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【連載中止】魔族が悪というのは偏見です。  作者: 天野 星屑
魔界    
24/35

24:過去

「は?何ですかいきなり」



なんだよこの爺さん。こっちの話を聞かずに勇者だとか変なことを言ってきた。まあ間違えてはいないが。いくら魔族とはいえ、勇者ということがばれたら面倒くさい。



 というかそもそも、何で勇者と呼ぶんだ?別に勇気ある奴らばかりでは無いし、むしろ、チートだよりのしょぼい奴らばかりなのでは無いだろうか。





「人違いですよ。俺はそんなに大したやつではありません」






「人違いっちゃ人違いだがな、儂の知っとる勇者と違うが、お前もそんなとこじゃろ」






この爺さん、先代の勇者を知ってんのか。道理で、勇者だと勘違いされるわけだ。今の俺は、ただの冒険者だしな。







「そいつと、よく話してな。勇者は気配で分かるんだよ」



気配でわかるとか、なんとも呆れた爺さんだ。兵士でもやってりゃ相当優秀だったろうに。



もしかしてまだ剣を振ってるのかもしれないが。腕の切り傷や、剣だこがある。






「だったらどうしたんですか?」






「やっぱり勇者か。良かろう、付いてこい」



そう言って、店の奥に消えていく爺さん。これは付いてったほうがいいのかな?まあ、取り敢えず付いていこう。




付いてった先は、狭い部屋だった。





「お前は武器が欲しいんじゃろ?」






「ああ」





「良かろう」


そう言って椅子に座る爺さん。





「最高の武器を用意してやるから、その前に話を聞いてけや」





拒否権は……………ないですね、はい。

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