【第二部】第3話『コノハナ皇国』
サン・ライアット帝国 《玉座の間》
タリア共和国からユリウス・マクシミアンの
使者が皇帝ルインにある相談を持ちかけていた
ユリウスからの使者「ルイン皇帝陛下 サン・ライアット帝国が保有する『炎聖剣プロメテウス』を本来の所有者である須流徒様に返して頂けないかと ご相談に来た次第で…アレは本来は須流徒様の物 どうかお考え頂ければと…」
ユリウスからの使者は死を覚悟の上で嘆願していた
皇帝ルイン・サン・ライアット「それがなぁ…我が七剣人の長であり分家の始祖に当たるアリヤ様が現在保有している この私とて下手にこの事を相談したら命はない」
ルインはどうした物かと考えていた そして兄であるカイゼルへ頼むしかないと決断した カイゼルはアリヤの愛弟子 カイゼルの言う事なら聞いてくれるだろうと考えていたからだ
ルイン・サン・ライアット「少し待って貰えないか…我が兄ならば何とかしてくれるかも知れん」
使者は納得して暫く滞在する事になった
そしてルインは兄カイゼルにこの事を相談していた
ルイン・サン・ライアット「兄上から『炎聖剣プロメテウス』を手放す様アリヤ様に頼めませんか この私からこの事を言えば真っ二つにされるでしょう」
カイゼル・サン・ライアット「え?俺からか…正直イヤだぞ 師匠に下手な事を言えば殺し合いになる 本気の師匠とやり合えば俺は死ぬかも知れん」
カイゼルは本気で嫌がっていた
そこへアリヤ・クレセントが悠然と現れ『炎聖剣プロメテウス』を鞘に収めたままルインに渡す
アリヤ・クレセント「ルイン…その剣をタリア共和国の使者に渡せ 元々私が産まれた時の祝いの品にと須流徒がくれた物…それに私には この剣は重くて扱い辛い」
ルイン・サン・ライアット「ではこの剣はタリア共和国の使者へ渡します」
素直に返したアリヤにルインはかなり驚いていた
そしてルインは『炎聖剣プロメテウス』をタリア共和国の使者に渡した 剣を返して貰いホットした使者はタリア共和国へ帰る
カイゼル・サン・ライアット「師匠にはあの剣は扱い辛かったのか これからはレミー・マンデン同様ガンナーでやっていくつもりか?」
カイゼルはアリヤに聞いた
アリヤ・クレセント「前にも言ったが私は歴史上二人目のオールグランド持ちだ『剣銃技』で片手で扱うには あの剣は重すぎる」
アリヤは事情を説明した
アリヤ・クレセント「私の性質は《火》ならばコノハナ皇国に眠る『神剣クリカラ』を取りに行く カイゼルお前もついて来い 色々見せたい物がある」
カイゼルはアリヤと共にコノハナ皇国へと向かう
《聖域コノハナ皇国》
聖域と言われるコノハナ皇国は初代皇帝アーリバル・サン・ライアットとその双子の妹であるアリヤ・クレセントが産まれ育った場所である
そして皇国の亡き女王こそかつて旧世界において『第一次神魔大戦』を生き残った三人の『天臨者』の一人サクヤ・コノハナであった
その皇国を見たカイゼルは
カイゼル・サン・ライアット「此処か 触れずの聖域と呼ばれたコノハナ皇国は 案外小さな国なんだな」
アリヤ・クレセント「元々戦いを好まない国だったからな 国土を広げる気は更々無かったんだろう母上は」
二人は皇国の城の中に入る
城の中には謎のARMEDギアが数体保管されていた
そして旧世界の武器も飾ってある
カイゼルは歩きながらそれらを見て珍しそうにしていた
カイゼル・サン・ライアット「初めてみるARMEDギアばかりだな ウチの変人が作った感じでも無いし…それに見た事もない武器ばかりだ」
アリヤは機体名を答える
アリヤ・クレセント「右から『紅のアチャラ』『蒼のトライローク』『緑のクンダリー』『黄のヴァジュラ』『黒のヤマーンタカ』『白のヴァイシュヴァナ』『橙のヴィルーパ』だ あのギア・オリジン『八岐』がハイデルベルク城を強襲して来た際 我々七剣人がこの七機で出撃する予定だったが まさかお前がギア・オリジン《那由多》に乗って倒すとはな」
アリヤは何か含みのある感じで
アリヤ・クレセント「あの那由多の正体を知っているか 初代グランドマスターにして私と兄アーリバルの師匠でもあるエンリル・ノーサ・ルドラだ!」
カイゼル・サン・ライアット「そういえばギア・オリジンは元々は人間だったて言ってたが本当だったのか…初代グランドマスターは名前しか知られてないが那由多…イヤ エンリル・ノーサ・ルドラってどれだけ強かったんだ?」
色々面食らったカイゼルにアリヤが答える
アリヤ・クレセント「兄に取っては生涯の目標であり結局届かなかった存在…グランドマスタークラスとは元々エンリル師匠の為だけに作られたクラスだ そう言えば分かるか?」
カイゼル「・・・・・・・・・・・・・・・」
カイゼルは何も言葉が出なかった
カイゼル・サン・ライアット「唯のチート機体じゃ無かったって訳か…しかも俺がアイツの孫弟子だったとは」
アリヤ・クレセント「もしエンリル師匠が敵になったら絶対に逃げろ 誰も勝てないから」
アリヤは笑いながら言った そして飾られた武器の中から『神剣クリカラ』を取る
『神剣クリカラ』は『炎聖剣プロメテウス』のオリジナルであり破壊力は劣るがより軽量で片手でも扱いやすい
アリヤ・クレセント「これで目的は果たした じゃあ帰るぞ!」
しかしカイゼルは城の中央に一体だけ別に飾られていたクリスタル・パールホワイトとメタリック・ブルーに塗装されたARMEDギア?に魅了されていた
アリヤ・クレセント「その機体の名前は『デウス・ケラウノス』レオンの若い頃に見せた事が有ったが何か取り憑かれた様になっていたな」
カイゼル・サン・ライアット「なんだろう…この不思議な感じは…」
《デウス・ケラウノス》自身もカイゼルを凝視していた。




