【第二部】第23話『闇と光の輪舞』(後編)
ダーナ神王国《ヌアザ城》《周辺エリア》
クトゥルフの“うねる水”の触手が《天魔波旬》と《獅飛》を締め上げて機体を潰しに掛かった
しかし二体は同時に機体の再生機能が働いて何とか耐え凌ぐ
クトゥルフ「中々丈夫じゃのう その鉄の塊共は…仕方あるまい 来いダゴンよ!お前も加勢せい!」
クトゥルフは自らの眷属たる“中位邪神”《月の海》“ダゴン”を召喚した その姿は“クトゥルフ”と似た蛸の頭と異形の姿をした邪神だった
ダゴン「クトゥルフの爺様よ かなり手こずってる様だな やはり年か?」
クトゥルフ「何を抜かすか!こ奴ら中々丈夫に出来ていてのう…お前の“腐食する海”で完全に消せ!」
ダゴン「分かったよ…俺も《水》の神性の眷属だからな “首魁”のアンタの命令には逆らえん立場だ」
そして“ダゴン”は地表の水を吸い上げ口から“腐食する海”を吐きソレを浴びた《獅飛》と《天魔波旬》の二体の装甲は腐りはじめ再生機能が追いつかなくなる
ラーヴァナ「なんだ?この《水》は…再生機能が追いつかん…」
フェイ・ロン「ラーヴァナ 此処は機体を降りて逃げた方が良いかも知れん…あの二体の邪神は連携が上手い…僕らと違ってね」
フェイ・ロンは皮肉を言いながらも冷静な判断を下した
だがギア・オリジン“荒覇吐”の内部にある五つの試験管が破壊され謎の五人が助っ人に向かった
ステファニー・ルシュール(梵天)「我が《創造力クリエィティブ》の力よ《天魔波旬》と《獅飛》を完全復活させて敵の《水》の力を無効化せよ!」
ステファニーは両手を前に出して《創造力クリエイティブ》の力を行使した 二体のギア・オリジンは完全に復活 そしてクトゥルフの“うねる水”とダゴンの“腐食する海”の浄化に成功した
クトゥルフ「なんだ!あの娘は?…儂らの《水》が浄化されて力を失ったぞ…」
クトゥルフとダゴンの“うねる水”と“腐食する海”は普通の水に戻っていた
エーリオ・マネンテ(阿波鈍)「流石ステファニーの能力は超チートだな…俺も負けてらんねぇな 喰らえ《重力球グラビティー・プレッシャー!》」
クトゥルフとダゴンに複数の“重力球”が落ちて押し潰すが何とか二人は耐え凌ぐ
ゴッドフリー・トゥヘル(帝釈)「金剛杵ヴァジュラ改式よ…轟雷剣を形成して刃となれ!」
金剛杵ヴァジュラ改式は高圧縮された“雷剣”を形成してゴッドフリーはソレを上段から振り下ろす
ゴッドフリー・トゥヘル「ラーヴァナ国王陛下!今お助けしますぞ!これぞ真の《雷帝断刃ライトニング・スラッシュ!》」
不規則な“雷光の波動”は“クトゥルフ”と“ダゴン”に大ダメージを与えた そしてその姿を見たラーヴァナは
ラーヴァナ「ゴッドフリー…お前…生きていたのか!」
ラーヴァナはゴッドフリーの姿に驚く
フロル・カシン(詩羽)「その程度で音を上げたか フェイ・ロン お前らしくないな 必殺《天覇破壊勁サイクロン・ウェーブ!》」
フロルの放った正拳から“螺旋状の竜巻”が起こり“クトゥルフ”と“ダゴン”が空に舞い上がった
フェイ・ロン「詩羽…梵天…阿波鈍…お前達…何故生きている…」
かつて騙し討ちした三体のギア・オリジンから《次元転送システム》を抜き取ったフェイ・ロンは驚愕していた
上空に舞い上がった“クトゥルフ”と“ダゴン”を中年の男が手にした《光破機銃ウロボロス・ランチャー》で狙っていた
オリヴァー・イーリイ(八岐)「マルセラよ…この距離なら絶対に外さんぞ 見ていろ!」
オリヴァーは両手で“光破機銃ウロボロス・ランチャー”を持ち《紫色光線ヒュドラ・パニッシャー!》を放つ その“紫色光線”を“クトゥルフ”と“ダゴン”はマトモに浴びて苦しみ出した
クトゥルフ ダゴン「何だ?身体が溶けていく…助けてくれぇー!!!」
マルセラ・エンゲルマン「流石はオリヴァー…私の旦那はやっぱりアンタしかいないよ!」
ソレを聞いたオリヴァーは少し照れていた
マルセラ・エンゲルマン「ラーヴァナ フェイ・ロン トドメはお前たち二人で決めな!今度はしくじるなよ!」
マルセラの怒号が二人の眠っていた心に火を付けた
ラーヴァナ フェイ・ロン「見せてやろう《闇》と《光》の輪舞をな!」
《天魔波旬》と《獅飛》は上空に飛翔して『暗黒方陣』と『日輪方陣』を複数同時に展開 そして
ラーヴァナ「天勝神精之太刀・ダーク・オメガ・スマッシャーーー!!!」
フェイ・ロン「一之太刀無式・シャイニング・スマッシャーーー!!!」
《闇》と《光》のマーブル状になった滅光波が“クトゥルフ”と“ダゴン”を一瞬で消滅させる
精神体クトゥルフ「危ない…危ない…何とか消滅する前に“精神体”だけ抜け出せたわい…だがダゴンは遅かった様じゃがのう…」
“クトゥルフ”は間一髪抜け出せたが“ダゴン”は“精神体”ごと肉体が消滅した
そしてそのまま“クトゥルフ”は何処かへ逃げ去った。




