学校は上を下への大騒ぎ
学校の中はもう、はちゃめちゃ。
もともと校則のきびしい学校だったので、文化祭の出し物だって教育的でおとなしいものに限られていた。たぶん、学校始まって以来のお祭り騒ぎがおきている。
当然のことながらまじめに授業をしているクラスはまったくなくて、教師役に選ばれた生徒が思い思いにというか、ぶっちゃけ、好き勝手な授業をしている。ユキノンの嵐ファンクラブイベントみたいな授業もそうだし、ミス鉄仮面のダンスパーティ、カッパゴリラのサッカー、美術室ではマンガ家養成講座が開かれ、視聴覚室では『魔法少女まどか☆マギカ』のアニメ上映会が開かれている。
校舎の壁にはスプレーで落書きがされるし、廊下を自転車で走り回る生徒はいるし、校庭や屋上では花火大会が催されていて、カップルがそこかしこでいちゃついていたりする。
しかも先生たちは誰も注意しないのだ。いや昨日まで先生だった大人たちはもうすっかり先生としての義務を放棄して、みずから率先して生徒と一緒に遊んでいる。なんなんだ、これは。
「あのう、こういうのって、おかしいと思うんですけど」
たまりかねたあずは、二年二組の教室に戻り、元校長先生に相談した。しかし元校長先生はユキノンの授業にのめりこんでいて、話半分にしか聞いてくれない。
もう自分で何とかするしかないのか、だってあたしは校長なんだし。
あずは放送室に向かった。ここも生徒たちが占拠して、今はカラオケパーティの真っ最中だった。
「ちょっと、大事な放送したいから、ちょっとだけ静かにしてくれませんか」
あずがそう頼んでも、彼らは騒ぐのをやめようとしない。女の子たちは『ヘビーローテーション』を振り付けで熱唱しているし、男の子たちもヲタ芸という奇妙な踊りでそれを盛り上げている。あずはその曲が終わるのを待って、次の曲がはじまるまでのわずかの時間に全校放送のマイクのスイッチを入れた。
「先生方にお知らせがあります。先生といっても、昨日まで先生だった大人の人たちです。今から職員室にて、臨時の職員会議を開きたいと思います。ぜひみなさん集まってください。校長先生からのお願いです」
そこまで言ったところでまた大音量でカラオケのイントロが始まり、生徒たちが踊り出した。




