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  作者: シアン
1/4

────穴が在った────

 何だろうかと考えるが、俺の知識では分からなかった。


 ただ印象だけを述べるなら、俺という人間が百存在しても余りある大きさということ。


 何故、こんな底の見えない穴の縁に突っ立っているのか?

 そんなこと俺の夢だからだろう。だってそうじゃないか、それ以外に理由を付けようがないんだからさ。



「さみぃなぁ」



 全く持って口から出た言葉の通りだ。部屋着のTシャツに半ズボンなのだ。風が吹けば肌を突き刺すような感覚が身を苛む。



「ここは、何? 北極? あるいは南極か? 確かどっちだったかに穴が在るって聞いたこと在るけど……」



 そんな俺の言葉を返す人間は周りに存在していないようだ。まぁ当然か。



「……穴ね。落ちたら死ぬかな? 底が見えなきゃ、まぁ死ぬだろう」



 死について考えてみることにする。


 生命活動の停止、感情が無くなり、痛みを忘れ、何も考えることが出来なくなる。



「まぁ、楽で良いのかもな……。もっとも、死んだらそんなことも考えられないだろうから、この答えは間違っているのかもしれねぇな」



 さて、こんな夢早く終わらねぇかなぁ。面白くないし、別に死にたがりじゃないしさ。どっちかって言うと生きてる方が楽しいじゃん? そう思わないか?

 って俺の考えを誰に述べてんだろうな、ばかばかしい。



「……ん、何だ? 今、穴から何か聞こえた気がする」



 気は進まないが、興味を引かれたんで首を出して穴の奥を覗いてみた。


 やべぇって、はんぱねぇよ、怖すぎる。暗い、何にも見えない。死んじゃうぜ。


 心なしか穴に向かって身体が知らんうちに動いている気が……。



「そんなバナナ……って、あれ? 冗談だよねマイケルジョーダン? 古いって? いやいやいや。ちょっと、ねぇ…………ぬぉおおお!」


 簡潔に言うと、穴に落ちた。


 冗談じゃなく、頭からこうスルっと。


「夢ですよね? じゃねぇと俺様デストロイなんですけどぉおおお!? ひゃっほおおお!」



 少し頭のギアが意味不明にうPした模様。これはまずい。冷静さを取り戻していつものクールな俺様に戻らなけれ……。



「いや、無理だろぉおおお!」




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