第36話『10年戦争動乱時代 序章(3)』
宗教国家ブランカの大神官ガルダ・オリンが駆る『大神官機』《ガンダルヴァ・ヴェーダ》とダーナ神王国のジークムント・リングエックが駆る『四至宝機』の一機はお互いに睨み合ったまま共に動けずにいた
沈黙を守っていた両雄だがジークムントの方から口を開く
ジークムント・リングエック「そう言えはサイロス大聖堂以来ですね ガルダ殿 あの時の脳内戦は私が勝った このARMEDギア同士の戦いは果たしてどうなるやら では先にコチラから」
先に攻撃を仕掛けたのはクラウ・ソラスの方からだった
クラウ・ソラスの持つ長剣は高周波を帯びている そして凄まじい斬撃の嵐がガンダルヴァ・ヴェーダを襲う
しかしガンダルヴァ・ヴェーダは速術『韋駄天速』を使い攻撃を躱しきる
ガルダ・オリン「その長剣は特殊な振動波を帯びているな 触れただけで簡単に機体が解体される…しかも扱いを間違えれば自らの機体に跳ね返る諸刃の剣…良くそんな武器を扱えるなジークムント・リングエック」
ガルダは冷静に分析してジークムントの底知れない実力に驚いていた
ジークムント・リングエック「あの速術は一体…『燕返し十二連斬』を全て躱しきるとは…ガルダ・オリン…伊達に大神官を名乗っていないと言う事か」
ジークムントもガルダと同様の分析をしていた
そして今度はガンダルヴァ・ヴェーダが双剣を抜き攻撃体勢に入るが全く動かない
ジークムント・リングエック「一体どうゆうつもりだ?何だ…コチラの装甲に複数のヒビが…」
ガンダルヴァ・ヴェーダは『韋駄天速』で高速で動きクラウ・ソラスの装甲へ双剣で立て続けにヒビを入れる やがてクラウ・ソラスの装甲が少しずつ破壊される
ガルダ・オリン「《崩し神剣縛り》下手に動くと装甲が大破するぞ ジークムント・リングエック!」
だがジークムントはガルダの言葉を無視して狂気の表情で…
ジークムント・リングエック「私は『特別製』なんですよ ラーヴァナ国王陛下が 他の『ダーク・ミスト』のメンバーの遺伝子情報を掛け合わせて作った実験体 だからこそ負ける訳にはいかない そしてこれは絶対に躱せない『燕返し三十六連斬』」
長剣の斬撃が複数の刃の嵐となってガンダルヴァ・ヴェーダに向かうが
ガルダ・オリン「ならばコッチは『韋駄天神速』X『金翅鳥王剣』」
ガンダルヴァ・ヴェーダは左手の剣を捨て 複数の刃の嵐を躱して 両手持ちの大上段からクラウ・ソラスを斜めに斬る そしてクラウ・ソラスは完全に大破した
ガルダ・オリン「ジークムント殿 死んで無いよな?」
ジークムント・リングエック「まあ…辛うじて生きてます ガルダ殿 でもあんな速術は知りませんでしたよ 今度教えてくれませんか?」
ガルダとジークムントは何故か談笑を始める
そして謎のARMEDギアが猛スピードで突っ込んでくる
カイゼル・サン・ライアット「もうじきギア・オリジン『帝釈』とゴッドフリーの奴がいる所に付くな 今度は俺自身の実力で勝つ!」
アルケイン・パニッシャーを駆るカイゼルはゴッドフリーの元へ向かう。