20 ジャスミンとカイ
それからもマリーはルナと一緒に出かけてはレベル上げをしレベル15になっていた
「そろそろ野良パーティに入ってクエストチャレンジしてもいいんじゃない?」
ジャスミンがお昼休憩でハラペコくまさんに来ていた
マリーはルナが冒険者になってからクエストにチャレンジしてもいいと思っていたのでジャスミンの話を聞き流しながら華麗にお店の中を動き回っていた
「クエストだと賞金でるからパーティで山分けしても1人より効率良く稼げるし、私が仲介する野良パーティはいい人ばかりよ?それに…」
「それに?」
「それに、マリーは有能で可愛いヒーラーだからすでにマリーがクエストチャレンジする時は声かけてほしいって冒険者が何人もいるのよ!」
『そうなの!?マリーは美人だし回復系も能力強化系も得意だもんね!オファーが多いのは当たり前よね!』
何故かルナが嬉しそうに話に混ざった
「でもねー、私が冒険者を目指したのはルナを守るためだからパーティって言われてもピンとこないのよね。パーティ組まなくてもクエストは受けれるでしょ?」
「それはそうなんだけど、ってアレ本気なの?ルナが冒険者になるまで誰ともパーティは組まないってやつ」
ジャスミンは食べてたパスタをクルクルとフォークでいじりながら唇を尖らせ面白くなさげに話す
「そうね。本気よ!」
フフフッと軽やかに笑いながらマリーはジャスミンの言葉の棘をかわしていく
「もー!そんなこと言ってたらあっと言う間にアラサーよ!?!?女性冒険者の特権はイケメンとパーティ内恋愛が醍醐味じゃない!!!」
((いやいや、かなり偏りのある考えだなぁ))
ルナも、忙しそうに店の中を動きまくっているが耳は先程からジャスミンの会話に聞き耳を立てていた
「ジャスミンの言う通りだ!とりあえず俺とパーティ組まないか?北の山に飛んできた翼竜の討伐依頼があるんだが一緒に行ってほしいんだ」
ジャスミンとマリーの会話に入ってきたのはA級冒険者のカイという男だった
長身で褐色の肌に黒髪の短髪、コバルトブルーの切れ長の瞳の俗に言うイケメンの冒険者だ。ギルドに入っているが、ギルメンとパーティは組まずにいつも野良パーティで活動している変わり者だったりする
「うーん、ごめんなさい!」
そう言って厨房に向かおうとしたマリーの腕をカイが掴みマリーの耳元で何かを囁いた
マリーの顔は赤くなるどころか青白く顔色がすぐれなくなったことはルナしか気づかなかった