2話
「あぁー、あれは吉川たちのグループだ。簡単に言うといじめっ子のグループだな。そして1人、あの金髪の人、武田華那古がいじめられっ子。」
俺はいじめが嫌いだ。大人数で1人を叩く。そう言うのが嫌い。
いじめられる方にも問題がある。それも分からなくはない。でも、大人数でいじめるのは可笑しいと思う。ま、俺には関係ないけどね。
「それにしても金髪なのに名前は日本っぽいな。」
「イタリアと日本のハーフだからな。」
「でも、なんで誰もなにも言わないんだ?」
普通は誰かチクるだろ。
「吉川は大手吉川グループの娘だからな。」
「ふーん。」
とか言ったけど吉川グループってなんだ?
その後は直樹と雑談をして授業を受けた。
そして今は昼休み。
購買で昼ごはんを買って食べるところを探していた。
どうも教室じゃ、落ち着かない。今までは病院で1人で食べていたからは人が多いところじゃ、どうも落ち着かない、しかもたまにあんなやついた?とかも聞こえてくるし。
「なんで俺は外に出てきているんだ?」
俺は無意識に外に来ていた。
まぁーいいか。校舎裏なら誰もいないからと思い、足を運んだ。
が、俺の予想と反して校舎裏のベンチに座っている人がいた。
その人と俺は目が合ってしまった。
なので一応挨拶をしといた。
「こんにちは。」
するとその人も返してきた。
「こんにちは、ここ使います? なら私違うところ行くので。」
「いやいや、いいです。俺が違うところ行くんで。」
「いえいえ、私が行くんで。」
そう言うやり取りを3分ぐらい続けて、結局2人で使おうとなった。
「俺は前村歩希です。これからよろしくお願いします。」
「私は武田華那古です。これからは私と会うのはやめた方が……」
「いじめられてるから?」
「うん。」
「別に俺はどうでもいいけど。」
「なんで?」
「いや、別にそれも含めて人生だから。」
そう言うと華那古ちゃんは「ふふふ。」と笑い続けて言った。
「強いなー。歩希くんわ。」
「華那古ちゃんは辛い?」
「いいや。後ちょっとで終わるから。」
その言葉の意味が俺には分からなかった。
「そんなことより華那古ちゃん、俺とどこかで会ったことある?」
俺はずっと気になっていた。昔どこかで華那古ちゃんに会ったことある気がした。記憶の片隅にあったようななかったようなって感じだ。
「多分ないと思うよ。」
「そうかー。」
その後、ご飯食べ終え、また雑談した。
「華那古ちゃんLINE交換しようよ。俺実は今日初めて学校に来たから、まだあまり友達がいないから。」
「いいよ。でも1つだけお願いがあるの。明日からも一緒にお昼ご飯食べて欲しいの。」
「いいよ。」
そしてLINEを交換して教室に戻った。