女子会
京都での3人の女子会の様子を追加しました。
おぎんさん、おりんさん、私は京都にて女子会の真っ最中です。
「お里様。このお菓子、とても美味しいですよ」と、おりんさん。
「本当ですね。色もとても鮮やかで見ているだけで、幸せですね」
「そうそう、それにしても上様の嫉妬には困ったものですね」 おぎんさんが呆れた顔をしてそう言われた。
おりんさんもその話に続く。
「出立前に、行程の打ち合わせをしたんですよ。
そのときに、上様が菊之助様に『お里は籠にも着物にも慣れていないから、転んでしまわないように、菊之助が必ず手を取って移動するように』っておっしゃったんです」
「そうなんですか」
「それに、『町へ一日出掛けようと思うから、その時は必ず目を離すな。もし、騒ぎが起きそうなことがあっても落ち着いてやり過ごせ』とも・・・」
その後におぎんさんが笑いながら話された。
「なのに、菊之助様とお里様を見て、菊之助様に八つ当たりをしたり、お里様が酔っ払いに絡まれたときには、ご自分が出て行こうとされたり・・・菊之助様もたまったものじゃないですね」
私も笑いながら応じた。
「ほんとに・・・菊之助様には申し訳ないです」
「菊之助様も、きっと上様の機嫌が悪くなると初めにおっしゃっていましたけどね」
「よく、おわかりなのですね」
「でも、お里様のことにこんなに必死になられるとは、初めは思わなかったけれど、お二人の姿を見ていると、幸せな気持ちになると、おっしゃっていました」
「まあ、とてもうれしいです」
「私たちもそうですよ。上様とお里様の『あまーい』時間は、このお菓子を食べるときのようにこっちも蕩けそうになります」
「!!!」
(私は顔が赤くなる)
「そういうところが、お可愛いのですよねえ」
おりんさんは、いたずらっぽい顔をして言われた。
「もうご勘弁ください」
私は、ごまかすように手に持ったお菓子を一口で食べた。
(こんなに暖かく見守っていただいて、私は本当にしあわせものです。そして、上様のお話を聞けて、改めて上様をお可愛いと思ってしまう)
「それに、お里様がお寂しい思いをしないように、私たちは離れないように、と言われているんです」
「ありがとうございます」
「いえいえ、私たちもゆっくり楽しませて頂いているので・・・」
またおりんさんが、いたずらっぽく続けられた。
「でも、上様が戻ったら早く下がるようにとも言われているのですよ。そんなことは、言われなくてもわかってるんですけどねえ」
「まあっ!!! そんなことまで?」
「お里、戻ったぞ!」
「あっ! 上様、お帰りなさいませ」
「上様、お疲れ様でございました。では、私たちは失礼いたします」
「ああ ご苦労」
お二人は、私の方をみてクスクスッと笑われた。私も、笑顔で返した。
「お里? どうした?」
「いえ、何もございませんよ」
お可愛い上様のおかえりです。
読んで頂きありがとうございます。