【第二部】第28話『激突』
サン・ライアット帝国領 《周辺エリア》
近付いてくるギア・オリジン『ティポエウス』は《雷帝剣ケラウノス》と同じ物を手にして迫って来た そして憑依している“クトゥルフの上位邪神”の女傑《森の黒山羊》シュブ=ニグラス 機体の周囲には彼女の能力である“蠢く砂”が複数の“サンドワーム”となって守っていた
シュブ=ニグラス「しかし…この『器』の“坊や”の潜在能力は凄いわね 私に取り込まれずに自らの意志で動いている…まるで私が補助してやってるみたい」
シュブ=ニグラスは『器』に宿る初代皇帝アーリバル・サン・ライアットの強靭な意志や力に驚いていた
そして《デウス・ケラウノス》も神翼を羽ばたかせて眼の前に迫る
デウス・ケラウノス「アリヤよ 私の能力は理解したな」
アリヤ・クレセント「ギア・オリジン10体の能力を使える《神銃剣》に戦闘補助機能『ウィズダム』に破壊された存在を蘇らせる『クリエーション』ですよね“お父様”!」
デウス・ケラウノス「理解しているなら それで良い お前でも使いこなせるか分からんがな」
そして『ティポエウス』眼前に迫り戦闘に入った
アリヤ・クレセント「私の特性に合わせて《神銃剣》を《バーニング・ブレイバー》にセット!そして先ずは近接戦に持ち込む!」
アリヤは剣に高熱を宿した《神銃剣バーニング・ブレイバー》で最初に斬りつける
だが『ティポエウス』の《雷帝剣ケラウノス》でその攻撃を受け止められた
アリヤ・クレセント「この太刀筋は兄アーリバルと全く一緒だ…このギア・オリジンを動かしているのは兄なのか」
アリヤは一旦は躊躇したが
アリヤ・クレセント「面白い!兄とは一度は本気でやり合いたかった 倒してから救い出す!」
デウス・ケラウノス「この子の気性の激しさは“妻”に似てるな…アレは“おっとり”してたが いざ戦いになれば戦闘狂に…私も最初は喧嘩を売られて大変だったからなぁ…」
《デウス・ケラウノス》は昔の事を懐かしがっていた
此処から二機の壮絶な斬り合いが始まった
《デウス・ケラウノス》が連続で機体の急所を狙うが《ティポエウス》はソレを綺麗に受け流していた
アリヤ・クレセント「流石はエンリル師匠に“天才”と称された兄アーリバルの“受け流し”の剣技…グランドマスタークラス数人掛かりでさえ一人で綺麗に“受け流し”てたからな」
シュブ=ニグラス「私も暇だから何か仕掛けちゃおうかしら“蠢く砂”よ サンドワームとなって あの《デウス・ケラウノス》って奴を攻撃しちゃいなさい!」
憑依しているシュブ=ニグラスは複数のサンドワームを直接ぶつけに来た《デウス・ケラウノス》は何とか躱したが機体の内部に“砂”が入り込み
アリヤ・クレセント「機体に“砂”が…だが戦闘には支障はない 一旦距離を取るぞ…そして《神銃剣》を《デストロイ・ブレイバー》にセットしてライフル形態へ!」
《神銃剣デストロイ・ブレイバー》をライフル形態に変形させてから
アリヤ・クレセント「《破壊流激弾デストロイ・バレット》あの砂の化け物たちを全て殲滅しろ!」
《神銃剣デストロイ・ブレイバー》ライフルモードでサンドワームを全て撃ち抜いた やがて全てのサンドワームは普通の砂に戻る
シュブ=ニグラス「あらあら…あの機体もしかして もの凄く強いの? 何か危なくなったら離脱しようかしらね」
シュブ=ニグラスはヨグ=ソトースに頼まれてイヤイヤ『ティポエウス』に憑依して《邪神融合》している為にやる気が無かった そして『ティポエウス』の頭部に《破壊流激弾デストロイ・バレット》がヒットして機体の動きが止まった
アリヤ・クレセント「《神銃剣》をノーマル形態へ戻す そして行くぞ!《円魔月蝕突・ゴッデス・エクス・スラッシャー》!!!」
《神銃剣》が10本になり“無音”で『ティポエウス』を突きにくる 其々が《バーニング・ブレイバー》
《ダークネス・ブレイバー》《アシッド・ブレイバー》《シャイニング・ブレイバー》《シルフ・ブレイバー》《デストロイ・ブレイバー》《アクア・ブレイバー》《ライジング・ブレイバー》《ガイア・ブレイバー》《グラビティー・ブレイバー》となって『ティポエウス』に突き刺さる その様子を見たシュブ=ニグラスは
シュブ=ニグラス「さて…コチラも《邪神融合》を解除して離れましょうか…でも“置き土産”は置いていくわね!」
シュブ=ニグラスは《邪神融合》を解いて“海底都市ルルイエ”に帰る
『ティポエウス』は10属性の剣を突き立てられて完全に沈黙
アリヤ・クレセント「やった!兄アーリバルに初めて勝ったぞ!」
そして《デウス・ケラウノス》は『ティポエウス』の『コア・ユニット』から『魂』を取り出そうとした瞬間内部に入り込んでいた“砂”が一粒ずつ爆発して機体が崩れ落ちた
デウス・ケラウノス「これは不味いな…流石は“クトゥルフの女傑”抜け目がない…アリヤ大丈夫か?」
アリヤ・クレセント「・・・・・・・・・・・」
アリヤは爆発の衝撃で気を失っていた そして謎の男がこの状況を観察していた
謎の男「《宇宙の深淵》に幽閉されし《原子核の混沌》ウボ=サスラよ 幽閉した“私が”その封印を解いてやろう!」
その男の言葉通り“宇宙”から“巨大な邪神”が降臨した
“謎の男”はその姿を見て何処かに立ち去る
デウス・ケラウノス「アレは…“アザトース”との《魔皇継承権争い》には敗れはしたが“同格の力”をもつ《原子核の混沌》ウボ=サスラ!」
デウス・ケラウノスが驚愕している最中に近付いて来たのはカイゼルが駆る《雷霆ケラウノス》
戦闘機能は完全に潰されたが何とか動く事は出来た
カイゼル・サン・ライアット「何だ…あの化け物は
…それに隣の機体は確か《デウス・ケラウノス》だったか」
《最終決戦》が始まる!




