8.ルナの決意
フィクションです。はっくしゅん!
また夢…じゃなかった。アミュレットの提案がイメージとして映し出された
冒険者になるための、そしてデッドエンド回避のルート
………!
(わたくしの未来…最近読んだ物語の主人公が言っていましたわ!自分の未来は自分で切り開くのだと!)
(ありがとう、アミュレット!わたくしは貴方の提案を実行してみますわ!)
………。
重たいまぶたをゆっくりと開くと窓から入る日の光がやけに眩しかった
「良かった!お嬢様…お目覚めになられたのですね。1週間もの間高熱にうなされいたのです。覚えていらっしゃいますか?」
少し腫れぼったく赤くなった目を潤ませ、安堵の表情をしたマリーゴールドの顔があった。ルナは頬に違和感を感じたがすぐにその正体がわかった。マリーゴールドの瞳から大粒の涙がおちてきていたのだった
『マリー…心配かけまちたわね。』
ルナの小さな手でマリーゴールドの涙をぬぐうと ハッ と少し顔を赤らめマリーはお茶の準備をはじめた
(そういえば身体が固まっている様な気がする)
うーん と背伸びをすると、マリーゴールドがタイミングよく白湯をだしてくれた。準備してくれた白湯を一口飲む
十分に水分を取れていなかった身体はカラカラだったのか白湯が身体に染み渡っていく
(ハァ…ただの白湯なのに優しい味がする)
『マリーの白湯は不思議ね、癒しの効果があるのかちら』
「うふふ、ルナ様は知らなかったですよね?私は光の加護を受けているので少し白湯に治癒の魔力を込めているんですよ」
マリーはいつもの優しい慈愛に溢れた笑顔で答えた
その日は料理長力作のミルク粥を少し食べて久しぶりに夢をみることなくグッスリと眠った
(まさかマリーゴールドが光の加護を受けていて魔法がつかえるなんて、びっくりしましたわ)
次の日、マリーゴールドはルナの看病疲れのためか体調を崩し、侍女のお仕事をお休みした
熱にうなされている間飲まず食わずのルナを、マリーゴールドが治癒魔法で癒してくれていたと他の使用人が教えてくれた
(ずっと治癒魔法を使っていたという事よね…マリーゴールドには何かお返しがしたいわ)
マリーゴールドの容姿
14歳 色白 金髪 水色の瞳 ロングヘアーはいつも綺麗に編み込みのおさげに整えられている
光の加護を受けている
生い立ち
両親とも光の加護を受けていた。薬草と魔力を調合する調合師で街で薬屋をしており、王都にも作った薬を卸していた。
宰相のジャンや騎士団長のレオンはマリーの両親が作る薬を買ってくれるお得意様だった。
マリーの両親は王都からの帰り道にて魔物に襲われ、命を落とした。