【第二部】第29話『天臨融合』
サン・ライアット帝国領 《周辺エリア》
崩れ落ちた《デウス・ケラウノス》の近くまで《雷霆ケラウノス》が近いていく そして《雷霆ケラウノス》を降りて《デウス・ケラウノス》のコクピット内に乗り込み内部でアリヤが気絶しているのを知る
カイゼル・サン・ライアット「動かしていたのは師匠だったか…気を失ってるな」
《デウス・ケラウノス》は自身に乗り込んで来たカイゼルに対して
デウス・ケラウノス「”妻“は全て上手くやった様だな その《力》なら出来るはずだ あの《原子核の混沌》ウボ=サスラの肉体や臓器に至るまで全てが《原子核》で出来ている 下手な攻撃では逆に周りに大きな被害が出る 一瞬で空間ごと消滅させる《力》をぶつけるしかない」
カイゼル・サン・ライアット「?…お前喋れるのか…それより師匠を後部座席に移動させてくれ 後は俺がやる!」
カイゼルは《デウス・ケラウノス》のメインコクピットに座る そして再び機体は上昇する
《原子核の混沌》ウボ=サスラ「”アザトース“よ 貴様良くも卑劣な手段で俺から《魔皇》継承権を奪ってくれたな 同じ血を分けた”兄弟“でありながら何故だ!」
ウボ=サスラは怒り狂い身体から《原子核》をまき散らす
デウス・ケラウノス「良いか ”同じ名“を持つ末裔よ あのウボ=サスラの身体には《宇宙》さえ消滅させる《原子核》で溢れている 一瞬で決めろ!」
そして”天“より”光輝く者“が降りてくる その存在は
《デウス・ケラウノス》と融合を行う その姿は変貌し機体は輝きを放ち《DKM》となった 手にした《神銃剣》は《ビルシャナ・ブレイバー》へと変化する
DKM「来たか!”サクヤ“よ 待っていたぞ!」
木花サクヤ「”アナタ“…遅れて申し訳有りません それにもう一人”凄い方“が助っ人に来ました!」
DKM「おお…《神銃剣》に宿りしは”ビルシャナ“殿か あの時は大変だったな ”アザトース“との戦いで完全に消滅したと思っていたが」
しかし”ビルシャナ“は何故か無言だった
カイゼル・サン・ライアット「主役は俺だぞ!アンタら勝手にテンション上げて俺を忘れるな!」
カイゼルは何か不満が有りそうだったが笑っていた
木花サクヤ「御免なさい…では私は”補助“に回りますから”アナタ“も自嘲して下さい」
サクヤの意志は戦闘補助機能『ウィズダム』と同化してサポートに徹する
DKM「スマン…自嘲しよう 後は全てお前に任せよう カイゼル・サン・ライアット!」
カイゼル・サン・ライアット「良し任された!」
場面展開 浮上せし《海底都市ルルイエ》
ヨグ=ソトースの『空間鏡』でこの状況を覗いていた
エンリルは
エンリル・ノーサ・ルドラ「ウボ=サスラか…アイツの封印は”奴“が行ったはず 絶対に解けないはずなのに何故だ?」
ヨグ=ソトース「ウボ=サスラ…様ですか あの方の肉体を破壊したら《宇宙》その物が無くなりますがどうします…私の”空間転移能力“は神格が上の方には通用しませんが?」
エンリル・ノーサ・ルドラ「来てるな…木花サクヤに”ビルシャナ“よ…そして友たるカイゼル・サン・ライアット 後はお前たちに委ねる!」
ヨグ=ソトース「え?…ウボ=サスラ様の心配はしないんですか 仮にも”兄弟“ですよアナタ方は」
エンリル・ノーサ・ルドラ「イヤ…知らん アイツは何か勘違いしてるから」
エンリルのその言葉に”他の邪神達“は笑っていた
場面展開 サン・ライアット帝国《周辺エリア》
ウボ=サスラ「”アザトース“何処だ…一体何処にいる!!!」
ウボ=サスラは猛りながら動き出した 身体から《原子核》を撒き散らしながら
だが《DKM》が《神銃剣ビルシャナ・ブレイバー》を天に振り上げて
カイゼル・サン・ライアット「神銃剣」に宿りし『ビルシャナ』よ 俺に《力》を!《一之太刀零式・ゴッデス・エクス・スラッシャーー》!!!」
そのまま天より振り下ろし”毘盧遮那極光“がウボ=サスラに向い”空間“ごと消し去る 僅か一瞬の出来事だった
そして木花サクヤは《DKM》から”離脱“して元の《デウス・ケラウノス》に戻る 沈黙していたギア・オリジン『ティポエウス』の『コア・ユニット』から”我が子“であるアーリバル・サン・ライアットの《魂》を救い出す やがてその姿は人の形となった
アーリバル・サン・ライアット『色々と迷惑をかけて御免…母さん」
木花サクヤ「私こそ…アーリバル…本当に御免ね…」
そのままサクヤはアーリバルを抱きしめる
デウス・ケラウノス「私の事は分かるか アーリバルよ」
アーリバル・サン・ライアット「父さんですよね?
その姿になった経緯は知ってます そして戻れない事も…」
カイゼル・サン・ライアット「あの初代皇帝様…俺の事は知ってます?」
アーリバル・サン・ライアット「勿論知っている
カイゼルだったな 見事だった 本来は僕の役割だったけどね」
アーリバルは苦笑いをしながら そして
アーリバル・サン・ライアット「妹の事を…アリヤ・クレセントの事を頼む あの子が好きになる奴は何故か”変な奴“が多くてね ケニヒスや君の父親だったレオンとか」
カイゼル・サン・ライアット「・・・・会わないんですか師匠と…後部座席で寝てますが?」
アーリバル・サン・ライアット「いま会ったら”未練“が残る…それにアリヤの事が一番好きだったのは僕だったから…」
その言葉にその場にいた者達が一瞬凍りつく
木花サクヤ「じゃあ…行きましょう アーリバル 『天界』へ!”歴代皇帝“たちや私の友人達もいますから!」
宗教国家ブランカのリデル・オリンやエルメダ国王アシュク・エルメダも『天界』で待っていた
そして二人は手を取りあって『天界』に昇華する
デウス・ケラウノス「お前の旅は本当に終わったんだな”妻“よ そしてアーリバル…お前も」
デウス・ケラウノスは心の中で泣いていた
カイゼル・サン・ライアット「俺に師匠の事を頼むってどうゆう意味なんだろう…」
何故かカイゼルの耳には”教会の鐘の音“が鳴り響いていた。




