ユキノンは優等生で親友
ようやく休み時間になった。
「ごめん」とあずは雪乃に謝った。
「どうして?」
「だって、あたしのせいでユキノンまでおこられた」
「そんなの、ぜんぜん気にしてないよ」
ユキノンはいい子だ。まじめなクラスの中でもとびっきりまじめで、しっかり者。勉強もスポーツもできて、ピアノまで弾ける。おまけに学級委員だったりする。スーパーガール雪乃ちゃん。
どこからみてもあずとは正反対の優等生がどういうわけかあずの親友で、困った時にはいつも救いの手を差し伸べてくれる。
「あーちゃんは、えらいわよ」
「どうして?」
「だって一人でお家のこと全部やってるんでしょ、感心しちゃう。それだけがんばってるんだもの、少しくらい遅刻したってしょうがないわよ」
ひー、なぐさめられて、うれしくて、涙がでちゃいそう。さすがユキノンはわかってくれている。この歳で一人暮らしだもん、そりゃ苦労が多いのよ。
「お店もやっているんでしょ」
「そーなのよ」
と言ってから大事なことを思い出した。そうだ、今日、おじいさんがオルガンを買いに来るのだ。あれがいくらするのかまだママに訊いていない。学校から帰ったらすぐにお店を開けなくちゃならないし、放課後にグランド十周なんかやっている時間はない。どうしよう、サボったと思われたらまたカッパゴリラにお目玉だ。
「どうしよう、ユキノン」
「なにが?」
「おじいさんがオルガンを買いに来るのよ、だけど値段がわからないの」
「は?」




