話だが。

朝食を食べながら、都市設計士の能力を確認する。

頭の中にミラード開拓都市にあった建物、また、無かったが、他の様式の建築物が浮かんでくる。

個別に建築物を集中すると、設計図が頭の中に浮かび上がる。

平面図もあり、立面図も思い浮かぶし、立体的にも把握できる。

頭の中で、その設計図を編集も出来る。

「これは、高速思考が無いと、頭がパンクするな」

頭痛はしないが、考えていると頭が疲れる感じがする。

知力の影響を受けているのだろう。職業補正値もそうだが、基礎の知力が高くて助かる。

とりあえず、今何が必要か。

寝泊りできる家か、いや違う。

ここは仮拠点なのだから、馬小屋と馬車小屋だろう。

どちらも別の建築物だが、編集によって異なる建物の同時編集も出来る様だ。

設計するのは大変だが、どうせなら連結させて設計した方が良いだろう。

どちらも大きめに設計する。

馬小屋はブラックホースには広すぎるが、別の馬か、馬的な何かを隷属させられれば、同居して貰うためだ。

馬車小屋は整備性を高めるために大きくしたが、別に馬車を大型化するつもりは無い。

あくまでも整備性重視、車輪の間には溝を作り、馬車の下に潜り込んで見えにくい足回り、軸の確認が出来る様にしておく。

馬車小屋は必要だ。

野ざらしの状態では劣化してしまうだろうし、幌に関しては絶対に痛むからだ。

連結した一つの建物には明確な設計変更をした。

それは必要素材の削減だ。

強度が下がってしまう様にも思えるが、そこは敢えて造りを重厚にし、組み木で設計した。

釘を使わないためだ。

その元となる鉄はあるのだが、あまり使いたくないし、炉も無しに釘の加工は手間だからだ。

当然、組み木にすると釘は使わなくて済むが、木材の加工には非常に手間が掛かるだろう。

仮拠点だからこそ、しっかりとした造りにしておかなければ、立ち寄った時に倒壊していました、何て嫌だからだ。

「でも道具無いし、今は考えるだけなんだけどねぇー」

一度編集設計したものは、それとして保存記憶も出来る様なので、第2候補も考える。

今の2つの竈を見ると、明らかに野営規模だ。

一軒家の調理場を編集するか?

いやいや、家具も何も無いのに、一軒家を建てても意味が無いだろう。

炊事小屋かな?

今のままでは、雨が降れば火は消えるし、鍋に雨水が入る。

屋根付きで、それなりの石組み竈を作ろう。今の鍋が余裕で置ける大きさで、1つの火元で複数置けるようにしよう。竈で発生する煙の流れる排気煙突も作ろう。後は、何を追加しよう。洗い場もあった方が良いかな?洗い場は低くして、普通の高さに貯水槽を作って、そこから木製弁を作って流れ出る様にしよう。

うむうむ、楽しいな。

造れもしない物を設計するのは。

これぞ、夢想家だ!

「ロイ様、冷めますよ?」

どんどん考えよう!

炭焼き小屋も、その保管庫も、焼き小屋を作るなら、レンガ焼きの小屋も作りたいな、レンガの材料無いけど。後は鍛冶小屋だな。リペアで直せても新しく作るには鍛冶小屋が無ければ、炉の設計も出来るのか、高炉?何それ、でもそれも併設させよう。

えーと、他には何かないか?

あー、楽しいなー。

「ロイ様、それ、温め直しますね」

「あ、ごめん。何か考え事してたら手が止まっちゃったよ。あー、お腹空いた」

「でしょうね。じゃあ昼食にしましょう」

「え?朝食は?」

「これが朝食です。鍋に戻して温め直したら、それが昼食です」


え?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ