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【連載中止】魔族が悪というのは偏見です。  作者: 天野 星屑
魔界    
18/35

18:旅立ち

結局、あの後何も事件は起きなかった。いや、少なくとも人に害は与えていない、というべきか。


崩れ落ちたのだ、あのダンジョンは。

エルダラムさんの部下が調査に向かったときには、ダンジョンが存在しなかったそうだ。入り口は完全に閉じ、地面にも陥没が見られ、ダンジョン内に侵入するのは困難だったらしい。その後ダンジョンの調査は続いているが、成果は上がっていない。




 あの事件から四ヶ月、俺がこの世界に召喚されてから、およそ半年がたった。




 そして今日、俺は一人で旅に出る。初めから魔王やエルダラムさんとは約束していたことだ。





「じゃあ、行ってこい」



「絶対に戻ってきてくれ。お前は私達にとって必要な存在だ」




「わかってるさ。俺もここには戻ってきたい」

ここには確かな温もりがあったから、と心の中で付け加える。現にこうして、何人もの人が俺を見送りに来ている。



……一部の奴らにはサボる口実にされていそうだが。




「じゃ、行ってきます。多分一年以内には戻るんじゃないかな?」




「なぜに疑問形だ」



自分でも確信が無いからに決まっている。気分次第だからな。



「じゃあな」

そう言うと多くの人が手を振ってくれた。この暖かさは忘れられそうにない。



    ※※※※※※



「さて、しばらく歩いて来たんだが、なぁメリアリオこの辺に集落があったか?」




『何で俺に聞く。自分で調べろよ』




「そりゃあお前に聞いたほうが早いからな」




そう言うとため息を吐きながら教えてくれた。




『後二、三日はあるかねえとないな』




結構遠いもんだな。そもそも、この魔神の大陸には王都以外に大きな都市は無いらしい。王都から離れた土地には、小さな集落があるらしいが、それらは一応魔王の支配下にある。と言ってもほとんどの自治区になってるらしいが。




「仕方がない、歩くか。」





『当たり前だ』

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