息ができない
一話 自由なんてありはしない
手を伸ばしたその先にあるのは
あなたの指先だったのかしら
ぐっと手をとって欲しかった
握りしめて欲しかった
海の底に沈んでいくのがわかる
あなたという海ならよかったのに
泣いて泣いてこの気持ちを伝えたい
けれども涙は流れていかない
流れず泡が上がっていくのね
不思議な感じ
その泡も息の泡に飲み込まれ
涙も消されてしまうから
手を伸ばしたその先にあるのは
あなたの何だったのかしら
あなたの心は冷めてしまい
この冷たい海とおなじ
だれでもいいから手を差し伸べて
でないと暗い世界に沈んでしまう
底まで沈んでしまうと何も見えない
泣いて泣いて心を叫んでみたい
けれど誰にも心は響かない
心の叫びはもう誰にも届かないから
わたしは海の底に堕ちていく
悲しさも何もかも感じなくなる
堕ちるところまで堕ちていく
手を伸ばしたその先にあるのは
最後の自由だったのかしら
ぐっと手をとって欲しかった
指先に何かがあったのに
もう跡形も残っていない
海の底に沈んでいってしまう
自由という海ならよかったのに
泣いて泣いて泣いたから
もう涙は海にかえっていった…
海の底に沈んでいくのがわかる
息ができない
誰もみんな手を差し伸べてくれない…
つむぐいと
では詩をメインに投稿してます
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