【第二部】第25話『例え一瞬の力でも』
タリア共和国領《周辺エリア》
《千面の大使》ナイアーラトテップはギア・オリジン《須流徒》が放った“極炎断刃フレイム・スラッシュ”で消滅したかに見えたが…その姿は液状化して再び元の姿に戻る
ナイアーラトテップ「いやいや~危なかった いきなり不意をつかれて“三体の波状攻撃”だもんね…しかも最後が僕が大嫌いな《火》の攻撃なんて凄くムカつくなぁ」
ナイアーラトテップは軽口を叩きながら明らかに怒っていた そしてその姿は見た事がない邪神に変わる
ナイアーラトテップ「僕が今まで倒して来た“中位邪神”の一体だよ!まあそのおかげで他の神性の首魁達から嫌われていてね 下手したらヨグ=ソトースより嫌われるんじゃないかな 僕は!」
カムロン・ライリー「何をゴチャゴチャ言っている 全く意味が分からんぞ」
リータ・シュトルム「まるで子供みたいね コイツは…良くヘラヘラ笑ってられるわ」
その言葉にイラついたナイアーラトテップは《武獣》と《禍津》を標的に定めた 二体のいる場所の《大地》が“複数の槍”になって機体が砕かれた
カムロン・ライリー「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
リータ・シュトルム「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
更にナイアーラトテップは姿を変えて
空から強力な“酸性の豪雨”を降らせて三体のギア・オリジンを錆びさせる
ナイアーラトテップ「どうかな?《地》の中位邪神から《水》の中位邪神の“力”は…これが僕の能力“千の異形”だよ」
《武獣》と《禍津》は半壊状態に追い込まれたが《須流徒》だけは無事だった
マーベリック・シュトルム「良く喋る奴だな 弱い犬ほど何とやらとは良く言った物だ!」
ナイアーラトテップ「おい…お前…言葉には気を付けろよ…この僕は《魔皇》『アザトース』様の“使い魔”に選ばれた“上位邪神”だぞ!!!」
マーベリック・シュトルム「要は“使い走り”だろう 焼きそばパンでも買いに行かされたか?」
マーベリックの言葉の返しに怒り心頭のナイアーラトテップは更に“千の異形”で姿を変えて《須流徒》に照準を絞って集中攻撃を加える《須流徒》はズダボロにされて全く動かない…しかし《武獣》と《禍津》この隙を狙っていた
カムロン・ライリー「地雷鳴サウザント・サンダー・クエイク!」
《大地》に雷が走りナイアーラトテップにその“雷撃”が直撃し更に
リータ・シュトルム「水渦ウォーター・ヴォルテックス!」
《禍津》が三叉戟トリアイナを上に向けてナイアーラトテップに《渦巻く水》が舞い上がり《雷撃》との二重攻撃で大ダメージを与えたが すぐに液状化してダメージを無効化した
《禍津》《武獣》はこの連携攻撃で力を使い果たした…
カムロン・ライリー「アレで倒せないのか…一体どうすれば?」
リータ・シュトルム「兄さん…御免なさい もう奥の手は使ったわ…これで駄目ならもう…」
カムロンとリータの諦めに近い言葉にマーベリックは
マーベリック・シュトルム「二人共良くやった 後は俺がどうにかする!」
しかし《須流徒》は完全に大破状態になっていて動けない
その時上空に《冷たき炎》“クトゥグア”の“精神体”が現れた
クトゥグア「アレか?“我が王”が言われた者は…しかも相手はナイアーラトテップか…奴は俺を忌み嫌っているからな ちょうど良い 言われた通り あの鉄の巨人に憑依しよう!」
クトゥグアは《須流徒》に憑依して《邪神融合》を行った そしてその姿は変貌し全身から“蒼白い炎”を放ち大剣ギガンテス・フレイムは《倶利伽羅龍王剣》に変化した
マーベリック・シュトルム「これは…一体何が起きている!」
マーベリックは驚いたが“クトゥグア”が話しかける
クトゥグア「人間よ…一時的だが“力”を貸してやる
ナイアーラトテップは我が“蒼白い炎”を苦手としている 奴の“千の異形”も我が炎の前では無意味!」
マーベリック・シュトルム「アンタも邪神の類か…どうゆうつもりか知らんが協力感謝しよう ならば焔渦フレイム・ヴォルテックス!」
倶利伽羅龍王剣を空にかざしナイアーラトテップに《蒼白い炎の渦》が舞い上がり身動き出来なくなった
ナイアーラトテップ「これはクトゥグアの“蒼白い炎” それにその姿は…まさか“融合体”か…止めろ…止めてくれぇー!!!」
マーベリック・シュトルム「極炎豪覇斬フレイム・ノヴァ・デイブレイクー!!」
《邪神融合体》《須流徒・クトゥグア》が“倶利伽羅龍王剣”を空高く振り上げて…そして一気に振り下ろした
ナイアーラトテップは“蒼白い炎”を纏った剣で一刀両断にされて“精神体諸共”焼き尽くされて完全に消滅
クトゥグア「哀れだな…ナイアーラトテップ “精神体”まで消滅すれば復活はない お前は“我が王”の“使い魔”に選ばれたからと色々調子に乗りすぎたな」
クトゥグアはナイアーラトテップの消滅する様子を見て悲しげに言った
クトゥグア「人間よ…我が《力》が少しオマエにも宿ったはずだ 大事に扱え ではサラバだ!」
“クトゥグアの精神体”は《須流徒・クトゥグア》から離れて通常の姿に戻った そして海底都市ルルイエへ向かう
そしてマーベリックは《武獣》からカムロンが降りて《禍津》の中で気を失っているリータを救出している姿を見て安堵していた。




