第44話『宗教国家ブランカ消滅』(3)
《サイロス大聖堂外の広場》
ラーヴァナとリデルはサイロス大聖堂から出て行き広場で戦う準備を始めた 教皇マルチェロは付近の住民達に離れる様に呼びかける
教皇マルチェロ「全員この付近から避難しなさい…しかしリデル様なら必ずあの凶王を倒せるはず この宗教国家ブランカでもフェイ・ロン(獅飛)様より強く紛れもなく最強と呼べる方なのだから」
教皇マルチェロは確信に満ちた顔で余裕の言葉を言い放つ
リデル・オリンはARMEDギアの装甲を研磨して作られた二刀のツヴァイハンダーを腰から抜く
リデル・オリン「波旬 一介の科学者だったお前は誰からも剣を習う事もなく常に『帝釈』を護衛扱いしてたが少しは戦える様になったのか?」
リデルはラーヴァナを挑発するが
ラーヴァナが天之尾羽張剣に『暗黒光気』を纏わせた剣は暗黒光を帯びている
ラーヴァナ「さあな…俺の剣は我流だよ じゃあ始めるか 最後の『天臨者』さんよ」
その口上の瞬間 リデルは『韋駄天神速』を使いラーヴァナに近づく そして…
リデル「韋駄天神速✕塵風✕十連殺」
ラーヴァナの身体はズタズタに切り裂かれ大量の血液が吹き出す
ラーヴァナ「な…全く見えない…何て速さだ!」
ラーヴァナは辛うじて切り裂かれる瞬間後ろに下がり致命傷は避けた
リデル・オリン「本来は今ので塵になってるはずだが良く後ろに下がれたものだ だがこの程度では終わらん!」
ラーヴァナ「ハァハァ…エンリルなら今のは【空間転移法】で躱せたろうな」
ラーヴァナは呼吸が乱れ虫の息状態に…
リデル・オリン「エンリルか…奴は『天臨者』さえ凌ぐ化け物だからな 何故か成長した姿はあの《アザトース》と瓜二つだが…」
リデルはエンリルの事を思い出して寒気さえ感じていた
だが何故かラーヴァナの出血が止まり傷口が塞がっていく
その様子を見たリデルは
リデル・オリン「何だ一体…波旬…お前自分の身体に何を仕込んだ?」
ラーヴァナ「これはグランドマスタークラスの実験体を作り上げる為に行った制作過程の副産物だ!」
ラーヴァナの身体は完全に復元完治した
リデル・オリン「自分の身体さえ実験体に使用した訳か…」
ラーヴァナは天之尾羽張剣を振り上げてリデルに斬りつけるがリデルは交差してそれを防ぐ
ラーヴァナ「流石に『旧世界の武器』よりツヴァイハンダーの方が強度は遥かに上か…だがこれならどうだ…天勝神精之太刀!」
リデルの交差したツヴァイハンダーに亀裂が走る
リデル・オリン「一之太刀」?…イヤこれは更に超えた…何だ」
ラーヴァナ「唯一俺が使える技だ 一之太刀を更に極めた俺だけのな!」
危険を察したリデルは『韋駄天速』で後ろに下がり体制を立て直す
リデル・オリン「確実に仕留めるには この技しかないか 《一之太刀終式・日輪瓦解》!」
一之太刀で強化された《韋駄天神速》で近づいて双刀のツヴァイハンダーでラーヴァナの全ての急所を一瞬で切り刻む
ラーヴァナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ラーヴァナは後方に倒れ完全に呼吸が途絶えた
リデル・オリン「仕留めたか…荒覇吐許してくれ お前の大事な息子を殺めた事を」
それを見ていた教皇マルチェロが
教皇マルチェロ「流石はリデル様 あのラーヴァナを だがこれでダーナ神王国と戦争になるのか 我がブランカは…」
だが倒れたラーヴァナの口が動く
ラーヴァナ「イヤ…戦争にはならんぞ 何故ならブランカは今日で終わるのだからな」
ラーヴァナは自身の『復元能力』に天勝神精之太刀を掛けて完全に復活した そして立ち上がり隠し持っていた『神銃インドラの矢』でリデルを撃つ
リデルはブラスト・ショットで急所を撃ち抜かれて倒れた…




