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その頃
今回は、前回のお話のときのお夕について短いですが書かせて頂きました。
お里がお膳を持って御膳所へ戻っていったあと…
お夕は
(泣いているお里を見かけて、気付けば後ろから抱きしめていた。お里がビックリしているのはわかったが、とめられなかった)
後で菊之助に諭された。
「お方様…あまりお里に近付きすぎるのはよくないかと存じます」
「わかっている…だけど…菊之助、例の件を進めようかと思っている」
「本気でございますか?」
菊之助はため息をつき
「わかりました。私から話をしてみます。その際は、お里と2人きりでお話させてください」
「わかった。よろしく頼む」
といい、お夕は胸を締め付けられるような感覚を味わっていた。
「さあ、お里が戻ってまいります。中へおはいりください」
と菊之助に言われたので、ツバメの巣をもう一度見てから部屋へ戻った。
読んで頂きありがとうございます。