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6.レオン・ナイトレイ 騎士団長ルート

ヒロインのデッドエンドシーンあり。苦手な方は飛ばしてください。

(夢??胸が痛いです。息も普通にできない…病気でしょうか?…)


3歳のルナには今の感情を表現することは難しかった。しかし重苦しく13歳の自分が死ぬ瞬間の映像はショックも大きかった


………………………?



(なんだかまた違う夢になりまちた)

(ここは…お城のとなりにたっている白い教会??)



『これが大聖女か人間兵器か、今は何もわからん。しかし大聖女であればここで殺すわけにもいかん…騎士団長、これを育てろ』


王の手から独り身の騎士団長のレオン・ナイトレイ に赤ん坊を抱かせるが、レオンの表情は放心状態であった


(あの赤ちゃんがわたくしかしら?)


また場面が突然切り替わっていく


時間が断片的にアルバムをめくるように映像が変わっていく


赤ん坊のルナから徐々に成長をしている。今のルナの姿と同じ姿でレオンに手を引かれている映像はルナにとって、何やら不思議な気分になるものだった


(騎士団長様がお父様という世界かしら?)


7歳のルナで映像が止まった 7歳のルナは、何人もいるレオンの恋人のうちの1人の女性とレオンの屋敷の庭で遊んでいる


レオンはルナを自分の敷地内で恋人達に育てさせていた

毎日違う女性が遊びに来ては面倒を見てくれることにこの夢のなかのルナは何も疑問を持っていないようだ



「ルナちゃんは魔法が色々使えるって本当?」


今日ルナの世話にきてくれた女性はレオンの行きつけの酒屋の看板娘だ


『ええ、でも旦那様から使ってはいけないと申し使っているので使えないのです』


「大丈夫!私からレオンに後から説明するわ!私が頼んだといえばレオンだって許してくれるわよ」


「それに、鍛冶屋の娘がケガした時にルナちゃんが治癒魔法で治してあげたと聞いたわ。ルナちゃんは私より鍛冶屋の娘の方が好きなの?」


『…でも、』


以前鍛冶屋の娘がルナの面倒をみにきた日に馬車から降りる際、雨上がりでぬかるんでいたこともあり滑って足を捻ってしまったことがあったのだ。レオンはすぐに娘を抱き抱えて屋敷の中で捻った足の具合をみた。あっという間に腫れあがっていた足を診てヒビくらい入っているかもしれんと医者を呼びに行こうとしたところ、ルナの光の加護の力であっという間に治してしまったのだ。普通の治癒魔法では痛みや腫れを抑えるくらいなのだがルナは完全に治癒させていたのだ。きっとその話を聞いたのだろう

しかし、この後からレオンからもう魔法は使ってはいけないと言われていたのだ



「大丈夫よっ!私は加護を持っていないから魔法は使えないの…加護を持っているルナちゃんが私は羨ましいわ」


優しいお姉さんの悲しい顔は少しだけルナの心をゆらした


『…わかりました、少しだけ』


小さな声で答えると、ルナは渋々だが魔法を見せることにした

水魔法と炎魔法、最後に光魔法の3つを合わせてキラキラ輝く雪を自分たちがいる上から降らせてみせた


「わぁぁ!!こんなに美しい魔法は初めて見たわ!ありがとうルナちゃんっ!」


女性は魔法に感動してルナをギュッと抱きしめた


その時だ


「魔法を使ったのか!?ルナ!!魔法を使ったのだな!!」


血相を変えたレオンがすごい勢いで庭に入ってきた


レオンの声が怒りに震えておりルナは恐怖のあまり返事も出来なかった


「俺の愛する女を殺そうとしたのか!?」


ルナは恐怖でレオンの彼女にしがみついた。しかしレオンの手によって無理やり離され、バチチーン!と大きな渇いた音とともにルナの小さなカラダはよろめきその場に倒れた


「コイツに触るな!!なぜ…何故魔法を使ったんだ!!しかも3つも属性を合わせた複雑な魔法だ…」


「ま、待ってレオン!」


酒屋の看板娘がレオンの怒りを鎮めようと必死にレオンの腕をひくが、激しく振り払われる


「お前は黙ってろっ!」


ルナの左頬には赤く大きな手形がついている。エメラルドグリーンの瞳からポロポロと大粒の涙が溢れ落ちた しかしそんな様子に気を止めることも無く、畳み掛けるようにレオンはルナを責め続ける


「お前はそうやって実は俺をバカにしていたんだろう、なんの鍛錬をしなくても上級魔法が使えるんだから…毎日毎日汗まみれで鍛錬をしている俺をお前は見下していたんだよな!!」


『ち、違います』


恐怖から声が出ないルナはやっとで一言絞り出した


「何が、違うんだ!この前も、俺は怪我をした女を治すことすらできず右往左往している横でお前は あっという間に治癒魔法で治してしまったじゃないか!これじゃ俺が無能な人間にみえるじゃないか!!」


騎士団長は普段から優しくはないがルナの事を悪く言うこともなかった。何か今日は様子がおかしい気がするが7歳のルナには分からなかった

ただぼんやりと騎士団長のまわりに黒い靄のようなものがうっすらと見える


「もうウンザリなんだよ!お前が魔法を使うたびに緊張する生活だった。俺の心配をよそに高度な魔法をつかい、魔力は年々上昇していた。いつお前の魔力が暴走して国が滅びることになるんじゃないかと…ずっと、、ずっと怯えてきた…しかし、怯えている自分にも嫌気がさして、お前を見るたび酷く苛々するんだよっ!もう限界だ!!」


ズザンッ!!

レオンは力任せに腰にさげていた剣を抜き地面に突き刺した 庭の地面にヒビが大きくはいる


『…ごめんなさい』


ルナの身体はガタガタと恐怖で震えていた。

レオンはルナが物心がつくまえから自分の子ではないこと。捨てられていたこと。加護の複合者だから王の命でしかたなく自分が育てているという事を話していた。レオンから愛情など感じたことはなかったが、育ててくれていることに感謝していた。しかし、こんなに自分は憎まれていたのかと知り幼い心は酷く傷ついた



ルナは、自分は何故生まれてきたのだろう、なぜ加護の複合者なのだろう、なぜ両親は生まれてすぐ自分をすてたのだろう…答えの出ない自問自答を繰り返した


そして気づいてしまう…


(わたくしはこの世界に災いをもたらす可能性のある悪災、生きる資格など初めからなかったのね)


ルナの頭は気持ちがいいくらい冴え、先程まで感じていた恐怖はなくなっていた


そして一つの答えを導き出した


『旦那様、今日まで育ててくださりありがとうございました。そしてあなた様をこんなに傷つけていたことに気づかなくてごめんなさい…』


レオンにそう言葉をかけるとニコリと微笑んだ。その瞬間、ルナの頭上が眩しいほどに輝いたと思ったら倒れ、小さな身体は真っ赤に染まっていた


ルナは先程使った魔法と同じように自分の上だけにキラキラと光るいくつもの氷の刃を降らせたのだった…



デッドエンド






ヒロイン、だんだん鋼メンタルになる

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