序章 人間とか全員ゴミクズなんだから全員死ねよ
「人間とかいうゴミクズ共さっさと死ねや気持ち悪いな!!」
1人部屋の中でそう叫ぶのは"俺"だった。
アパート暮らしで隣に人が住んでいることを知っておきながら俺という男は迷惑を考えずに叫んでいた。
こんな感じで叫ぶのは今に始まったことではない。最近はいつもこうだ。
俺は生まれてから今という今まで人間というものに良い思い出が無い。小学校の時は1年の頃から何度かいじめられた。近所の知り合いのなかでは最も立場が低かった。
中学では同級生から年下まで色んな奴から馬鹿にされいじめられ喧嘩になって独りぼっちだった。お陰様で昼休みは一人で本を読んでいたし、体育の卓球の時は1人でピンポン玉を突き続けるなんてこともあった。部活でサッカーもやっていたが、後輩からは舐められるわ、3年にもなって1年と一緒に練習させられるわ、なぜか陸上部の後輩に舐められるわ、3年で1人だけ最後の試合にも出られずベンチだわで散々だった。
「1年の癖に偉そうなことを言うな。」
2年になってからの俺の口癖。俺が3年に、後輩が2年になる時も間違って言ってしまったくらいの口癖。
高校ではクラス中で無視されて独りぼっち。テニスの授業の時は柵が相手だった。昼休みでは1人ずっとソシャゲをやっていた。部活もやってなかった。バイトもアート引っ越しで6日やったきりやめた。他のバイトもしなかった。
ここまで悲惨な人生だったがそれでも俺はめげずに休まずに学校に通い続けてきた。正直、俺はメンタルが強いと思っていた。特に中学時代は屈強なメンタルだからこそくぐり抜けられたと思っていた。
しかし、俺はその思い違いを激しく後悔することになる。まさか、俺があそこまでメンタルが弱いとはな。いや、弱くなったと言うべきか。
きっかけは大学受験に失敗しまくって浪人してからだろう。自らをゴミクズだと卑下するようになったのはそこが始まりだった。
親に毎月9000円もするお届け教材を買ってもらっておきながら、全く手をつけず、受験料も何度も払わせて、挙句浪人。部活をやってなくて時間もたくさんあったのに浪人。弟のことを心底見下し、偉そうにしてたのに浪人。父親のことを嫌い、あんな父親にはならんとか言っておきながら浪人。
耐えられなかった。そこから病んでいったのは覚えてる。
1年を経て、大学合格。親こそが神。一生感謝を忘れない。
この時、俺は想像もしてなかった。まさかここからの大学生活があんなに苦しいことになるなんて。何度も死を考えるようになるなんて。もう二度と、元の俺に戻れなくなるなんて。
想像もしてなかった...。
ーそして現在ー
「○○死ねや。ゴミクズきもいねん。はよ死ね!!」
「××とかいう頭おかしいゴミクズ死ねや!!ぶん殴んぞ!!ほんま気持ち悪いわ。」
「リア充やんけ死ね!!」
1人、迷惑を考えず部屋で叫び出す。完全にやべーやつだ。だが、俺から言わせれば人間は皆頭おかしいからこれでも俺はまともなんだ。
人間とかいうゴミクズのせいで俺がこうなったんだから、俺は悪くない。
「ゴミクズ人間共は全員死ね。」
誰か、俺を助けてくれないか?