第42話『宗教国家ブランカ消滅』(1)
宗教国家ブランカの人口は約三億人を優に超える
かつての旧世界における《神聖ローマ帝国》を思わせる大宗教国家であり最強国家の一つであるが遂に終焉の時を迎えようとしていた
宗教国家ブランカ 《サイロス大聖堂内》
自らの専用機『純白』の『アフターオーディン』でブランカに到着したダーナ神王国 国王ラーヴァナは機体から降りてサイロス大聖堂内で教皇マルチェロとの席で会談を行っていた
ラーヴァナ「この国の神官長フェイ・ロンとか言う男は『獅飛』だな…貴様はこの事を知っていたのかマルチェロ?」
ラーヴァナは鋭い眼光でマルチェロを睨みつける
マルチェロ「元々この国はあの方が作った物でして…
確か『神聖ローマ帝国』とか言う国を模して作られたとか…初代教皇時代から我々は操り人形に過ぎません」
マルチェロはラーヴァナに怯える様に答えた そして隣には腰に二刀のツヴァイハンダーを差した老騎士が付いている
そしてその老騎士は二人の話を遮り
リデル・オリン「随分と立派になった物だな 波旬 しかしその気性や性格は相変わらずか…」
話を遮られたラーヴァナ(波旬)はその老騎士を見て
ラーヴァナ「誰だジジイ貴様は?…嫌アンタはまさか…半蔵さんか 懐かしいなぁ しかし5000年近く良く生きていた物だ 流石は『天臨者』と言った所か」
リデル・オリン「俺の孫の名前はガルダ・オリン
貴様が《ガンダルヴァ・ウェーダ》を与えた者は俺の血縁者になる」
ラーヴァナ「ああ…あの大神官はアンタの孫だったか
ウチのジークムントがしてやられた様だが道理でな…」
それを聞いたラーヴァナは何か納得が行った感じだった
ラーヴァナ「じゃあ其処の操り人形よりアンタに話を聞いた方が早そうだな このブランカのARMEDギアの乗り手に『帝釈』が殺された もしかしてアンタの仕業か?」
ラーヴァナは教皇であるマルチェロを無視してリデルとの会話を始めた
リデル・オリン「あの『帝釈』が殺された?それは同じギア・オリジンで無ければ不可能だ そんな真似が出来るのは須流徒か那由多…それに獅飛くらいか?」
リデル・オリン「それにARMEDギアでギア・オリジンを倒せるのは不可能だとお前自身が一番良く分かってるはずだぞ 少しは冷静に考えたらどうだ波旬」
ラーヴァナの内心「・・・・じゃあケニヒスは何故あんな事を言った 確かに普通に考えたら不可能だ あの『『機神大戦』同様にな」
遥か遠い過去の回想へ 5000年前
《第二次機神大戦》
上位階層軍が誇るスタック・ギア『ゲバルト』数万機が下位下層民達の蹂躙を始めた
ARMEDギア『ガイスト』数百機では対抗すら出来ずに駆逐されていく
『ゲバルト』に搭載された核融合兵器で住民達は焼かれ数百機の「ガイスト」もほぼ全滅に追い込まれていく
阿鼻叫喚の状況に泣き崩れながら神に祈る者達さえ現れた その時突然現れた人型の『機神』がゲバルト数十機を素手で粉砕する
破壊を司るギア・オリジン詩羽「まだ動けるガイストは生き残った住民達を避難させろ 後は俺達に任せてくれ!」
そして詩羽の背後には人型や半身半獣の11体の機神達の姿が。
 




