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【連載中止】魔族が悪というのは偏見です。  作者: 天野 星屑
魔界    
28/35

28:襲撃

 俺達が、美味しく朝飯を食おうとしていたら、大きな鐘の音が響いた。






「っ!?うるせーな」






「まさか……!」




そう言って立ち上がる四人。




「おい、この鐘の音はなんだ?」





そう言いながら俺も立ち上がる。





「こいつは魔物が襲撃してきた時に鳴らされる鐘だ」






「てことは………」





「ああ、魔物が来ている」





心無しか村の外周のほうが騒がしい。



「ですよね~」





俺達も戦列に加わらないといけない。そもそも、この世界の冒険者は、こういう時に戦うことを義務付けられている。だからこその特別待遇もあるのだが。







「人員かき集めろ!」





「戦えるやつは、門の前に集合しろ!それ以外は街の避難所にこもってろ!」





「冒険者は各自出撃しろ!突出し過ぎるな!」





俺達がたどり着いた時には、迎撃体制が整っていた。流石は魔族。戦いなれしてるな。






俺達が参戦するまでもなく、殲滅できるだろうと思っていた。





魔物がこれだけだと勘違いをしていた。俺達が村の防衛に徹していると、村の反対側から悲鳴が聞こえてくる。







「アーク!」





「何だ」


俺の呼びかけに、魔物を切り捨てながら答える。





「ちょっと向こう側行ってくる」






「………分かった」





その答えを聞く前から俺は走り出していた。さっきから、ずっとメリアリオの声が響いている。戦闘中は戦闘を支援してくれるはずなのだが。



その声が走れと言っている。走るしかないだろう。






「魔物多数!持ちこたえれません!」








「門は死守しろ!」






「こいつ、何っ!?」






ようやく、反対の門にたどり着いた時に、門の隣のかべが弾け飛んだ。





「まじかよ…!」




慌てて破片を避けつつ、門の上から落ちてきた兵士を受け止める。






「おいっ、何があった!」





その兵士が無言で指差す先には、“災厄”がいた。



腕から兵士を優しく降ろしながら(野郎なら放り出していた)魔物に相対する。






「力を貸せ、メリアリオ」





『代償は?』






「血で十分だろ」






『ああ』





体から血が抜けていくのが分かる。初めてのこの状態だ。どうなることか。






「いっけっ!」

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