21:仲間
『もし、お前が生き物を殺したら、お前は自分の手でその生き物を最後まで捌かんといかんぞ。それが、命を奪う者のするべきことじゃ』
それがジジィが終始言い続けていたことだ。ジジィはこう言いたかったんだろう。
『命を奪うなら相応の事をしろ』
命を奪ったらしなければいけない事をしろ。そういう事だ。この世界ではそれが、魔物を捌くことにあたる。自分が奪った命は有効活用しろ、という訳だ。
命を奪うな、ということよりはよっぽどいい。
「全部解体したら今日は終わりにするぞ」
「村の近くなら解体しなくても良かったのに」
「仕方ないだろう。あまり村の近くで戦うと迷惑だ」
異世界に来てまで騒音で苦情を言われるとは思わなかった。確かに魔法とかはうるさいし、剣戟の音は耳に響く。だが、我慢できない程じゃないだろうに。
五人で歩いて、村の門を越える。万が一の場合に備えて村には周りを取り囲むように柵がされている。魔力を持たない魔物では、破れない硬さだ。
「とりあえずギルドに行こうか」
「ええ」
「わかった」
さっそくギルドに向かって換金とクエストの報告をする。この世界ではカードに討伐数を数える効果はない。どこまで行ってもただのカードだ。
その代わりに、魔物の部位の一部を切り取って提出すれば、討伐の証拠になる。
「はい、オークの討伐ですね。牙の数を数えるのでしばらくお待ちください。」
流石はギルド職員だ。女性とはいえ、血のついた牙を平気で触っている。少しかっこいいと思った。
「確かに頂きました。こちらが報酬です」
そう言って渡された金をその場で分ける。どうせ誰も待たせてはいないのだ。受付のお姉さんも苦笑しながら見ている。
「よし、晩飯を食いに行こう」
「賛成」
「サーんせい♪」
イリアもシュラインも乗り気だ。酒が好きだからな。
一方アルは酒が好きではないので微妙な表情をしている。
まあ楽しもうよ!!アルくん!!




