第45話『宗教国家ブランカ消滅』(終)
《サイロス大聖堂外の広場》
ラーヴァナの『神銃インドラの矢』で急所を撃ち抜かれたリデルは倒れ込んだ だが再び立ち上がろうとする その姿を見てラーヴァナは
ラーヴァナ「流石だよ この神銃インドラの矢には即死効果が付加されている 死なずに立ち上がる気力があるとは」
ラーヴァナは本心からリデルを称賛した
リデル・オリン「・・・・・まだ…此処で終わる訳にはイカン せめてお前も道連れに…このブランカを守る為にも…」
教皇マルチェロ「リデル様…私に戦う力が有れば…何と無力なんだ私は…」
教皇マルチェロは自身の無力さを嘆く
ラーヴァナ「其処までして このブランカを守る義務がアンタにあるのか 城に呼び寄せたエンリルから聞いたが獅飛は詩羽と梵天と阿波鈍の三人を破壊して《次元転送システム》を抜き取り俺を超える力を得たらしい」
それを聞いたリデルは
リデル・オリン「あの三人は獅飛に取っては身内も同然のはず…奴はまだギア・オリジン統括者になる事を諦めてないのか?」
リデルはフェイ・ロンの剣の師匠でもあり自分の前では何時も大人しく振る舞っていた
ラーヴァナ「俺が悪と呼ばれるならアイツはなんだ
偽善者その物だろうが!散々世話になったアンタにさえ何も言わずに今だに俺を逆恨みしている それでもアイツが作ったこの国を守る必要があるのか!」
リデル・オリン「例えそうでもこの国の民達には罪はない」
ラーヴァナ「なら運命を共にするんだな 来い我が『最強の器』よ!」
ラーヴァナは右手を上げて何かを呼び出した
そして上空には四枚の翼を広げた『漆黒』の三つ首竜アジ・ダカーハの姿をした巨大なギア・オリジンが
ラーヴァナは走り出し専用機である『純白』のアフターオーディンの方へ向いコクピットに乗り込んだ
上空の巨大なギア・オリジンは降下して地表に着地
ラーヴァナの駆るアフターオーディンはアジ・ダハーカの中央の部分に機体の下半身を変形させて収納
上半身だけ露出したアフターオーディンの頭部のツインアイが妖しく輝く そして再び上空に飛翔する これこそ最強のギア・オリジン統括者『天魔波旬』の真の姿!
リデルはその姿を見て
リデル・オリン「アレは5000年前とはまるで姿が違う…一体何をやった」
ラーヴァナ「乗り込み型への改修の次いでにARMEDギアとギア・オリジンの合体と言う遊びを加えたが中々面白いものだな」
ラーヴァナは自己満足に酔い浸る
そしてラーヴァナはコクピット内で『天勝神精之太刀』を発動させ『天魔波旬』は機体全体から凄まじい暗黒光気を発している
ラーヴァナ「さて…マルチェロ ダーナ神王国に降るなら このブランカを滅ぼすのは止めても良いがどうする?」
ラーヴァナは教皇マルチェロに問いかける
マルチェロ「分かりました…私は国民達の命が何よりも大事降りま…」
しかしマルチェロには特殊な洗脳が施されていた
マルチェロ「イヤ…貴様の様な凶王に降るくらいなら我々は死を選ぶ!」
突然変貌したマルチェロにリデルは
リデル「マルチェロ お前一体どうして…まさか獅飛に操られているのか?」
場面展開
戦場から帰還途中の大神官ガルダ・オリン達
ガルダ・オリン「もうすぐブランカに到着するけど この胸騒ぎはなんだ?」
大神官機『ガンダルヴァ・ヴェーダ』を先頭に三神官機『ヴィシュヌ ・ヴァティー』『アドヴァイタ・ヴェーダーンタ』『アタルヴァ・ヴェーダ』が並列を組みながら 残りの『ヒポグリフ』数機を引き連れてブランカに向かっている
そしてヴィシュヌ ・ヴァティーを駆るフェイ・ロンは既にマルチェロを通してブランカでの現状を把握していた
フェイの内心「まさか波旬の奴が来てるとは 仕方ない ブランカは捨てるか 国なんてまた作れば良い 我々には無限の命があるのだから なあ波旬」
フェイ・ロンは心の中でブランカを冷酷に切り捨てた
場面展開
宗教国家ブランカ上空
ラーヴァナ「それが答えか なら三国同盟の一角は此処で終わりだな」
ギア・オリジン『天魔波旬』の三つの竜の頭から黒い咆哮が地表に放たれる
ラーヴァナ「ダークネス・ハウリング!」
放たれた三つの『黒色光の咆哮』は住民達のいる地域に落ちて無慈悲に人々は消し飛ばされた
更に『天魔波旬』は複数の『暗黒方陣』を機体の周りに展開 そして機体の腹部から高圧縮された『超熱線砲』が露出する
ラーヴァナの顔に一瞬迷いが見えたがすぐに真顔に戻る
ラーヴァナ「暗黒光波ダーク・オメガ・スマッシャー!」
複数の暗黒方陣から極光が…そして腹部の超熱戦砲からも巨大な熱線が一斉に放たれた
それを見たリデルは覚悟を決めたかの様な穏やかな表情に
リデル・オリン「フェルセット…ガルダ…お前達は何が有っても生きてくれ」
リデルは二人の血縁者に全てを託した そしてかつて若い頃三人で旅をしていた頃を“フラッシュバック”の様に思い出す
リデル・オリン「サクヤ様 シュウジ…」
その瞬間ブランカを含めた周辺諸国は一瞬で蒸発
その死者は五億人近くに及んた。




