第39話『10年戦争動乱時代 序章(終)』
『帝釈』が放った雷帝断刃ライトニング・スラッシュの雷光の波動は不規則な動きで《アルケイン・パニッシャー》に向かう それを見たカイゼルは『一之太刀』で全体強化された状態で『雷光気・神精剣印』を放つ体勢に入る
カイゼル・サン・ライアット「いくぞ!極奥義『雷光気・神精剣印』」
銃剣ブラスト・ブレイバーを大地に突き立て それから切り上げた状態から振り下ろす その三動作を一瞬で行った 放たれた三つの雷光気の波動は一つとなり雷帝断刃ライトニング・スラッシュとぶつかり対消滅を起こし相殺した
ゴッドフリー・トゥヘル「馬鹿な…こんな事が起きるとは…この技は絶対不滅の奥義 何故相殺された?」
ゴッドフリーは驚愕する その間隙を突いてアルケイン・パニッシャーは『帝釈』の間合に入った
カイゼルは誰からも教わらず無意識に『韋駄天速』を使えるからだ
そして銃剣ブラスト・ブレイバーで『帝釈』の胴体を横一文字に撫で斬りにする
機体の上半身はそのまま崩れ落ちる 下半身はドロドロに溶けた装甲が地面と融合して固定されていた
この戦いを制したのはカイゼルが駆るアルケイン・パニッシャー 歴史上初めて“ARMEDギア”が“ギア・オリジン”に勝った瞬間だった!
カイゼル・サン・ライアット「言ったろ?今度は実力で勝つと だが極奥義を一瞬で出せ無かったら負けたのはコッチだった…ゴッドフリー アンタとの最初の戦いで400年分の戦闘経験値を得られたよ 感謝している」
ゴッドフリー・トゥヘル「ああ…“エンリル”が言っていたな お前は特殊な体質持ちだと だが私より強い者は他にも何人かいる その中にはお前が良く知ってる奴もな」
カイゼルはそれが誰なのか分からなかった
『器』が破壊された為にゴッドフリーも もうすぐ死を迎えようとしていた そして遠い過去の回想へ
かつて人間だった時代 上位階層軍の指揮官を務めていた帝釈は『八岐』と『須流徒』に捕えられ捕虜となっていた 口を割らない『帝釈』に業を煮やした『八岐』は《光破機銃タスラム・ランチャー》で頭部を狙い撃とうとしたが科学者だった『波旬』が止めに入る
街長である『荒覇吐』は皆との協議の結果 帝釈を仲間に引き入れる事にした 最初に完成したARMEDギア『ガイスト』のパイロットが足りない為だ やがて帝釈は皆から仲間と認められ 街を守る為に必死に戦った 回想終了
ゴッドフリー・トゥヘル「楽しかったな…あの頃は 今なら八岐殿の気持ちも分かる そろそろ身体が消える頃か…ラーヴァナ国王陛下 勝利を掴めず申し訳有りません 貴方に救って貰った命 此処で終わりで…」
そして『帝釈』とゴッドフリーは消滅した。