1話
「余命6ヶ月です。」
医者は俺に伝えた。
「そうですか。」
「随分落ち着いているね。」
「小さい頃から20歳まで生きられない。そう言われてたので。」
「それで残りの余命は家で過ごすか入院するかどっちがいい?」
俺は少し考えてから言った。
「家に帰ります。」
「そうか。でも歩希くんの両親は…」
「はい。もう死んでます。」
両親は2年前に死んだ。自殺だった。遺書には俺が死ぬところを見たくない。と、書いていた。
「それじゃ、明日退院というとこで、今日は荷物とかをまとめて置いてね。」
「分かりました。先生、俺の人生に意味あったんですかね?」
最後に気になっていた事を聞く。
俺は小さい頃から入院と退院の繰り返し、俺は生まれて来るべきではなかったんだろうか?
そう何回も何回も考えた。
「先生は歩希くんじゃないから分からないけど、無いなら作ればいい、残りの6ヶ月でね。」
「そうですね。それでは失礼します。」
時間が経つのはとても早い。気づけば退院する時間になっていた。
お世話になった先生たちにお礼を言って親が残してくれていた家に戻る。
親が残してくれたのは家と金だけだ。でもその2つが無きゃ俺は死んでた。
「ただいまー。」誰もいない家に俺の声が反響する。
荷物置き、ある場所に向かう。
母と父のお墓の前で手を合わせて目を瞑る。
母さん、父さん、あと6ヶ月でそっちで行くよ。そっちでは3人で過ごそうね。
「はぁー、お墓まりも終わったしどうしようかなー。スーパーよって帰ろっと。」
スーパーに行き、食材を買って家に帰った。
俺は今、台所に立っていた。
「俺、料理出来たっけ? いや、俺なら出来る、信じるんだ。カレーなら誰でも出来る。」
野菜を洗い、切る。
その後はぶぁぁぁぁって、してハニョョョとしたら出来た。
「待って、めっちゃ美味そう。」
お皿に盛り付けてテーブルまで運ぶ。
「いただきます。」
そして一口ほうばる。俺って、料理の才能あるんじゃね。と思うレベルで美味かった。
皿洗いと風呂を終え、ベッドで横になる。そして考える。
「意味のある人生か…」
意味のある人生ってよりも俺が死んでも、俺のことを覚えてる人がいて欲しい。そう思った。
「学校行ってみようかな。」
高校にはまだ一度も行ったことがなかったが学校から送られるプリントはちゃんとやっていた。だから進級は何とかなっている。
ベッドから出て、教科書などを探す。
「あったあった。」
教科書を手にとり、カバンに入れる。すると生徒手帳があった。
「俺は3組なのか。てか、時間割が分からないな。」
だから俺は、全教科の教科書をカバンに入れた。
そしてもう一度ベッドを行き、寝た。
俺は教室の前まで来ていた。
扉を開けて、教室に入る。急いで教卓にある座席表を見て自分の席に座る。
その時に気づいた。ほぼ全員の視線が俺に向いている事に、俺は話しかけられるでもなくずっと見られる。
そんな時背中をトントンと叩かれた。
後ろを向くと名前も知らない男がいた。
「お前が前村歩希なの?」
そりゃー、今まで一度も学校に来なかったらこうなるよな。
「そうだけど、君は?」
「俺は上原直樹。どうして今まで学校に来なかったんだ?」
本当のことを言うか迷ったが、結局嘘を着いた。
「ちょっと色々あってな。」
「そうなんだ。」
「ひとつ聞きたいことがあるんだけど、あの人たち何やってんの?」
と、俺は上原直樹に聞いた。