とあるご令嬢方による歓談の一幕
番外編です。
会話文のみなので人を選ぶかもしれませんが、よろしければどうぞ。
「あら、カイェタン様よ!」
「相変わらず素敵よねぇ……それに、剣も一流なのでしょう?」
「近々近衛隊に入隊されるそうよ」
「まだ私達と同じようなお年なのに!」
「ああ、あんな素敵な殿方が婚約者だったら……」
「ペルシカったら。彼、婚約者がいらっしゃるじゃない」
「ええ、ゲルトラウデさんね」
「ゲルトラウデって、あの”薔薇”の?」
「そう、”薔薇”の」
「凄い方よねぇ、子爵家なのにいつも成績上位で」
「お父様がいつも『お前も彼女を手本にしろ』って言うの!」
「私のお父様も、『彼女が公爵家、もしくは侯爵家の娘ならな』と言っていて……」
「ステラータ様のお父様って、宰相様よね?」
「確かに、もう少し家柄が良ければ、間違いなく王太子様の婚約者候補になっていたわよね!勿体無い」
「でもミヌティ、考えてごらんなさい?彼女がそんな家柄だったら……」
「……なるほど、カイェタン様とは婚約出来ませんわね」
「正解よ、ペルシカ」
「本当にお似合いよね!」
「美男美女よねぇ」
「ああでも、ステラータ様とフォリア様もお似合いだわ!」
「やめて頂戴、ミヌティ。照れるでしょう?」
「ふふ……あら、ベルティーナさんね」
「ベルティーナさんも凄い方よね!」
「ええ。まあ、それよりも違った意味で有名だけれど……」
「……やっぱり、また彼を締め上げに来ていたのね」
「あれはピーターさんが悪いと思いますわ!」
「いつもいつも浮気ばかりされていますしね」
「あのままだといずれ見放されますわよ、彼」
「同感ですわ、ペルシカ!」
「そういえば、カイェタン様とゲルトラウデさんの間にも、不仲という噂が流れた事がありましたわね」
「あの噂、一体何だったのかしら!」
「見るからにお熱いわよね」
「この間、彼に姫抱きされているゲルトラウデさんを見ましたわね」
「まあ、素敵!」
「お二人共美男美女ですから、眼福でした」
「あらステラータ様、そんな事を言ってフォリア様に妬かれても知りませんわよ?」
「そうそう、あの二人にそっくりな二人が出て来る本を見つけましたの!」
「本?」
「ええ。氷のお城に囚われたお姫様を、騎士様が助け出すお話です。子供向けの本ですし、表紙は騎士様だけでしたから気づきませんでしたけど、とってもロマンチックで!」
「それは読んでみたいわね」
「ああ、その本なら、図書館で見掛けましたわ」
「そうなの?折角ですし、読みに行きましょうか」
もう1話番外編を投稿して完結予定です。
よろしければあともう1日お付き合い下さい。