12:武器
「お帰り、どうだった?見えた?」
俺が意識を取り戻すと、すぐに魔神が笑いながら聞いてきた。
「見えた、って一体何なんだよあいつは。でたらめすぎるだろう」
「そっか、まだなんだね」
ウンウンと一人で納得をしている魔神に全くついていけない俺は魔神に問いかける。
「一体何が?」
「ダメダメ。これ以上言っちゃうとつまらなくなるもんね。じゃあ頑張ってね」
そう言ってこちらに手を振っている。
「えっ、ちょ、ちょっと待……」
再び俺の意識が闇に包まれた。
※※※※※※
「お帰り、どうだった?」
元の場所、すなわち図書館に戻ってすぐにエルダラムさんに起こされて話を聞かれた。
「どうってなにがです?」
「神と会ったんだろ?何かくれなかったか?」
やっぱりこの人は魔神のことを知っていて、あの言葉を言えば一度だけ会えると知っていたんだ。だが俺が何を見たかは知らないだろう。あれは言うべきではない。少なくとも今は。
「はい、こいつをもらいました」
そう言って棒を出す。
「こいつは…何か説明されたか?」
「いえ、特に何も」
「そうかしかしどうやって調べるか」
「調べるって何を?」
そう言うとエルダラムさんは自分の剣をさやごと俺に渡しながら言う。
「俺のその剣だと重量軽減って言う効果がある。そんな感じでそいつにも何かあると思うんだが」
『俺の力を知りたいのか?』
「「ッ!?」」
何と棒が喋った。そんなこともあるのか…さすが異世界だ。
『どうした?そんなに驚いて。お前らが知りたいって言ったんだろうが』
少し不機嫌そうにその棒、メリアリオが言うとエルダラムさんが落ち着いたようでこたえる。
「悪い悪い、ちょっと驚いただけだ。じゃあお前の力を教えてくれ」
『いいぜ。おれの“誓約”はそこのお前が支払った代償に応じて力を貸すもんだ』
「代償って何だ?」
素直に思ったことを口にすると舌打ちされる。
……武器が舌打ちか…何ともファンタジーだ。(そんな訳ない)
『今から言うよ。例えば血とか魂とか、あとは俺が臨時で認めたもんだな』
何とも重い代償だ。使いたくないな、こいつは。魔神は何を考えてんだろうか。
「そんな顔すんなよ。仕方ないだろ。とりあえず今日はもうおしまいだ。ゆっくり寝ろ」
「へ~い」
「ちゃんとそれ持ってけよ」
この棒をか。邪魔だな、と思いながら振り向くとそこには短剣が転がっていた。
『ちゃんと変形もできるぜ?』
前言撤回しよう。こいつはけっこう使えそうだ。




