【第二部】第13話『三対一』(前編)
ダーナ神王国 ヌアザ城 《闘技場》
ダーナ神兵達が日夜修練を行う場所で親衛騎士団『ダーク・ミスト』団長ヨハンネス・リヒテナウアー メルヴェイユ・オラシオ イリリオ・モパティス リュドミラ・イグリット ジークムント・リングエックの五人は揃ってギア・オリジン『那由多』の『受肉者』エンリル・ノーサ・ルドラと対峙していた
その雰囲気はかなり険悪で五人はエンリルを凝視している
エンリル・ノーサ・ルドラ「しかし…随分と嫌われた物だな」
エンリルはやれやれと言った感じでこの雰囲気を楽しんでいた
そして『ダーク・ミスト』の最初の団員であるリュドミラ・イグリットは激怒しながら
リュドミラ・イグリット「当たり前でしょう!ケニヒスをあんな酷いやり方で殺したアンタを許す訳ないじゃん」
エンリルの暴風光爆テンペスト・シャインバーストを喰らいケニヒス・ティガードは消滅して死んだ事になっていた
エンリル・ノーサ・ルドラ「分かった 分かった で一体俺は何をすれば良いのかな?お嬢ちゃん」
リュドミラに対してエンリルは小馬鹿にする様な態度で言い返す
しかし団長のヨハンネス・リヒテナウアーは冷静に
受け流しエンリルに勝負を申し出る
ヨハンネス・リヒテナウアー「エンリル様 私と勝負して貰えませんか 盟友たるケニヒス・ティガードを倒した貴方と一度手合わせをお願いしたい」
エンリルはその勝負を受けた そして…
エンリル・ノーサ・ルドラ「分かった…受けよう それに面倒だから五人纏めて相手をしよう」
そして闘技場にエンリルは上がる
ヨハンネス・リヒテナウアー「ではコチラは私とメルヴェイユとイリリオの三人で相手をします」
残されたリュドミラとジークムントはヨハンネスに何か言おうとしたが
ヨハンネス・リヒテナウアー「リュドミラとジークムントは留守番を頼む この戦いは死闘になる…五人同時に戦えば同士討ちになる可能性が高いからな」
その言葉を聞いたリュドミラとジークムントは黙って引き下がった
そしてヨハンネス メルヴェイユ イリリオの三人が闘技場に上がる
修練を行っていたダーナ神兵達の動きが止まりこの死闘に注目が集まる
ヨハンネスは聖槍アッサルの槍を メルヴェイユは光破機銃タスラム・ランチャーを そしてイリリオは十文字槍・人間無骨をエンリルに向ける
そしてエンリルも風神剣エエカトゥルを鞘から抜き三人に向ける
ヨハンネスは後方で イリリオとメルヴェイユは前方の陣形を組む そして死闘の幕が上がった
メルヴェイユ・オラシオ「先ずは私から派手にいっちゃいましょうか!」
メルヴェイユは光破機銃タスラム・ランチャーをエンリルに放つ 放たれた巨大粒子砲はエンリルの直前に迫る だが…
エンリル・ノーサ・ルドラ「まさか『八岐』愛用の武器を使う奴がいるとはな…ならば【空間転移法】」
エンリルは直前で『空間転移』を行い巨大粒子砲を避けた
ヨハンネス・リヒテナウアー「イリリオ!着地点は右側前方だ 其処を狙え!」
イリリオ・モパティス「分かった 槍技・江風蛟刺突!」
エンリルの『空間転移』の着地点に凄まじい槍撃の突風が放たれ それをマトモに喰らう
エンリル・ノーサ・ルドラ「これはエルメダ国王アシュクさんが最も得意とした技だ…全く色々と懐かしいな」
エンリルは少しダメージを受けたがすぐに体制を立て直す だがその瞬間を待っていたヨハンネスは
ヨハンネス・リヒテナウアー「【固定魔法グラビティー・ロック】これで【空間転移法】は封じたぞ」
【固定魔法】の影響でエンリルの身体は全く動けない
ヨハンネスの『聖槍アッサルの槍』は槍としては機能してなく【魔力の根源】を埋め込まれた『魔法杖』が本来の姿であった
エンリル・ノーサ・ルドラ「まさか【魔法】だと…アレは900年前に『冥府の魔獣タルタロス』が消失した時に失われた物だぞ」
エンリルは本気で焦っていた そしてヨハンネスは『魔法杖アッサル』を向ける
ヨハンネス・リヒテナウアー「これを待っていた【五大元素魔法アトミック・ファイブ・ディザスター】」
『魔法杖アサッル』から放たれた『地水火風雷』の魔導砲がエンリルに直撃し吹き飛ばされて手にした風神剣エエカトゥルは跡形も無く消滅した。
まだ勝負は終わってはいない!




