あの頃も僕は僕だったはず
暑い季節も過ぎ 朝晩のすずしさが右ひざに響く
何時の頃からだろう
季節の変わり目 天候の変化を膝の疼きで感じる様になったのは
年を取ったな
子供の頃の痛みと今とでは感じ方がだいぶ違う
今では騙し騙し日々の生活を送っているが あの頃にはわからない感覚だろう
夏の朝 冷蔵庫で冷えている麦茶を一気に胃に流し込む
何も考えず 乾いた体を潤していた
今は冷えた指先を湯飲みで温めながらお茶を啜っている
あの頃は若かった
胃に染み渡るあの冷たさが 今では身に染みる事だろう